
海猫(上)
谷村志穂
新潮社
無名の人々が主人公の大河
谷村志穂さんという方の作品はこれが初めてでした。しかし非常に読みやすい文章で、上下巻一気に読んでしまいました。 北海道の風習というのは、私にはまったく異文化だなあと感じましたが、それがまた嫌味なく描写されています。3代目の美輝の放浪だけはなんだかよくわかりませんでしたが、北国の女の強さをひしひしと感じたいい作品でした。
0投稿日: 2013.12.27三月の招待状
角田光代
集英社文庫
角田さんの作品の中では軽めです
物語をねちっこくねちっこく構築していく角田さんの作品は、私には時には重いのですが、この作品は比較的軽く読めます。学生時代から変わらない思い、というのは見覚えのあることで、けっこう感情移入して読めました。でもやっぱり、物語に登場する人々はねちっこいかも。
0投稿日: 2013.12.27あんちゃん
山本周五郎
新潮社
「いさましい話」が素敵でした。
山本周五郎さんはまったく古さを感じない短編をたくさん残しています。「いさましい話」と「菊千代抄」にノックアウトされました。「いさましい話」の主人公玄一朗の、若さに似合わない豪胆ぶりと気の強い奥様との愛情の変遷がまた素敵でどきどきいたしました。「町奉行日記」と並んで好きな作品です。
3投稿日: 2013.12.27武士の献立
大石直紀
小学館
がっかりでした
ノベライズされた作品と言うことで、購入にかなり躊躇しました。インターネット上の評判は悪くなかったので思い切って購入したのですが、何しろ人物描写がふらふらしていて読み応えがない作品でした。
0投稿日: 2013.12.27初恋温泉
吉田修一
集英社文庫
さまざまな愛の形と温泉
十代の、誰にでも覚えがある初々しい恋があったり、愛していても終わらざるを得ない夫婦であったり。彼らとともに各地の温泉が細やかな描写とともに描かれています。
1投稿日: 2013.12.03新装版 二十歳の火影
宮本輝
講談社文庫
宮本さんの若き日の記録
私は宮本輝さんの作品は、彼がすでに大家となっていたころのものから読んだので、苦労が多かった宮本さんの随筆は面白かったのですがちょっと物足りない感じもしました。「流転の海」と合わせて読むと愉しいかもしれませんが、ご家族のことが「流転の海」ほど装飾されずありのままが描かれていて、熊吾の原点が見える気がしました。
0投稿日: 2013.11.20おせん
池波正太郎
新潮社
たくましい女性たち
池波正太郎さんの作品は初めてでしたが、短編がドキュメンタリータッチで描かれていたので、とても読みやすかったです。女性たちはたくましい、というのが実感。
0投稿日: 2013.11.20RURIKO
林真理子
角川文庫
戦後の映画史みたいでした
内容を丹念に書いていることはわかるのですが、主人公や周りの人の思いよりも当時の映画界をめぐる歴史書みたいなかんじでした。私は知らないことばかりでしたので、楽しく読みましたけど。
0投稿日: 2013.10.18狂王の庭
小池真理子
角川文庫
あらすじはありふれているのですが
文章力のない人なら陳腐な内容になれかねない物語なのに、格調高く読者をぐいぐい惹き込む力がある作品でした。
0投稿日: 2013.10.18レッスン
五木寛之
幻冬舎単行本
内容は濃くないけど
寝る前にあまり深く考えずにお気楽に読める本です。女性雑誌に連載されていたそうですが、それにふさわしいお手軽さです。車やワインに興味がある人には楽しめるかも。
0投稿日: 2013.10.07