【感想】英国庭園の謎

有栖川有栖 / 講談社文庫
(118件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
16
35
55
2
0
  • 作家アリスと臨床犯罪学者・火村が活躍する国名シリーズ第4弾!

    本作は6編の短・中編が収められている。
    表題作は暗号を解くことで犯人に至る道筋が開かれる仕組みとなっており、犯人は結局誰だったのかは推理の中では明かされない。この暗号も、いわれてみれば「なあんだ」という程度のものだが、とっかかりになるヒントがなければなかなかそこに気がつかない。
    そのほか、「雨天決行」は出版にまつわる蘊蓄が、「竜胆紅一の疑惑」では作家ならではの苦悩がそれぞれ物語に役割を与えられており、作家という仕事の一端が垣間見える。
    「ジャバウォッキー」は支離滅裂な言動を繰り返す相手がいったい何を言っているのかがわかってくると、大変良く練り上げられ、齟齬のないように緻密に物語が編まれていることに気づかされる。
    いずれも、小粒ながらも佳作のミステリで、短編ならではの味があり、手軽ではあるが手強い作品群である。
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    投稿日:2013.12.09

  • アリス、疾走

    国名シリーズ第4弾は短編集です。
    収録されている6編の中で一番好きなのは「ジャバウォッキー」。いつもは探偵役・火村の助手&話し相手&記録係(?)を務めているアリスですが、この作品では文字通り大活躍します。詳しくは語れませんが、ある人物を追って愛車ブルーバードで街中を疾走、車を降りてもさらに走ります。アリスの活躍シーンはシリーズを通してもあまりないので、アリスファンとしては嬉しい作品でした。
    また、「完璧な遺書」は語り手・アリスの代わりに犯人の一人称で語られる珍しい作品です。
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    投稿日:2013.10.26

ブクログレビュー

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  • とま。

    とま。

    1番好きな短編はジャバウォッキー。火村につながらなければ有栖川に電話をかけるのは常識笑
    世界と犯人を救うため、電話越しでも全力で奔走する2人が好きです!

    投稿日:2024.03.23

  • ariete

    ariete

    短編集。

    どの話も面白かった。
    一番好きなのは最高の遺書。
    英国庭園の謎は自分でも謎解きしてやってみたい気持ちはあったけど気力がなかった。
    面白い謎解きだった。

    投稿日:2023.08.15

  • キラ

    キラ

    作家アリスシリーズ7作目で、
    国名シリーズ4作目となる本作。
    発行は1997年。

    「雨天決行」
    「竜胆紅一の疑惑」
    「三つの日付」
    「完璧な遺書」
    「ジャバウォッキー」
    「英国庭園の謎」
    の6篇を収録。

    バリエーション豊かでサラッと読める
    短編の良さを詰め込んだような魅力の本作。

    犯人目線で描かれていく「完璧な遺書」、
    アリス、火村、そしてジャバウォッキーの
    スリリングなやり取りが面白い「ジャバウォッキー」が
    面白く、好みでした。
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    投稿日:2023.06.15

  • 真珠の助

    真珠の助

    このレビューはネタバレを含みます

    火村、有栖川コンビの短編集。

    どれもつぶ揃いで面白かった。だがやっぱり短編集はストーリーを追うだけで心に残るようなものが薄く感じられる。
    特に推理小説の場合、謎解きが最重要であろうから、背景やら動機やらはあまりしるされないので 1編を読み次にいくと 前の話を忘れてしまうくらいの感じでしか読み進められないので、こういう評価をしてしまう。

    そうは言っても 面白く一気読みしてしまった。

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    投稿日:2023.05.22

  • Mkengar

    Mkengar

    本書は6篇のミステリーが含まれている。それぞれ全く異なった特徴を持ち、一気に読むことももちろん可能だが、1日に1篇ずつよみ、1週間楽しむ、というのも手である。
     6篇のうち私が特に気に入っているのは「完璧な遺書」「ジャバウォッキー」である。前者はこれ以上長編にしても仕方ないし、ページ数を少なくしても面白くないだろうな、というくらい絶妙なバランスで書き下ろされた印象を受けた。また刑事コロンボ風の話の進み方が新鮮で興味をそそられた。後者は逆で、もっと続きが読みたいという気持ちを起こさせる作品である。
     表題にもなっている「英国庭園の謎」については、私は若干とまどいを感じてしまった。というのも舞台が大阪府の泉北ということで、その地域を知るものとして、内容は別にしてどうしても違和感が拭えなかった。武庫川や芦屋であったらまだ英国庭園がイメージできるが(それはそれであまりに「ありがち」になってしまうが)。
     逆に言うなら関西を知るものにとって本書の作品は場所がイメージしやすくなじみやすいと言えよう。お薦めである。
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    投稿日:2023.04.26

  • 翼

    国名シリーズ第四作目。本格ミステリの短編はとても良い。『完璧な遺書』の、最後に火村助教授が指摘した、遺書の瑕疵と、表題作『英国庭園の謎』の、難解な暗号とその解読方法、まさかの真相に驚いた。

    投稿日:2023.04.25

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