細胞東京さんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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これが結論!日本人と原発(小学館101新書)
竹田恒泰 / 小学館101新書
作業員の被爆で成り立つ原発には愛が無い
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近年、よくテレビに出演されている竹田氏の
脱原発への主張を書いた内容です。氏自身は、
ご存知のように皇族系の身であり、基本スタ
ンスは右翼であると書いています。その氏が
脱原発・反原発を福島の原発事故…以前から
訴えていたというのは、意外でした。氏自身も
たびたび「皇族系のあなたがなんで左翼のよう
な反原発を主張をしているのか?」と偏見的な
ことを言われるそうです。(小泉元首相が反原
発を言い出したのも竹田さんの影響があるかも
しれませんね。)
しかし竹田氏の主張する反原発は、とても明確です。
作業する人々の被爆の上で成り立っているような
原発は、愛が無いと書いています。しかも高レベル
廃棄物の処理や事故の問題などもあり原発は人類の
手におえないといっています。さらに原発は津波
以前に地震ですでに壊れていたということも主張。
安全神話は、完全に崩壊していると書いています。
そのうえで説得力のある数値を示しながら、原発
を全廃しても十分電力はまかなえると訴えています。
近年の天然ガスの増産とガスタービン・コンバインド
サイクルという高効率な発電装置の相乗効果で安くて
安全な電力が作れるそうです。そしてさらに電力市場を
自由化すれば、ユーザーの好みでコスト重視やを環境
重視を選べるようになるとまで話を飛躍させています。
テレビやマスコミは既得権益の配下にあるのでこのよう
な話は、ほとんど出てきませんが。国民が本気で取り組
めば原発の無い素晴らしい日本は実現可能なのでしょうね。
続きを読む投稿日:2014.01.17
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神々の山嶺(下)
夢枕獏 / 集英社文庫
山岳小説の最高峰です。
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山岳小説の最高峰といっていいと思います。
もう完全に自分が主人公となり、山麓の町での準備から
超リアルで緻密なアルピニスト体験がまっています。
そして凍りつく酸欠のエベレスト登山の真っただ中に …
入っていけます!
読み終わったときは、自分が世界一流の登山家になったような感覚に
なっていました。圧倒的な迫力とリアル雪山の世界に浸ってください。 続きを読む投稿日:2015.02.22
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わたしを離さないで Never Let Me Go
カズオ・イシグロ, 土屋政雄 / ハヤカワepi文庫
個人的には高評価で、かなり楽しんでいます。
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初めのころは、あまりにも突拍子のない独特の
世界観(いずれ臓器提供者となる運命の子供たち
を閉鎖された学園で教育している。そして彼らは
クローン。)に違和感を感じましたが。話が進む
につれ雰囲気に慣れ…て、出演者たちの演技力の高
さに魅了されていきました。綾瀬はるか、
水川あさみ、三浦春馬という演技力のある人たち
が、ややパラレルワールド的な独特のストーリー
の中で存分に存在感を放っています。
クローン人間、臓器提供、シェアハウスといった
普通ではあり得ない個性の強い脚本ですので、
演技力が無ければとても見られたものにならない
であろう作品ですが。綾瀬さん筆頭に、鋭いセリフ
回しと表情の演技で、レベルの高いドラマに出来
上がっています。
ドラマを見ていると、原作本も読みたいという
欲求に駆られて小説を読み始めました。
割と分厚い長編です。ドラマと原作は、基本的な
ストーリーこそほぼ同じですが。その雰囲気は
かなり違います。小説では、テレビのような
強い演出は必要ないので、かなり静かに淡々と
進んでいきます。主人公のキャッシー
(綾瀬さんのキャラ)の完全な一人称回想と
いう展開になっています。
ドラマは、もうすぐ起承転結の結の部分へと
入っていきそうですが。読んでいる小説は、
まだ転に入ったところです。
こうやってドラマと小説をシンクロ的に味わう
のも面白いものですね。 続きを読む投稿日:2016.03.05
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ロスジェネの逆襲
池井戸潤 / ダイヤモンド社
爽快なビジネス戦士ドラマ!
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ご存知:倍返し、半沢直樹のシリーズ第三作。
今回は、証券子会社へ出向となり、IT企業同士の
買収合戦がメインストーリーです。
親企業との熾烈な戦いを半沢は、どう乗り切るのか?
読後感は、とても爽快です…ね! 続きを読む投稿日:2013.12.27
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世界を変えた10冊の本
池上彰 / 文春文庫
池上さんらしい読みやすさ、わかり易さ。
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是非とも知っておきたい人類に大きな影響を与えた
本が紹介されています。アンネの日記、聖書、コーラン、
イスラム原理主義の教科書「道しるべ」、種の起源、
資本論、などなど。とりえあずこれくらいは知ってお…きたい
という有名な本ばかりですね。
要点を、もの凄くわかり易く書いているので
スラスラ読めます。そして目から鱗が的な話も多くて
大変勉強になます。
特にイスラム国、経済政策に関する本は、ために
なりますね! 続きを読む投稿日:2015.04.06
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小野寺の弟・小野寺の姉
西田征史 / 幻冬舎文庫
サザエとカツオのようなコミカルさが楽しい!
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向井君と片桐はいりさんで映画化されていますね。
凄く読みやすくて楽しい小説でした。40歳くらいの
姉と20代後半の弟が二人で暮らす日常を面白可笑しく
綴った好作品です。とにかく読んでいて面白いです。…
声を出して笑いそうになる仕掛けが盛りだくさんです。
例えていうなら「サザエさん」てきな感じです。
前半は、サザエとカツオのやり取りのようなコミカルな
場面んで大いに笑えます。
そして終盤は、それぞれが姉、弟を真剣に気遣う愛が
溢れています。ちょっと悲しい事件があったりして
切ない気分にもなり、それが一層この小説の味わいを
よくしていますね。
家族を愛し、他人を思いやる気持ちを
思い出させてくれるいい作品でした 続きを読む投稿日:2014.12.04