
入社1年目の教科書
岩瀬大輔
ダイヤモンド社
いつからあなたは新人から卒業しましたか?
上司も先輩も新人の「先生」ではないから、直接仕事に関係あること以外、早々教えてくれない訳です。 そんな中での、「頼まれたことは、必ずやりきる」「1ヶ月で100点よりは、1週間で50点にして、赤ペンを入れてもらう」「仕事は他人依存の高い仕事から」などなど、社会人に「なっていく」ために、当たり前を磨く本。 もちろん社会人になる前でも良いし、むしろ3年目、5年目社会人が読んで気づきのある本だと思う。 地味に、毎年1回は読み返す本。いつか、新しい気づきがなくなったらいいな。
2投稿日: 2014.06.28
日常の小さなイライラから解放される「箱」の法則(きずな出版)
アービンジャー・インスティチュート
キズナシュッパン
毎日顔を合わせる、嫌なやつ、がいるあなたに。
コヴィーの「7つの習慣」、その中のインサイド・アウトを深く掘り下げた話、と個人的には理解してます。インサイド・アウト+影響力の輪=「箱」の法則、的な。 相手が悪いのに、感情に振り回されて気分悪いのはこっち。この割に合わなさを因数分解し、why?→how?→so what?に繋げるノウハウ本です。 自分がしようと思った事をしない→その結果、相手を非難→自己正当化している状態=「箱に入っている」状態。 その解決策が4つのステップで書かれてますが、「箱に入っている」ことに気づくだけで、半分は達成されたようなもの。この「箱に入っている」状態を掴むのに、物語仕立てで展開するので、理論本よりスルッと読みやすいです。
2投稿日: 2014.06.28
クジラの彼
有川浩
角川文庫
待つ女、もかっこいい。
男前でかわいい彼女たちの6つの恋。 表題の「クジラの彼」の彼女聡子さんが、恋しちゃうくらいかわいい。この本には、望ちゃんや光希さんはじめ、男前でかわいい彼女がでてくるけれど、普通の最上級でかわいい「待つ女」聡子さんに憧れる。本当、こんな風な女性でいたいなぁ。いつ帰ってくるか、帰ってくるかもわからないクジラ乗りさんに「待ってる」と微笑むんですよ。冬原羨ましい。てかこいつ、海の底では飄々として、裏ではこんな可愛かったのか。 全編、順調にベタ甘ラブロマってます。長編キャラのその後も良いけど、国防恋愛の伸下と三池の不穏な空気感なんかも好み。
3投稿日: 2014.06.28
塩の街
有川浩
角川文庫
絶望の中で、大体みんな愛とか恋をしてるらしい。
一組の男女と、彼らといっとき時を重ねた人たちの物語。ショパンの雨だれなんかが似合う絶望と諦めの世界観の中で、大体みんな愛とか恋をしてるらしい。 「世界が終わる瞬間まで、人々は恋をしていた。」のコピーの素晴らしさよ。そしてこの本に「することないと本能に従って愛欲に従うのね」とか感想抱いてたひねくれた学生時代の私久しぶり。今も案外感想変わらなかった。 これと終末のフールを読んで仕事の月曜を迎えれば、いがいと平穏は楽しくて、やりたいことをやり終えるほどの時間がないことを思い出す。 そういう意味で好き。
5投稿日: 2014.06.28
空の中
有川浩
角川文庫
あぁ間違えた、と気づいたそのときに、
高度2万、事故に共通するその空域で「あった」謎の知的生命体を巡るあれこれ。秘密を拾った子供たち。秘密を探る大人たち。 とても丁寧に描かれるSF、んージュブナイル?勧めるというより、出会ってほしいなぁと願う本。 真実も正しさも、見る角度からの程度問題なのではと思えるふしぎ。あぁ間違えた、と気づいたそのときに、立ち止まれるか、望む先に足先を戻せるか。フェイクと白鯨が出会う時、は、大人の自分と子供の自分の対話のよう。 この本がハードカバーの頃、子供側から見ていた自分が、電子書籍になって、大人側で見てしまう自分にびっくりした。あぁでも宮じいみたくはまだまだ遠い。
4投稿日: 2014.06.28
海の底
有川浩
角川文庫
私は躊躇せず走れるだろうか、
使命のため勝ち目がないレガリスに立ち向かう機動隊、解決のため硬直した組織を内から動かすお役人、尊敬する人を犠牲に救った子供たちを守る自衛官、どこか「歪んで」真っすぐな子供たち。私は彼らのように躊躇せず走れるのかな。 有川作品で外れる訳ない自衛隊もの。個人的にナンバーワンにしてオンリーワン。負け戦も権謀術数も成長も青春もラブも詰め込みつつ破綻しない・・・えーと、ジャンルSF?? 主に機動隊パートで大人の事情を、潜水艦パートで子供の事情を交互に追いつつ、失速せずに落着しての、エピローグがとても好き。望さん愛い。茂久も好きだなー。圭介ラストで可愛く見えるとかなんたるマジック。
12投稿日: 2014.06.28
憂鬱でなければ、仕事じゃない
見城徹,藤田晋
講談社+α文庫
こう考えるビジネスマンがいることを知るのは、武器になる。
「35の言葉」の「意味」と「解説」と。確かにとても聖書的な作りで、言葉の羅列を仕事にする人の本は、やっぱり勢いと刺さり方がすごい。 見城氏が赤い炎なら、藤田氏は青い炎。いや実際の温度感じゃなく、目で見て感じる温度感の話です。どっちも熱いに変わりない。それでいて、言葉が響かない冷めきった鉄ではないけれど、溶けて鋳られるほど影響を受けた気がしないのは、成熟したからか、未熟だからか。 好きなのは「小さなことにくよくよしろよ」「切らして渡せなかった名刺は速達で送れ」そして、「ヒットは地獄の始まり」。少なくとも、そう考えるビジネスマンがいて、いつかその人が交渉相手になるかもしれないと頭の隅に入れておくのは、必ず武器になる。
0投稿日: 2014.06.28
夏期限定トロピカルパフェ事件
米澤穂信
創元推理文庫
シャーロックVSルパン、ここで勝つのはどっち?
シャーロキアンには悪いけど、やっぱりシャーロックVSルパンには燃えるんです。勝つのは探偵か怪盗か、という小市民的野次根性。 そんなわけで、変哲ない日常の中、暑さにやられた小鳩君が、小佐内さんに一方的に挑戦状を叩き付ける「シャルロットだけはぼくのもの」が一等好き。信用はしても信頼はしない、なんて素敵な狐と狼の騙し合い。そんな小さな事件から続く、ちょっとした大事件が落着した後の、小鳩君と小佐内さんによる解き明かしと独白が、不思議な夏の空気感をまとっていて、ほろ苦いような、もの寂しいような。 一見ありふれた夏休み、恋愛関係にも依存関係にもなく互恵関係にあるふたりの、緊張と打算、その果てにある落着。小鳩君が「それでぼくはパフェだけは食べられない」ようになるまでの、夏の一時です。
2投稿日: 2014.06.28
仕事の大事は5分で決まる プロ外交官の仕事術
宮家邦彦
幻冬舎単行本
外交官の車窓から。
外交官の仕事感とか勘所の話。珍しい環境でも、仕事術的にはオーソドックス。いや、だからこその王道なのか。そんな訳で、あまりノウハウ的な目新しさはないです。 それでも、「外交官の世界」を垣間見、その思考をなぞるという意味で興味深い本。赴任国での社交や交渉、情報収集などなど。 ワシントンでの「友情」と「デリヴァー」、中国とアラブの共通点とか、へー!と思います。その視点で生きたことがなかった。 他に「交渉では大義名分を取る」のが重要だから、ゲームの基本ルールは自分に取り込めとか、パワーが消えると「力の真空」を埋めるため世界が動く、とか、自分でどう活かせるか謎ですが、考え方として面白い。「ノウハウは同業者から、アイデアは異業種から盗め」なので、何かしらアイデアは取り込みたいところ。
0投稿日: 2014.06.28
拝金
堀江貴文
徳間書店
ジャンクでインスタント。なのに、たまに食べたくなる。
いかにもそれっぽい「ホリエモン、成り上がりと凋落の物語」。小説をとりあえず経済とサクセスストーリーで味付けしました的なインスタントさ。「これ手に取ったあんたは中身より、本をとおしてホリエモン劇場を見たいんだろ」的な大味具合。 後追いでライブドア事件を知る人間からすれば、個人的にこのジャンクさは嫌いじゃない。けど、んー、たぶん「ホリエモン」に対して、ポジティブ又はネガティブな感情が何かしらないと、小説としては雑味すぎて楽しめないかも。本の背景を妄想するのが楽しい、そういう本です。 年配者がジャンクフードを回避するのは世の習いですが、この本ははてさて。私はふとした瞬間、マックのポテトが食べたくなる的にこの本を思い出します。
0投稿日: 2014.06.27
