【感想】天地明察 下

冲方丁 / 角川文庫
(636件のレビュー)

総合評価:

平均 4.2
262
214
90
11
2
  • 2010年の本屋さん大賞受賞作品

    時代小説でありながら、時代小説っぽくないというか・・・恋愛あり、数学いや和算、囲碁、天体観測、師弟関係、神道、武家社会、様々な内容があり、和暦を作るという目標に向けて20数年間努力していく主人公(渋川 春海)の生き生きとした姿に心打たれる。何度かの失敗を糧に大きく成長していく姿は頼もしくもあり、物語にどんどんひきこまれる。
    また、今の時代とは違った時間の中で、学ぶということにかける時間がどれだけとれるのかわからないが、その時代にあったモノとか情報だけで、太陽や月他の星の関係を推理、証明していくのだからすごいと思う。
    多少、囲碁とかの表現で違和感はあったもの、特に物語に影響するものでもないし、この作品は大賞にふさわしく、出来るだけ多くの人に読んでもらいたいと思う。
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    投稿日:2013.10.01

  • 大団円!

    冲方丁による時代小説の下巻。
    ついに晴海は授時暦を日本の暦として用いらせるべく、様々な布石を打っていく。一度は改暦に対し事なかれ主義で「否」を唱えた公家衆であったが、晴海が仕掛けた授時暦とこれまで800年にわたり用いられてきた宣命暦とを比較し、授時暦の正確さを世に問い、改暦の空気が形成されてゆく。しかし、最後の最後で授時暦が間違いを犯し、改暦の空気が一気にしぼんでゆく。
    事実を元にしたフィクションであり、実際に渋川春海が経験したことを元に物語が構成されているが、こんなに挫折を繰り返しながらも周囲に助けられて大願を成就させるということが如何に劇的であり、それを歴史の授業などではほぼ語られてこなかったことが如何に勿体ないことか。仲間たちと心を通わせ、自分よりも優れた人たちと交流し、そして粘り強く諦めないこと。ビジネス書などでも語られるような要素がこの物語には凝縮されている。
    ラスト、晴海の人生の最後が描かれているが、自分たちもこうありたいと思えうようなラストであり、素直にうらやましく感じた。
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    投稿日:2013.10.07

  • 渋川晴海をより肉薄していく下巻

    見事な筆さばきによって紐解かれる、
    スポットライトを浴びてこなかった歴史の一幕。

    上巻で渋川晴海の少年のような情熱に惹かれた人は、
    下巻で大事業とともにさらに人間としての深みを増していく彼に
    夢中になっていくことでしょう。続きを読む

    投稿日:2013.11.10

  • 最後まで一直線

    後半は前半のペースのまま読み切れます。
    なんと言っても春海君の一本気のトコロがイイ!
    一度や二度の失敗がなんだというのだ!
    改めて気合いを入れさせてくれる小説でした。

    投稿日:2013.09.29

  • いつかまた読もう。

    一度だけでなく、もう一度読みたい気にさせました。今度はまた違った感動に出会えるだろうなと思います。そういう気にさせた作者に感心します。もっと多くの人と同じ感想を分かち合いたい。いつかまた読みましょうね続きを読む

    投稿日:2013.10.11

  • 映画にもなった作品です。

    初めて読んだ電子書籍でした。
    話の展開も気持ちよく、いろいろな風景が想像できます。
    主人公とともに時を過ごしている感じがして、江戸時代を散歩している感じが、面白かったです。
    映画はまだ観ていないですが、本作の展開の小気味良さが再現されているといいなと思います。続きを読む

    投稿日:2013.09.24

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ブクログレビュー

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  • akayuta

    akayuta

    読了。
    最近Youtubeで科学者、数学者、エンジニアなど、真理の追求や科学を駆使したおもしろ楽しいテクノロジの話をよく見ている。人類の好奇心という欲求は、ものすごく強力で止めようがないものなのだなと、改めて思う。
     苦しく辛いこともあるだろう、人との出会い、わかれもあるだろう、最愛の人を失うこともあるだろう。それでも、知りたい、真理に近づきたいという思いの力は、むしろ気張っていうことことでもなく、当たり前の欲求なのだ。
     人生で一番大事なことはなんですか?と山本太郎風に自問してみる。それは好奇心です!!間違いない!!士気凛然、勇気百倍、すごく面白かった。久々の星4つ。
    続きを読む

    投稿日:2024.04.01

  • まつした

    まつした

    さすが本屋大賞の一言に尽きる。
    囲碁打ちの渋川春海は徳川将軍の名を受け、新しい暦を作るべく奔走する!
    どこかナヨっとした晴海の人間臭さに惹かれ、謎の天才算術家、関孝和との算術問題を通したやり取りからも目が離せない。
    江戸時代にここまで天文学や測量の技術が栄えていたのかということは非常に勉強になる。また、技術者魂に何度も心揺さぶられた。
    続きを読む

    投稿日:2024.03.31

  • ねのきち

    ねのきち

    時代小説は殆ど読まないのですが、しばらく前に「12人の〜」を読んで冲方丁さんの文体が好きになり、読んでみました。
    いやー、面白いですね。
    歴史が大の苦手で詳しくないため、登場する歴史上の偉人たちがどのようなことを成し遂げて来たのかが気になって、いろいろネットで調べながら読み進めました。久々に勉強した感じ…。続きを読む

    投稿日:2024.03.26

  • なえまる

    なえまる

    475ページ
    1800円
    10月3日〜10月8日

    暦の誤りに気づいた渋川春海は、日本独自の暦を作ることに人生をかける。春海の奮闘と挫折、喜びと恋が描かれた物語。

    算額奉納や関孝和などの話は興味深く、久しぶりに数学の問題にも触れた。後半が特におもしろく、どんどん読み進めた。続きを読む

    投稿日:2024.03.25

  • kitaura69

    kitaura69

     買ってから数年間、本棚にありました。読み始めたら止まりませんでした。上下巻あわせて、数日で読み終わりました。
     日本史で名前を聞いたことのある、政治家・文化人が多数出てきます。それらの人が、主人公に関係しています。へぇー、この人とこの人は、こういう場面で付き合っていたのかと驚きます。
    文庫の下巻の養老孟司さんによる解説も、とてもよかったです。
    続きを読む

    投稿日:2024.03.14

  • wata9

    wata9

    碁打ちが色々あって改暦をする。キャラクターが分かりやすく読みやすい。
    上巻の最後の問題って解けない気がしますが。。

    投稿日:2024.02.25

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