三森雪さんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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なるほどデザイン
筒井美希 / エムディエヌコーポレーション
雑誌を読むのが一粒で二度楽しくなる。
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デザインのルールについて、図解やイラスト、写真をふんだんに使って目で教えてくれる本。比較が豊富で「なるほどこのレイアウトにはそういう意図があるのね」というのを気づかせてくれて、この本を読んだ後から、フ…ァッション雑誌を見る時新しい視点が生まれた気がしました。雑誌を読むのがとても楽しくなった。
ただし、ビジュアルに重点を置いた結果、テキストはガリッと削られているので、デザインについて勉強になる、何かに使える類の本ではないです。
「ちょっとした教養」レベルにこの金額を払えるか、ということだと思います。 続きを読む投稿日:2017.01.08
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自分を操る超集中力
メンタリストDaiGo / かんき出版
午前中に片付けた仕事の方が精度が高い理由と、その効果を高める方法、みたいな?
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自分の経験則でぼんやり考えていたことが、ピタリとはまって面白かった!
意思決定する時って何かを消耗する気がして、ここぞという時にがっつり考えて意思決定できるよう、日常の雑事は自動化を心がけているんです…が、この「意思決定する時に消耗する何か」がウィルパワーなんだそう。
このウィルパワーを意識して増やしたり節約したりコントロールすることで、日常生活をうまくこなす、さばくことができますよというのがこの本の内容です。
これのおかげで、今まであることにも気付けてなかった隠しパラメーターをコントロールできるようになった気がします。下手なビジネスライフハックものより自分にはずっと価値がありました。 続きを読む投稿日:2016.12.30
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上島さんの思い出晩ごはん
miobott, マキヒロチ / TO文庫
ただいま、おかえり、いただきます。
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どこにでもいる会社員の民子さんが、疲れて家に帰ってきて、温めただけの素うどんにスーパーで買った値引き天ぷらを乗っけて食べたりする「ただいま、おかえり、いただきます」の話。
いつの間にか民子さんの前に現…れて、ある日突然民子さんの前から姿を消した上島さんの思い出をご飯に重ねたりもするけれども、ちゃんと食べて、少しずつ元気になっていく。胃が温まると心も温まって、下を見ているだけだった顔を上げて前を向くこともできる、ということを、優しくちょっぴり涙めいたしょっぱさでおしえてくれるグルメ短編集です。
たみさんのおにぎり食べたい。 続きを読む投稿日:2016.12.29
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ベル・エポック 1
逢坂みえこ / YOUNG YOU
1991年連載開始の作品です。もう一度いいます、1991年。なのに全く古さがない。
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能雑誌の編集者・鈴木綺麗を取り巻く人々の群像劇 。
当時のキャッチフレーズは「雑誌の仕事をとおして、すべての働く女性に共通する悩み、喜びを描いた大人気ワーキング・ロマン」。
作中に出てくる公衆電話も…ポケベルも、古さはなくてむしろ一周回っておしゃれレトロ。そして描かれる主人公の悩みも、不変で普遍でなんかもう、人間って成長しないね、バカだね、て思う。でもそれが愛おしさでもあり。タイトルのベル・エポック(フランス語で「良き時代」)も余韻があっていい。 続きを読む投稿日:2016.12.29
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くらしのいずみ
谷川史子 / ヤングキングアワーズ
谷川史子先生の繊細で柔らかな筆で紡がれるしみじみ家族ストーリー。
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人生いろいろ、夫婦もいろいろ。 恋というより愛の、ほんわか夫婦ものです。
自分の心の起伏次第で、ほろりとくるシーンが違ったりしてちょっと面白い。ストーリーで魅せるというよりはシチュエーションでじわっ…とくるタイプ。あまりに綺麗すぎて、こうありたい、よりも、ガラスケースに大切にしまって鑑賞専用な夫婦愛ですが、同じ空の下こんな夫婦もいるんだろうなぁ。いたらいいなぁ。「仮面夫婦」のエピソードがとんでもなく好き。 続きを読む投稿日:2016.12.29
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おふろどうぞ
渡辺ペコ / 太田出版
乾燥した心にじゅわっと染み込んで、抜け出せなくなる温かさ。
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渡辺ペコ先生、瞬間風速的には「東京膜」が大好きなんですが、おふろどうぞの方が、角度の違う楽しさをゆるりと読めて読み返し率高い。
涙交じりの塩しょっぱさもあるけれど、お湯のあたたかさでほどけちゃうので重…たくありません。家族風呂や不倫風呂、連れ込み風呂まで様々にあるけれど、ラストのサボり風呂が最高に頷けます。真面目なサラリーマンが、仕事サボってお風呂入っちゃう話なんですが...ムッチャわかるわその気持ち。それが過ちとよばれる行いであっても、お湯の温かさでほどけて、つい許しちゃいたくなる。 続きを読む投稿日:2016.12.29