まさしさんのレビュー
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オリオン座はすでに消えている?(小学館101新書)
縣秀彦 / 小学館101新書
超新星爆発、この目で見てみたい
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まもなく寿命を迎え超新星爆発をするといわれているベテルギウス。果たして新星爆発が起こったらどうなるのか? 素人にも分かるように書かれていて、とても楽しく読むことが出来ました。
でも、一番ワクワクした…のは最終章で語られる、宇宙で生まれる物質を知ることが生命誕生の秘密を紐解くことに繋がるという話です。人類には過酷な宇宙空間にその答えが隠されているなんて、極上のミステリではないですか。
宇宙生物学の本を読んだときにも、進化の謎を解明するのはこの分野かもと感じましたが、改めて、宇宙を知ることが大切なんだと痛感しました。 続きを読む投稿日:2017.12.03
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レッドスーツ
ジョン スコルジー, 内田 昌之 / ハヤカワ文庫SF
もし、自分がSFアクション大作の脇役だったら?
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もし、自分がSFアクション大作の脇役だったら?
主人公たちが巻き込まれる危機的状況で、何のドラマもなく場面に刺激を与えるためだけにその身を散らすなんて、脚本家に文句の一つも言いたくなるのも納得です。…
スター・トレックを彷彿させる世界で、無駄死にすることを避けるために脇役たちが奮闘する姿は、抱腹絶倒でした。
個人的には、最終章なくあの結末でもよかったかな。 続きを読む投稿日:2017.11.29
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弔い花 長い腕III
川崎草志 / 角川文庫
身体の芯から冷えるような恐ろしさを堪能しました
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隔世の感を禁じ得ない世になっても生き続ける近江敬二郎の技術と怨念。
二作目では影を潜めた感じがありましたが、最終作にして身体の芯から冷えるような恐ろしさを再度味わえて大変満足いたしました。投稿日:2017.11.21
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黒猫の遊歩あるいは美学講義
森晶麿 / 早川書房
浮世離れした独特な作品
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黒猫は恥じらいもなく名乗っていますが、一体、美学者とは何なのか。黒猫というあだ名でしか呼ばれないし、内面も描かれないので、肩書と相まってどうしても黒猫の存在が浮世離れしているようにしか思えなかった。
…
でも、この浮世離れした雰囲気こそこの作品の持ち味なのでしょうね。 続きを読む投稿日:2017.11.04
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玩具修理者
小林泰三 / 角川ホラー文庫
寒気がするような恐怖を味わえました
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短い作品でしたが、狂ってしまった方が楽になれるような恐怖を味わえました。
「玩具修理者」と「酔歩する男」。二作に共通するのは自己認識になるのかな?
「玩具修理者」では身体的に、「酔歩する男」では精…神的に、自己の存在について疑問を呈してくる。
心と身体──。
どちらについて疑問が出たときに人はより恐怖を感じるのか? 読み終えた今は、そんな命題に考えを巡らせながら恐怖の余韻を味わっています。 続きを読む投稿日:2017.10.28
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家庭用事件
似鳥鶏 / 創元推理文庫
伊神さんの名探偵ぶりと変人ぶりが存分に味わえました
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短編集ということで、いくつもの事件を次々と解いてしまう伊神さんの名探偵ぶりと変人ぶりが存分に味わえました。
けど、今回の謎にはいくら未成年とはいえ、刑事罰を受けなればいけないような真相が絡んでいてる…ので少し後味が悪かったかな。
それは兎も角、最終話の「優しくないし健気でもない」には驚かされました。 続きを読む投稿日:2017.10.25