【感想】娚の一生(1)

西炯子 / 月刊flowers
(256件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
88
80
48
8
3
  • かたい殻に守られた、柔らかな部分を暴くよう。

    恋愛という成分をアルコールランプの火にあてて、世間体や生き甲斐や「女の幸せ」を蒸発させたら残ったもの、なような、そうでもないような。
    元来したたかな女の不器用さ、が繊細にゆるやかに描かれてます。かたい殻に守られた、柔らかな部分を暴くようで、見てはいけないものを見ちゃった気分。

    超エリートなのに女としての不器用感満載なつぐみさんは、中二病的なこじらせ女子だよなぁ。自意識とプライドのせめぎ合いというか。あ、これは「つぐみさんの才色兼備と慎ましやかさって、女子力高めな愛されOLさんから全力で嫌われそう!」と穿って見ちゃう、その他女子的ひがみです。
    そして海江田教授の存在は、ファンタジー過ぎて逆にリアルな女を浮き彫りにする空想上の生き物っぽい。男から見た、一角獣の乙女的な。
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    投稿日:2014.07.27

  • 西炯子が描く男の色気

    五十代の大学教授と三十路半ばを過ぎた独身キャリアウーマンのまったり恋愛話ですが、ほどよくファンタジーで読みやすい。
    そもそものシチュエーションが非現実的だと言ってしまえばそれまでなんですが、主人公つぐみの悩みがいやに現実的なので、そのあたりでバランス取っている感じでしょうか。
    というか、片思い歴が長いはずの海江田なのに、いやに恋愛経験値が高いのも……。
    あの突き放した物言いと包容力ある振る舞いとスマートな行動力のトリプルコンボは、強烈です。

    それにしても、西さんの描く恋愛ものは不倫ネタが混じること多々なのは何故なんでしょう……。
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    投稿日:2014.04.06

  • 上質な恋愛漫画です

    30代半ばで一人身、大手の高給取りで同期の友人は部下。なのに恋愛は下手という女子が、50代の哲学科教授と繰り広げる恋愛模様です。
    教授の大人の包容力プラス、アグレッシブなアプローチによろめく女子は多いと思いますが、男性はアラサー(アラフォー?)女子の実態に近いものがのぞき見れるので、あまりお勧めしません(苦笑)続きを読む

    投稿日:2013.10.01

  • 大人ならではの素敵な恋愛

    人生に疲れ切った女性の心を癒す50代大学教授の大人の男の余裕とピンポイントの優しさ。その反面、子どものような無邪気さも持ちあわす抜群のバランスに多くの女性が落ちたはず。(スタッフM)

    投稿日:2013.09.24

  • 1巻を読んでの感想です

    雑誌で取り上げられていたこともあり,読んでみました。
    まず,「30代半ばをすぎて…」という設定なのに,絵が,顔は16歳,体は20歳のモデルというところが何とも。。。
    大手で10年以上も働いていれば,もっと背負っているものもあるし,体力の衰えや外形の変化も生じて色々悩むのではないかと思いますが,綺麗すぎです。
    教授と暮らし始める経緯も,なんかリアリティがない。
    設定がバリバリのキャリアウーマンで恋愛下手なのに,隙があり過ぎです。
    とはいえ,まだ1巻なので,2巻以降では感想が変わるかもしれません。
    2巻までは読んでみようと思います。
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    投稿日:2013.11.04

  • おっさんの色気。

    51歳、独身、哲学教授。亡くなった恩師の孫娘に恋をした。
    雨の中、彼女がなくしてきたネックレスをスーツも脱がずに飄々と探しに行く。ずぶ濡れで戻って彼女にネックレスをつけ、タバコをくわえて一言「きれいやで」。

    この色気にピンときたら以下略。
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    投稿日:2014.02.19

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ブクログレビュー

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  • あんず

    あんず

    おじさんの色気とは、若い人のあふれる勢いとは違って内から滲み出てくるものなのかしら。

    若いころから色っぽいおじさんは大好きだったけれど、今思うと、落ち着いた大人の雰囲気とか、包容力に守られたいっていう気持ちが強かったかな。
    自分もおばさんになってみると、また違う魅力があるなぁと思いました。
    枯れているのかと思いきや、ものすごく色気のある背中だったり横顔だったり、無邪気な笑顔や頑固な表情、男の人はいくつでも可愛い。それを再発見(笑)
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    投稿日:2023.06.12

  • ありよしあしか

    ありよしあしか

    このレビューはネタバレを含みます

    要点としては「アンチファンタジーの顔した夢小説」「ターゲット層はまさに主人公のような女性なんだろうな」「海江田さんの色気の描写がフェチズムすぎて悶絶する」の三点でしょうか。
    粗筋としては、ミドサーのリケジョが亡き祖母の家を引き受けると、祖母とどうやら愛人だったらしい大学教授がその家にいつき、やがて二人が結婚する
    この本は再読で二十代の頃は海江田さんの良さ、さっぱりわかりませんでした。なんなら五十を超えた海江田さんのおじさんな描写や肉食なところ、老いの描写など、正直生理的にちょっと受け付けないと思っていたのだけれども、主人公と同年代になってみると、この海江田さんの色気と人格の凄まじさに、情緒が揺さぶられることこの上ないです。まず絵だけれども、年齢を感じさせるふわふわした髪やらシワやら、真顔も笑顔も一つ一つがこの年の方の説得力を持っているその表情やら、何より後ろ姿のワイシャツの肩のラインやら老いた喉仏やらがあー…こういう部分がものすごく色気となっている五十代…いますわ…とすさまじい説得力なので、「これほんとに作者はこうした色気熟知しまくって描いておられるな」と思う。そして、何よりもその人格。この年代で本当に素敵な方というのはこのように程よく枯れ、聞き流し、でも相手をそのまま置いておき、いたわり、放っておくようで、受容して、肯定的で静かな関心を持ち、そして鷹揚で適度に雑でざっくばらんである…即ち余裕と穏やかさを両立しているのです。

    でも、こういう人が独り身で、後生大事に若き日に憧れた芸術を恋うような年上女性への初恋を抱えたままに老成し、でありながら、諦念や人への理解や思いやりはこれでもかと積み上げ、拗らせた主人公を迎えに来る…というのはもう本当にファンタジーなわけで、ツッコミは禁じえないのだけれど…
    西洞子さん、「姉の結婚」もそうなのだけど、主人公の拗らせ方のリアルさや、関係性の描写がこれでもかこれでもかとリアルなので、とってもリアルな話を読ませられている気になるし話の運びも面白いしで気づいたらどんどん載せられて読んじゃうんだけど、構造はシンデレラばりの超ファンタジーで、読了してみて改めてふとあらすじ振り返ると読後に夢中で読んだことをちょっと恥じてしまうという非常に不思議な読書体験になりがち。この感じは他の作家さんにないんだよなぁ…
     個人的にシンデレラ風物語アレルギーみたいなものがあって、タイトルは出さないけれども、いわゆる三十代以降の女性の恋愛もので明らかにファンタジー路線の、やれ年下の男性やら同級生やら金持ちやらイケメンやらと突然どうたらこうたらとか、「あったらいいな」のオンパレードらしきものを見ると、個人の見解ですが、その現実逃避的妄想の熱量にあてられてというかきつく感じて耐えられなくて読むのやめちゃうんですが、西洞子さんの作品は、読み終わる頃になるまで、シンデレラ読まされてるのに気づかない、このふしぎはなんだろう…

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.03.21

  • dai-4

    dai-4

    これは苦手。なんでこのおっさんと?っていう疑問から抜け出せない。「姉の結婚」も、終始理解に苦しむ恋愛模様だったけど、ただでさえ苦手な恋愛モノな上に、多分、本作者の世界観が根本的に受け入れられないのかも。これはもう、続きは要らないです。続きを読む

    投稿日:2017.03.31

  • reinou

    reinou

    このレビューはネタバレを含みます

    おんな心は、やはりわからない…。「姉の結婚」の彼はまだ魅力を感じる。が、海江田教授を、魅力ある人物とは全く思えない。ところが、多くの方のレビューを拝見すると…(目が・になる)。だから、私はやはり…。うーん、って、当然かぁ。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2017.01.21

  • eilkas

    eilkas

    この人の作品はなんとなくちょっと怖いところがあったりして、苦手なのもあるんだけど…これが一番好きかな?昭和元禄落語心中の八雲(菊比古)好きな人はちょっと似てるから読んで(^o^)笑
    家の雰囲気とかが好き。ゆる~い感じで落ち着く。続きを読む

    投稿日:2016.10.10

  • とみぃ

    とみぃ

    全四巻。

    海江田さんがかっこいいと若い女の子がいうので、どんなものかと読んでみた。
    私としては、かっこいいより可愛らしい方が合っているように思えたのだが。
    なぜ、あんなにもつぐみを愛することができたのか。
    つぐみはあんなにも流されるように愛されていいのか。

    大人らしい恋愛模様に、自分はまだまだ子どもなんだろうなと痛感。
    つぐみは可愛いけれど、もうちょっとはっきりとして欲しかったかな、と思う。
    続きを読む

    投稿日:2016.02.01

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