この作品のレビュー
平均 4.1 (132件のレビュー)
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【感想】
「投資は終わりのない"知の総合格闘技"である」「楽をして短期的に儲けようと思うな!」というキーワードが特に頭に残った1冊でした。
失礼ながら、タイトルからすれば「浅はかな内容かな~」という印…象を持っていましたが、読んでいて非常に勉強になりましたし、既成概念がいくつか覆された気になりました。
読後、投資に対するハードルが少し下がった気もしましたし、興味も深まりました。
筆者の主張として、「ビジネスマンたるもの、"投資家の思想"を持たねばいけない!」といった事が大前提に挙げられております。
なぜなら、投資でもビジネスでも「幅広い知識を身につけ、様々な知識を上手に組み合わせて自分なりの仮説を導くこと」は共通して必要だから、ということ。
これからは投資もビジネスも、現状にただただ対応する力ではなく、自らが問題発見してそれに対して行動する力が必要なようで、作中ではそういったビジネスパーソンを「労働者2.0」と書かれていました。
次に、「投資と投機」を明確に区別しており、短期的で目先の利ザヤを稼ぐのが「投機」、それに対して長期にわたっても株を保有し続けられるくらい強靭な企業を探すのが「投資」とのこと。
投資の例として、「投資してから少なくとも5年は保有する」といったウォーレンバフェットの投資モデルが挙げられています。
僕のようなズブの素人からすると、短期の金額の上下で一喜一憂してしまいそうですが、やはり長期に渡っても持ち続けることの出来る投資先を探す事が必要なんだなと感じました。
また、「アクティブvsインデックス」についても筆者の主張があり、結論としては「アクティブ>インデックス」との事ですが、これについてはやや疑問を感じました。
直近30年を振り返ってみて、インデックスファンドは殆ど収益が得られていないとの事。
もしこれが事実なら、これまで僕が持っていた「インデックスが正義」という考えが見事に覆っちゃいました…
ただ、VUCAと呼ばれるこの変化が激しい時代、これからも企業の入れ替わりが沢山あるであろう中で、「アクティブを長期保有する」という事が果たして可能なのかどうか?
その点、少し疑問を感じます。
これはあくまで僕の意見ですが、1銘柄の長期保有というのは、今後はあまり優位でないのではないかと思います。
時代の変化と併せて色んな知識のアップグレードが必要ならば、投資先のアップグレードも間違いなく必要なのではないでしょうか?
もちろん、目先の利益だけに着目した短期の売買(=投機)が良いという意味ではありませんが、長期保有には今後それなりのリスクが伴うのではないかな?と読んでいて感じました。
どちらにしろ、易きに流れて資産形成できるほど、世の中は甘くないってことなのでしょう。(甘い話には一切のっちゃいけません!!)
はぁ。何が正解なのか分からない・・・でも、立ち止まってはいられません。
これからもしっかり学び、挑戦し、資産形成面でもガンガンPDCAを回していこうと思います。
作中の"投資は知の格闘技"というフレーズがとても心に残りましたが、これから生きてゆく人々にとっては"人生そのものが、知の格闘技"なのかもしれませんね。
【内容まとめ】
1.「投資」を知らなければ、あなたは一生「奴隷」のままだ。
「労働者の思考」だけでは未来はない。
「投資家の思想」こそが日本の未来を切り開く。
2.バフェットの考え
「私は投資した翌日から5年間は市場が閉鎖されると想定して投資判断をする」
つまり、投資してから少なくとも5年は保有し続けることを想定して購入する。
バフェットは株価の値動きで投資先を選ぶのではなく、永続的に利益を生み出す事業モデルを持っているかどうかという点で判断している。
3.「構造的に強靭な企業」に投資しよう!
強靭な構造とは、3つの要素に支えられてます。
→高い付加価値
→高い参入障壁
→長期潮流
4.インデックスかアクティブか
よく「インデックスファンドを長期で保有しましょう」という話を耳にしますが、直近30年間だと全く収益が得られていません。
ただ、同じインデックスファンドでも、S&P500など米国のインデックスであればかなりの運用収益が得られているはずです。
なぜなら、S&Pは本当に素晴らしい会社でないと500銘柄に入れてもらえず、また魅力が無くなったらあっという間に対象から外されるからです。
アクティブでも、大半のアクティブファンドは組入銘柄をインデックスに合わせます。大きく外さない形にしているのです。
そのため結果的にコスト分だけインデックスに割り負けするという結果を招きます。
要は、インデックス・アクティブ以前に、そのファンドの中身が利益を上げ続ける企業で構成されているのかどうかということなのです。
5.投資は知の総合格闘技である。
楽をして短期的に儲けようと思うな!
投資でもビジネスでも、土台となる知識と、それらを組み合わせて“自分の頭で”考える習慣が必要です。
知識の研鑽と、経験値を組み合わせてはじめて、投資やビジネスで使える武器になるのです。
アップグレードも勿論大切、知の総合格闘技に終わりはありません。
【引用】
「投資」を知らなければ、あなたは一生「奴隷」のままだ。
「労働者の思考」だけでは未来はない。
「投資家の思想」こそが日本の未来を切り開く。
p9
Googleで調べるだけでは得られない自分なりの主張を持つことが、ビジネスでは極めて重要です。
世界中のビジネスエリートは、自分なりの仮説構築・検証もいう思考癖を当然のように持っています。
数字やデータだけでは良いビジネスは出来ません。
ビジネスに強要は必要です。
投資もビジネスと同じ。
幅広い知識を身につけ、様々な知識を上手に組み合わせて自分なりの仮説を導くことが出来れば、投資でもビジネスでも成功する可能性がグンと高まるのです。
p23★
・労働者2.0を目指せ
「他人に働かされている」というマインドセットを「自分が働いている」に切り替える。
つまり対応する力ではなく、自ら問題発見して行動する力が必要になります。
p75
・バフェットの考え
「私は投資した翌日から5年間は市場が閉鎖されると想定して投資判断をする」
つまり、投資してから少なくとも5年は保有し続けることを想定して購入する。
バフェットは株価の値動きで投資先を選ぶのではなく、永続的に利益を生み出す事業モデルを持っているかどうかという点で判断している。
p118
「この農地からどれだけの農作物が取れるのか」を考えるのが投資、「この土地がどのくらい値上がりするのか」を考えるのが投機。
p146
・強靭な構造を持つ会社を選ぶ
どうしたら売らずに済む会社を見つけることが出来るでしょうか?
私は常々、「構造的に強靭な企業」に投資しましょうと言っています。
強靭な構造とは、3つの要素に支えられてます。
→高い付加価値
→高い参入障壁
→長期潮流
p167★
もし日本企業の株式に投資するのであれば、銘柄を厳選しなければなりません。
少なくともTOPIXのような、市場全体を買うインデックスファンドへの投資は、日本株に関して言えば全く無意味です。
長期投資の長期とは、「永久」のこと。
インデックスファンドへの関心が高まっているようですが、これらの長期的に利益を増やすことが出来ない企業が多数含まれるインデックスファンドを買うのは、いくら長期保有を心がけたとしても時間の無駄です。
p241★
・インデックスかアクティブか
よく「インデックスファンドを長期で保有しましょう」という話を耳にしますが、直近30年間だと全く収益が得られていない。
同じインデックスファンドでも、S&P500など米国のインデックスであればかなりの運用収益が得られているはずです。
なぜなら、S&Pは本当に素晴らしい会社でないと500銘柄に入れてもらえず、また魅力が無くなったらあっという間に対象から外されます。
アクティブでも、大半のアクティブファンドは組入銘柄をインデックスに合わせます。大きく外さない形にしているのです。
そのため結果的にコスト分だけインデックスに割り負けするという結果を招きます。
要は、インデックス・アクティブ以前に、そのファンドの中身が利益を上げ続ける企業で構成されているのかどうかということなのです。
p251
・投資は知の総合格闘技である。
楽をして短期的に儲けようと思うな!
投資でもビジネスでも、土台となる知識と、それらを組み合わせて“自分の頭で”考える習慣が必要です。
ビジネスの共通言語として会計知識も英語と同様、もしくはそれ以上に必要です。
貸借対照表や損益計算書、キャッシュフロー表などの財務諸表を知らなかったら投資先の経営状況すら把握できません。
知識の研鑽と、経験値を組み合わせてはじめて、投資やビジネスで使える武器になるのです。
アップグレードも勿論大切、知の総合格闘技に終わりはありません。続きを読む投稿日:2021.02.24
ビジネスの場面でも投資家目線での事業の評価は重要である。
投資自体については、自身が主宰するファンドについて、バフェットを目指して、永久保有できる銘柄を厳選して購入する方針で運営しているとのこと。
…
永久保有できるかどうかのポイントとしては、参入障壁を築けているか、という点が重要だということ。
ここまでは、とても納得がいったし、参考になった。
しかし、それ以降についてはあまり賛同できない。
・投資とは金儲けであり、企業を応援するために株を買うなんてもってのほか、とのこと。
この点は、ある意味投資の価値観の問題なので、仕方ない点もありつつ、日本企業を徹底的にけなしている。日本で生活する続きを読む投稿日:2024.04.23
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