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shigehachimanさんのレビュー
いいね!された数179
  • 鈴木ごっこ

    鈴木ごっこ

    木下半太

    幻冬舎文庫

    素直に騙されました・・・

    借金を背負った男3人と主人の借金返済のために同居することとなった女性主人公───。 何の面識もない彼らと1年間家族として暮らし、与えられるミッションをこなすだけで借金はチャラになる───。 そりゃ何か分からないけれど、やるしかなくなりますね。 何でこんなことをして、借金がチャラになるのか考えながら・・・。 そして、しばらくすると、新しいミッションが与えられます。 家族ごっこ参加者全員の意識が、新しいミッションクリアに向くと、読者は、なぜ家族のように暮らすことで借金がチャラになるのかということを忘れてしまいます。 そして、少しずつ明らかになる集まった者たちの過去のキズ・・・。 それが分かる頃には、ただ、ミッションクリアのために頑張れ!なんて応援してしまいます。 そんな感じで考えずに読んでいきましょう・・・すぐに謎が明かされます。 「ラスト7行で震撼!」とはならないけれど、「あぁっ!そういうことか!」という驚きがあります。 他の方のレビューでは、物足りない感じで書かれていますけど、分かりやすくておもしろかったですよ! 速い人なら2時間くらいで読めてしまうんではないでしょうか? ちょっとした暇つぶしに通勤電車の中で途切れ途切れ読んでも、月曜から金曜までの間に読み終えてしまうでしょう。 テレビを見るような感覚で読める本だと思います。 肩肘張らず、素直に騙されてみませんか?

    1
    投稿日: 2016.05.22
  • 自閉症スペクトラム 10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体

    自閉症スペクトラム 10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体

    本田秀夫

    SBクリエイティブ

    特徴がわかりやすい

    発達障害に20余年関わってきた著者の「自閉症スペクトラム」の特徴とその対処の仕方が中心に書かれた本です。 本は、「自閉症スペクトラム」の特徴と対処の仕方を非常にわかりやすく書いてあるのですが、精神疾患や精神障害は見た目で判断できないため、 健常者はいろいろ誤解をしてしまうし、周囲にかなりの数の理解者がいないと、協調してやっていくことが難しいと感じました。 「自閉症スペクトラム」の方は、接客や曖昧な指示が苦手なので、人と関わりの少ない仕事を与え、曖昧な指示をせず、 できれば図を用いて説明(提案)するといったことは、会社組織の中では一人の理解者がいてもなかなか実現でき内容に感じました。 しかし何といっても驚きは、この著者自身が「自閉症スペクトラム」(非障害ではありますが)だということを書いていらっしゃる点です。 医者にまでなって、著書まで出して、発達障害者の治療までしている方までもが自閉症スペクトラムでした・・・というのは、衝撃的でした。 これは、性格なのか病気なのかわかりやすい本なのに、ちょっとなんだか分からない感じなっています。 そういう意味では、まだ「自閉症スペクトラム」を理解できていないかな・・・。

    0
    投稿日: 2016.05.21
  • エアライン新常識(ニューズウィーク日本版e-新書No15)

    エアライン新常識(ニューズウィーク日本版e-新書No15)

    ニューズウィーク日本版編集部

    ニューズウィーク日本版e-新書

    浅い

    おもしろい記事は、「2、ほかでは絶対に言えない! 現役CAの本音トーク」。 ふんぞり返る日本人ビジネスクラス客とか、お国柄の違いが結構出るCAの業務に対する考え方が興味を引きます。 全体的に、「続きは?」と訊きたくなるくらい、興味が出てきたというところで記事が終わり、消化不良気味に・・・。 「新常識」で得た知識は、より多くの人を乗せ、より多くの距離を飛べ、燃料を使わない飛行機は今飛んでいる飛行機の形ではないということ。 どんな形かは、記事を読んでみてください(こんな感じで記事は終わります)。

    0
    投稿日: 2016.05.12
  • 韓国 理不尽な現実(ニューズウィーク日本版e-新書No.30)

    韓国 理不尽な現実(ニューズウィーク日本版e-新書No.30)

    ニューズウィーク日本版編集部

    ニューズウィーク日本版e-新書

    日本とは違う視点

    「書籍説明」どおりの内容。 最後の「驕れるサムスン久しからず?」が日本人記者による記事で、日本人には少し心地よさを感じる記事になっている。 心地よさとは、日本は先進国で、韓国は先進国となっているが、まだ日本には追いついていないという感じで記事が書かれているからだ。 他の記事は、外国人記者の記事で、「軍隊のいじめ」「米軍売春婦」問題が書かれているが、日本に関係ない記事のため、全く興味がわかなかった。 雑誌記事の焼き直しなので、深みを求めてはいけないが、あっさりしすぎで物足りない。

    0
    投稿日: 2016.05.12
  • 星間商事株式会社社史編纂室

    星間商事株式会社社史編纂室

    三浦しをん

    ちくま文庫

    趣向があだに?

    三浦しをんさんは、キャラクターを作るのがうまいですね。 初めっから小説の世界に食いついてしまいます。 私が読んだものは、そこから一気に読ませてしまう・・・・感じだったのですが、今回は、オタクの幸代(主人公)が書いた小説を読まされる。 これが全くの苦痛。 この物語は、謎解き要素も入っているのですが、そのために本間課長が書いた小説も読まされる。 これも苦痛。 なんかおもしろい要素が入っているのかもしれないけれど、私には全く分からず・・・。 この小説の謎解き要素が終わってから終わりまでの、5分の1程度が、この文中人物が書く小説に大半が占められています。 このあたりのちょっと凝った趣向が私には苦痛に感じられました。 素人風の小説にしてあってさらにそれがおもしろくないんです。これをとばして読んでもほぼ内容を理解できるので、 新しく購入する方は、文中人物が書く小説が苦痛に感じられたら、飛ばして読むことをオススメします。

    0
    投稿日: 2016.05.10
  • あなたへ

    あなたへ

    森沢明夫

    幻冬舎文庫

    もう一度映画を観たくなる

    高倉健主演の映画で、数年前にケーブルテレビで観ました。 妻の遺書から始まる旅と様々な出会いが奇跡的に誰かに繋がっていく・・・派手さはないけれど何か心に残っていました。 森沢明夫の小説だったのかぁ・・・森沢明夫の小説を元にした映画だったら、あんな感じも納得だなぁ・・・読んでみようか・・・と思い購入。 (偉そうに言ってますが、森沢明夫の小説は他にあと1作しか読んだことがないんですが) 読み終わるまで、小説が映画の原作と思っていましたが・・・・、何と!映画が原案と最後に書かれていました。 以前にも、ドラマからノベライズ化した本を原作と思って購入して、読んだことがあり、その薄っぺらさ、おもしろなさに辟易したことがありました。 これは、そういうところが全くありません! こっちが原作かと思ってしまうくらいでした。そういう驚きで、星5です。 文中の人物が主人公と出会うたびに、映画の出演者とそのシーンが思い出されたのですが、 それも当然といえば当然だったのです。逆に出演者が思い出されるほど、文章がうまいのでしょう。 偶然の出会いが奇跡と化していく瞬間・・・。人生のつまずきなどと思っている些細なことから自分を解放するような旅を、 全くの偶然ではありますが、妻からプレゼントされた主人公。その結果、出会った人々とそして主人公は、自分と未来を変えていくことになるでしょう。 つらいけれど、前向きになれる・・・そんな物語です。 私には映画の終わりが、あまり記憶に残らなかったのですが、小説は、妻の思いが伝わってきて映画よりも良かったくらいです。 もう一度、映画が観たくなりました。

    2
    投稿日: 2016.05.05
  • 体育座りで、空を見上げて

    体育座りで、空を見上げて

    椰月美智子

    幻冬舎文庫

    1983年~1986年くらいに中学生だった人に

    1980年代の中学三年間が描かれている。 私は男なので、女子ってこんな感じだったのかなぁと思い出しながら読みました。 今とは違って、ちょっとやんちゃな奴がいたり、先生も体罰なんか当たり前で、 反抗と締め付けがほどよい感じでぶつかり合って、のびのびしていた気がする。 ネットもケータイもなく、待ち合わせは必ず時刻通りに予定の場所に行かなければ、会うこともままならなかった時代。 ちょっと女子(多分女子は男子を)を意識したり、誰が誰を好きだとかで盛り上がったり、ちょっと青臭い時代。 文中に出てくる音楽、ラジオ、テレビ番組・・・・どれもこれも懐かしい。 そういうノスタルジーに浸りたい人は是非読んでみてください。 そして、中学校の卒業アルバムを開いて、好きだった女の子や男の子を探してみてください。 きっと、自分の青臭い時代を思い出して、ちょっと赤面してしまいます。 いろいろ思い出させてくれる本です。

    0
    投稿日: 2016.05.02
  • それでも、桜は咲き

    それでも、桜は咲き

    矢口敦子

    幻冬舎文庫

    誰の何を知っているのか・・・

    銀行員の夫を持つ葉子。専業主婦として平凡な毎日を送っている。夫とは何か噛み合わない日々を感じている。 学生時代の友人の結婚式があり、その頃の友人美咲とともに結婚式の前日に仙台に赴く。 友人との会話が弾まず、それぞれ置かれている立場の違いを感じさせる。そして、東日本大震災に遭ってしまう。 ここからが作者の技量なのだろう。 お互いの違いを吐露しながらも、お互いを認め合っていくような感覚を受ける。 決して仲が良くなった感じでもないのに・・・。 これは、ちょっと変わった感覚だ。 決してハッピーに感じない人がハッピーになったり、主人公が思わぬ展開となったり、意外といえば意外な展開だ。 身近だった人が全く自分の思った人ではなかったり、結婚式を控えた友人や美咲も自分が思っていたような人ではなかったり、 人間って良い意味でも悪い意味でも「色眼鏡」で人を見ているんだなぁと妙に感心してしまうのだ。 震災は物語の一部に組み込まれてはいるけれど、そのことでおきる悲劇でお涙頂戴という物語ではありませんので、ご安心を。 葉子にも桜が咲きますように。

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    投稿日: 2016.04.30
  • 99・9%は仮説~思いこみで判断しないための考え方~

    99・9%は仮説~思いこみで判断しないための考え方~

    竹内薫

    光文社新書

    視点を変える

    実はこの世の中のほとんどの事象が何も解明されていない! この衝撃の事実を、飛行機が飛ぶことが解明されていないのを皮切りに説明されていく。 科学は、仮説を前提に証明がなされているという事例がいくつも挙がってくる。 著者は、自然科学分野の人らしいので、必然的に自然科学分野での説明が多いが、「科学」を憚りなくいうならば、社会科学だって同じだ。 経済学は、人がある種の行動を起こす仮定を前提に説明される。 当然人間は、その通りに動かないので、不況だって起こるし、経済学のセオリー通りに経済は動かない。 物差し(常識)が違えば、結果は異なる・・・・このことに意外に我々は気づいていない。 そのことに気づいたなら、自分を縛っている「常識」を外して行動しても良いのではないだろうか。 日常の不満、ストレス、進むべき道に戸惑っている人・・・そういう人におすすめできる1冊と言えます。 ただ、物理学の話は難しい・・・。

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    投稿日: 2016.04.24
  • 「事務ミス」をナメるな!

    「事務ミス」をナメるな!

    中田亨

    光文社新書

    ミスをおこさないために

    事務職の方必見です。 事務って、やって当たり前、できて普通、できなければ無能扱いって感じですが、ミスするにはそれなりの理由があります。 様式が悪かったり、進め方が手順化されていなかったり、マニュアルの書き方が悪かったり。 そんな一つ一つを丁寧に説明してくれています。 事務職に就いていて、ミスが多いと思っている方も、総務部などに勤務していて他部署の人の事務手続きがきちんと記入されてこないのかに悩んでおられる方もその「なぜ」に応えてくれる1冊と言えるでしょう。

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    投稿日: 2016.04.17
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