わせみかん。さんのレビュー
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カゲロウデイズ -in a daze-
じん(自然の敵P) / KCG文庫
読んでみました。
1
異能系群像劇でした。
電気屋に押し入り、警察に10億円を要求するテロリスト……きっと、事情があったんだろうと思いましたが、あまりにも脅威としてのリアリティがなかったのが残念でした。
しかし、今この場…が突然テロリストに制圧されて男の子が一人活躍してみんなを助けるというのは、誰しもが一度は想像するであろうシチュエーションだなあと確認できました。 続きを読む投稿日:2014.06.09
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ノーゲーム・ノーライフ 1 ゲーマー兄妹がファンタジー世界を征服するそうです
榎宮祐 / MF文庫J
ゲームのルールなどが曖昧で恣意的なので、あまり集中できませんでした。
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まず気になったのは、絶対守るべき総則の第一条が、殺すな盗むなであるにもかかわらず、命などを賭けても良いというのが腑に落ちませんでした。
特に疑問だったのが、魔法によるイカサマの扱いです。
人類に魔法…が認知できないのであれば中立の第三者を審判にたてるのが普通だと思いますし、そもそもイカサマがあるないを誰がどうやって判定するのかも分からず、とりあえすゲームが進行してるからルール通り進行しているはずとか、完全にテレビゲームのノリをアナログゲームに持ち込んでいるような気がして、興が乗らなかったのが残念でした。 続きを読む投稿日:2014.06.08
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幽霊伯爵の花嫁1(イラスト簡略版)
宮野美嘉, 増田メグミ / ルルル文庫
共に生きよう。会いに行くよ、ヤックルに乗って級のおもしろさ。
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墓守の幽霊伯爵ジェイクと、幽霊伯爵家に嫁いだ美少女のサアラとが心を通わせるストーリーです。
女性主人公なので女性向けライトノベルでしょうが、普段少年向けラノベしか読まない私も非常に楽しめました。
幸せ…な結婚というテーマのとおりに、幸せとは何か、不幸とは何かを軸にしてストーリーが進みます。
主人公のサアラがとても魅力的でした。
男が女を守って幸せにするタイプの結婚を拒絶し、幸せは人から与えられる既製品ではなくて自分自身が積極的にかかわって創造していくものであると考える彼女はたくましいと思いました。
彼女からすれば幸せであることとは、自分自身と他者との関係から積極的に作り上げる能力を持つことであるから、不幸というのは無能力であり最大の侮辱に当たります。
彼女の幸福創造論に納得さえしてしまえば、六章の最後でジェイクが頓珍漢なことを言ってしまってサアラを激高させるところなどは、読んでいるこちらまでがジェイクのアホ!分かってやれよ!と思ってしまうくらい感情移入してしまいました。
ラストも良かったです。 続きを読む投稿日:2014.06.07
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おジャ魔女どれみ16
東堂いづみ, 栗山緑, 馬越嘉彦 / 講談社ラノベ文庫
懐かしいです。
1
魔法は極力使わないというコンセプトはそのままに、物語の語り手であるどれみを中心にして、高校生が直面するような悩みとその解決を一話完結で綴る短編集です。
アニメを見ていても思いましたが、魔法は便利だけど…、それと引き替えに失うものの方がずっと大きいからできるだけ使わないというのは良いですね。
アニメの放送終了から十余年、高校になった彼女たちの続編が出るなんてこの作品がいかに多くのファンに支えられているかの証左ですね。
それにしても馬越さんのイラストがすばらしいと思いました。 続きを読む投稿日:2014.06.07
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東雲侑子は短編小説をあいしている 電子DX版
森橋ビンゴ, Nardack / ファミ通文庫
面白いといえば面白いです。
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読みやすいのでスラスラと読めますが琴線に触れるかと言われるとそうでもないように思いました。
ストーリーに目立った起伏はなく、イケメンとかわいい子がくっつくというごく普通の展開以上のものは感じられませ…んでした。
作品内で「エレンディラ」という短編集が登場し、ヒロインの東雲が絶賛していたので気になって購入しました。読んでみたところ、そこまで面白いとも思えなかったので本の好き嫌いは食べ物以上に人に依存することを再確認できました。 続きを読む投稿日:2014.06.03
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アンブロークン アロー 戦闘妖精・雪風
神林長平 / ハヤカワ文庫JA
早く続きが読みたいです。
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グッドラックのラストで愛によって対ジャムの切り札へ進化した零と雪風に、ジャムが新たな戦略をとるというストーリーです。
人間社会から疎外されているように感じ、機械になろうとしていた零が、ジャムとの戦闘…を通じて自らの価値を見いだし、それ故に雪風との関係性を再構築した前作に続き、今回も抽象度は高めです。
人間であることが自分の唯一無二の存在価値であることに気がついた零は、どこまでも人間であろうとし、その人間の認識能力を雪風たち戦闘知性の認識能力と合わせることでジャムに立ち向かいます。
零と雪風が独立して存在し、それぞれ人間の認識と機械の認識を補完し合いながら、それぞれの存在価値へ敬意を払うところは、シリーズの初めからは想像もできない境地のように思えました。
作中ではそれが愛だとされ、今作ではジャムはその愛を知るためにジャムなりの世界認識能力を用いてあれやこれやと画策します。
そのため人間と機械知性とジャムの三者の認識論を中心としてストーリーは進んでいきます。
しかし、最後は、その抽象的な思考による戦闘が実際の物理的な戦闘機の戦いにまで巧妙に落とし込まれ、最後の最後まで手に汗握る濃密な空中戦が展開されるところは、ただ感服しました。
特に、特殊戦機の面目躍如である速さが中心となるところはとてもうれしく思いました。
続きを読む投稿日:2014.05.30