【感想】笑う大天使 1巻

川原泉 / 花とゆめ
(87件のレビュー)

総合評価:

平均 4.4
49
22
12
0
0
  • カーラ教授にしか書けない作品

     川原泉は決して絵の上手い漫画家では無い。キャラの書き分けが上手いわけでもないし、一枚絵のレベルでも上手い人はもっといる。ストーリーが際立って上手い漫画家でも無い。本作もそうだが、設定もありきたりと言えばありきたりのものがほとんどだし、ストーリー構成が優れているというわけでも無い。

     なのに、なぜ面白いのか説明しようが無いのに圧倒的に面白いのが川原泉の真骨頂だと思う。デビュー作からずっと追いかけている漫画家の一人。
     ちなみにだが番外編の「夢だっていいじゃない」に出てきた「チャールズ人形・ダイアナ人形」は初出時死ぬほど笑い転げた。どうやったらこんなことを思いつくのか、と小一時間(ry
    続きを読む

    投稿日:2014.06.28

  • 映画化も

    数年前映画化されたと記憶しています。映画は見ていませんが、
    間違いなく原作の方が面白いと断言できる、そんな本です。
    内容は他の方が深く書かれていますが、その通り。
    この作品が発表されたのは1987年。27年近く前の作品で、携帯も
    スマホもポケベルもない様な学園物。それが今でも面白い。これは
    凄い事だと思います。携帯がない、ということが気にならないので
    す。
    笑える話、泣ける話(2巻)、幸せになる話、色々なものが詰まっ
    た作品です。
    ReaderStoreさんには、他の作品も早く出して欲しいです。
    ※時々、漫画家の本橋先生が脇役を描かれているのも大好きです
    続きを読む

    投稿日:2014.07.01

  • ある意味、少女漫画のエポックメイキング的タイトル

    川原泉さんの代表作と言っていい作品。
    デビュー作からこのあたりの作品まで、一貫したスタイルで描かれてきたものが、
    この『笑う大天使』で一つの形を成した……そんな作品です。

    歴史あるお嬢様学校で、真のお嬢様になりそこなった三人の女子高生。
    お嬢様のメッキがはがれないよう細心の注意を払って学生生活を送る……という目新しさのないコメディ要素に加え、三人のそれぞれの家族背景も実はいろんな作品で散々使われたパターンです。(※例:両親の事情で長年離れて暮らした兄と妹の再会……など)
    ただ、それらの構成要素を組み立てるネームが非常に怜悧でクール。
    典型的少女漫画設定とクールでウィットに飛んだネームのバランス感覚は、川原女史ならではのものでしょう。
    そういう意味でこの作家さんは独特の立ち位置をキープしていると思いますし、「こういう少女漫画もアリなんだ!」と思わせたエポックメイキング的タイトルかとも思います。

    川原作品はそれなりの数がありますが、これから初めて川原女史の作品を読む……という方には、このタイトルをお勧めします。
    続きを読む

    投稿日:2014.06.20

ブクログレビュー

"powered by"

  • のとくり

    のとくり

    いろんなパターンがあるが、愚かであることの素晴らしさをこの人は手を変え品を変え訴え続けてるように思える。

    投稿日:2024.03.16

  • scaramouche

    scaramouche

    このレビューはネタバレを含みます

    完結まで読了。

    ストーリーやギャグだけでなく、様々な引用が楽しいけれど、知性をひけらかすのではなくユーモアでくるんでいるからか、とても軽やかで上品さを感じさせる漫画。

    最終話で、史緒はついに泣くのかと思った。けれど、“本当は、自分はあのとき泣きたかったんだ”と気づくことができて、それだけで前に進んでいける、というような姿は、最後まで一貫して自立した精神を感じさせて格好良かった。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.02.22

  • NORIS

    NORIS

    娘たちが図書館でであって私も含め愛読している川原泉作品、次女がときどき読み返したくなるらしいので文庫で入手。
    巻末の清水ちなみの解説が、わたしや娘たちがどうして川原泉に惹かれるのかをずばり言い当てている。登場する少女たちが中性的というよりむしろゆるやかに女性的(女らしさを武器にせず)で「ボーっとしているようにみえる」が「批評精神に富んでいる」、十把一絡げの「少女まんが」的ではないこと、それだなぁ。
    そして、なぜか名門お嬢様学校に入ってしまって猫をかぶって窮屈に過ごしている根は庶民の娘たちが三人だけの世界でのびやかにすごすという構図は、まさに少女まんがの中での川原泉作品と愛読者を象徴しているのかもね。

    初出は1987年〜。当時はまだ「外人」「ホモ」のような表現が女子高生の使用語彙だったのだな、という資料価値もある。
    続きを読む

    投稿日:2019.07.03

  • ぽっぽ

    ぽっぽ

    このレビューはネタバレを含みます

    *1巻2巻併せての感想です。

    *****

    この作品を読むまでの道のり。
    つじあやのさんのブログを読む。
    「映画の主題歌かぁ、『笑う大天使』??どんなのだろう…」
    映画の公式ページを拝見。
    「上野樹里ちゃんだ、予告編は」
     ・ 
     ・
     ・
    なんじゃ、こりゃ。
    めっっちゃコメディ??えー原作あるの??川原泉…あー、有名なひと(本当にとても有名な漫画家さん)やっていうんは知ってる…でも、古い少女漫画やから読み難いかも…。
    すごく、すごく偏見持ちの私。
    前言撤回。
    めちゃくちゃ面白いです。

    *****

    聖ミカエル学園。由緒正しき、まごう事なきお嬢さまのための学校といえる場所。
    そんな学校に3人の庶民が通っていた。
    普段は猫をひっかぶり、お嬢さまを演じていた彼女たちであったが、ある出来事をきっかけにお互いが庶民であることを知り…。

    *****

    最初の設定自体はまぁ、理解できる範囲だな、と思うんです。
    ほんとは庶民の子がおじょーさま学校へ。
    ただ、その後の展開がまさしく奇想天外(笑)
    えっ、えっ、そんなのアリ??
    文庫本2冊の間にそんなつっこみが幾度か入る。
    アリなんです。そういう強気の姿勢が見える流れ。
    マンガはそれくらいの勢いがあってこそですよね。フィクションなんやから何でもアリなのだ。
    でも、無茶苦茶派手なぶっ飛びではないのに、このインパクトは何でしょう。
    私はいたくお気に入りとなりました。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2019.06.07

  • morikoko

    morikoko

    学生だったころ、MOEかプータオか、とにかく白泉社の雑誌で源氏物語のレポートのカットを見て、速攻買って一気にカーラくん落ちした思い出の作品。源氏物語好きだけど言っちゃダメな感じだった感想をさらってかいてあって刺さったのです。カーラくんの作品でもっとツボな話はあるけど、やっぱり笑う大天使は特別な作品です。最近出てる愛蔵版のやつ、一部がわかれてなければ、大天使も買ったのになー。続きを読む

    投稿日:2017.10.10

  • とめこ

    とめこ

    なんだこれ…不思議に淡々と面白いぜ…。ぶはっと笑ってしまう…。やっぱりお嬢学校モノには弱い。好きです。昔の少女漫画の文字数の多さとか、状況説明的にメタ視点が入るのって慣れてないのだけど。でも作者さんの豊富な知識から成る言葉で、読んでて「ああ〜私少女漫画読んでる…」とうっとりできます。名作は時代を経ても色褪せないからスゴいんだな!
    3人自体もユーモアたっぷりで可愛くて、それぞれ相手との関係性もよかったなあ。何故かきゅん。「空色の革命」が好きだったなあ。
    続きを読む

    投稿日:2013.12.16

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。