終末のフール

伊坂幸太郎 / 集英社文庫
(1346件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
240
491
430
57
10
  • 世界滅亡の閑話休題

    世界が滅亡することが決まってから滅亡するまでの一部分を切り出した話
    通常SFであれば滅亡すると決まってからの混乱期や最期に滅亡に対して足掻く作品が多い

    日本の一地域を取り上げいくつかの世帯をピックアップし生活の変化を語るが舞台が同じため各短編が関連している
    安定期に至ってからの話のため世界が滅亡するとは思えないほど落ち着いた雰囲気で話は進み明確な結論は描かれない
    それでも世間に多くある世界滅亡を取り扱う作品の裏で本作に描かれたような日常が送られていると思うと興味深い
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    投稿日:2013.10.07

  • 終末の3年前

    8年前の世界滅亡宣言から5年経った仙台のヒルズタウンに住む人達の短編集。
    大混乱の世の中も落ち着きを取り戻し・・・とはいえ、3年後には人生の終末をむかえる人々の日常。
    やり残した家族の想い、新しい命の責任、友情や愛情、寂しさ、あえて変わらない日常の強さ、死へむかう気持ち・・・
    「いかに生きるか」などという重いテーマでもなく、8編の登場人物を応援しながら、読後は前向きな気持ちになりました。
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    投稿日:2013.10.09

  • 家族との絆を思い起こさせてくれる作品

    8年後に地球に小惑星が衝突し人類滅亡が避けられないことが公表されて以後、5年の歳月が経過し、諦めの気持ちからか人々がある程度落ち着きを取り戻した頃の人間模様を描いた短編集で、現実にはありそうにない内容ですが、にも関わらず、読み終わってから、なぜか、もし本当にそのようなことが現実になったら、自分は家族とどう接してどのような話をするだろうと、ふっと考えてしまい、普段の平凡な暮らしがいかに幸せなことか改めて思い感じさせられる小説でした続きを読む

    投稿日:2013.09.26

  • 実は通常の書籍で読んだのですが。。。

    実は書籍の中古品で読んだのですが、このSF的な設定と実は「土壇場に追い込まれた時に人はどうするのか」という人間を描く作風が非常に気に入りました。直木賞を取った「ホテルローヤル」もそうですが、同じテーマの中短編を積み重ねて一つの物語を描くという「連作」という形式をとっています。書籍を読んだ時には読了するまでに少し間が空いてしまい部分的に忘れてしまった為、本来の連作の良さが活かせませんでしたが、どこでも読める「電子書籍」で一気に読了したいと思っております。連作には好き好きがあるかもしれませんが、いわゆる「スピンオフの積み重ね」のような重層的な物語を楽しみたい方で、少し重めのテーマが好きな方にはお勧めです。私はSF好きですが、そうでない方でも本来のテーマは「人類滅亡」ではなく「限られた時間で明日をどう生きるか」なので、大丈夫だと思います。続きを読む

    投稿日:2013.11.03

  • SFの設定ながら

    ある種の「シュミレーション」を期待して読むと肩透かしをくらう事間違いなしの作品ですが、「ジタバタして生きていきましょう」というそこはかとないメッセージが、小説で書かれているような「最悪の状況下」であろうと、小説を離れた現在のリアルな私達の世界であろうと、大して違いは無いのだ、という事に気付かされた作品でした。伊坂さんらしい「SF」小説なのかも知れません。続きを読む

    投稿日:2014.05.06

  • 終活のツール

    小惑星が3年後に衝突して人類滅亡必至という設定の世界で生きる人々を8つの短編によるオムニバス形式で描いています。
    衝突がわかってからの混乱や、回避の可能性の模索が一段落した時期が舞台で、穏やかに終末に向かうような雰囲気が感じられ、宗教書のようなありがたさを醸しています。

    希望を捨てない人や諦観してしまった人など、様々。
    それぞれの生き様に共感したり、共感はしないけど気づきを得たり。

    自分の人生の終わりが垣間見えた場合にどう考えて、行動するか。
    そういう思考実験の一助となるでしょう。

    ちなみに、著者の「フィッシュストーリー」を原作とする映画に、本作の設定が取り入れられ、映像化もされています。
    続きを読む

    投稿日:2016.01.08

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ブクログレビュー

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  • yuki*

    yuki*

    8年後、隕石が地球に追突して、地球が滅亡する。そんな設定の世界の中で、必死に生きようとする人々の生活を描いた作品。
    死が目前に迫ったとき、改めて生を考えられる。
    もがいても一緒なら、と平和に生きようとする人や、それまでの人生にできなかったことをやろうとする人、、、等々、十人十色な考え、行動がとても面白かった。続きを読む

    投稿日:2019.12.18

  • yagisanmeimei

    yagisanmeimei

    このレビューはネタバレを含みます

    世界が滅亡するかもしれないという突飛な設定にしては
    淡々と物語は進んでいく。けれど、確かに現実の私たちも淡々と生きているし、無様にみっともなく生きている。

    改めて「生きる」ことを考えさせてくれた本でした。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2019.12.15

  • コノハ

    コノハ

     8年後に地球が滅亡すると知らされてから5年が経過して、一通りパニックが起こった後の世界を生きる人たちの短篇集。

     基本的にすべての短篇が「最後の晩餐は家でいつも通りの食事をしたい」派の人。どれもこれも似たり寄ったりな読後感であり、折角こうした世界観を作って短篇集という形を採てページ数も沢山使うのであれば、「どうせ死ぬなら暴走してやるぜ!!!」派も描くなどして、世界をより立体的に見せるくらいのことはしてほしかった。
     また、過激な背景を描いておきながら、その過激な事象が起きたとは思えないような普通過ぎる日常が保たれている世界観にどうしてもリアリティを感じられなかった。そうした基盤の上で生死について語られてもなぁ……と思ってしまった。
     一つ目の短篇からいきなり「理屈じゃねえぞ」的ホームドラマだったので、それに満足できなかった時点で自分がよい読者ではないことに気付くべきだっただろう。

     『砂漠』とか『死神の精度』なんかは面白かっただけに、驚いた。
    続きを読む

    投稿日:2019.11.18

  • ナギ

    ナギ

    この作品を読んで、仮に数年後に地球が終末を迎えるとしても、最期の日まできっと世間には公表されないんだろうなぁと思いました。

    人々がパニックになって文字どうり「地獄」になるのは目に見えてるからです。

    もしかしたら、もうすでに隕石が衝突するのはわかっていて、明日それが発表されるかもしれません。

    そう考えると、今生きているその1日をもっと大事にしていこうと思いました。
    続きを読む

    投稿日:2019.11.09

  • のんちゃん☺︎☺︎☺︎

    のんちゃん☺︎☺︎☺︎

    文章に透明感があって、描かれてる情景はどれも哀愁がある一方で、気丈に振る舞う人のアンマッチさが切ない。
    そのアンマッチな具合を楽しめる(魅力に感じる)なら深い作品だろうけど、自分は奇妙な感じがした。
    読みながら重松清がよぎる。続きを読む

    投稿日:2019.10.31

  • さゆ

    さゆ

    短編だし、あっさり読みやすいから、伊坂幸太郎作品の中でもあまり好きって人に出会わないんだけど、私はすごく好きな一冊です。
    "8年後に小惑星が衝突すると予告されてから5年後"という混乱も過ぎてあと少しという絶妙な舞台がすごく良い。


    「明日死ぬとしたら、生き方が変わるんですか?」「あなたの今の生き方は、どれくらい生きるつもりの生き方なんですか?」
    「鋼鉄のウール」より

    人の命に永遠も保証もない。あと8年と言われないと気付けないのか、頑張れないのか。いつ死んでも誇れる自分でいるような生き方をしないといけないと、この作品を読んで思えるのです。
    続きを読む

    投稿日:2019.10.29

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