KKさんのレビュー
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永遠をさがしに
原田マハ / 河出文庫
魅力的な登場人物たち
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主人公の和音と,そのもとにやってきた新しい母親の二人。どのような生活が始まるかと思えば…。
それにしても,原田マハさんの描く人たちは,みな魅力的だ。そしてみな生き生きとしていて,心の底に秘めた強いエネ…ルギを感じる。
個人的には,チェロといえば,バッハの無伴奏チェロ組曲が好きだ。(この本には出てこないけど)
最近聴いていなかったが,また聴いてみたくなってきた。 続きを読む投稿日:2017.01.11
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もうダマされないための「科学」講義
菊池誠, 松永和紀, 伊勢田哲治, 平川秀幸 / 光文社新書
科学的な視点
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今,世間にあふれているさまざまな情報の中には,科学的に怪しいものも多々ある。わかっている人はそれらを「怪しい」と思うことができるが,信じてしまい,さらに周りの人に広めてしまう人たちというのも確実に存在…している。
そのような怪しい情報を「怪しい」と判断することができるための,バックグラウンドを育てていくことが必要なのだろう。
また,リスクに関する考え方も重要だ。「発がん性物質」「放射線による被害」など,リスクの定量的な判断ができないと,「リスクがゼロではない」=「危険」という判断をしてしまいかねない。
ぜひ,多くの人にこの本を読んで,科学的な視点を持ってもらいたい。 続きを読む投稿日:2017.01.03
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喜嶋先生の静かな世界 The Silent World of Dr.Kishima
森博嗣 / 講談社文庫
学問には王道しかない
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この小説は,森博嗣さん自身の自伝的な小説とのことだが,ストーリーの中の喜嶋先生のような人に出会えるかどうかというところで,人生は大きく変わるのかもしれない。解説にも書かれているが,夏目漱石の「こころ」…の「先生」と同じ雰囲気を持っている。学問への向き合い方を考えてみよう。 続きを読む
投稿日:2016.12.14
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作家の収支
森博嗣 / 幻冬舎新書
森博嗣さんの勤勉さがわかる
1
作家,森博嗣さんのこれまで(2015年まで)の収支が赤裸々に書かれている。本に関わる仕事をしている人,したい人は,ぜひ読んでみるべきだ。
森博嗣さんといえば,某国立大学工学部助教授の身で「すべてがFに…なる」でデビューされた天才作家。この本を読んでも,その天才ぶりがわかる。
森さんは,自分自身のことは「マイナな作家」だと言われているが,決してそんなことはないだろう。なので,この収支というのは作家さんたちの中でも当然上位に分類されるものだとは思うが,それを支えているのは,森さんの超多作ぶりなのだろう。(もちろん,作品が面白いことが大前提だが)19年間で約280冊の本を出すというのは,月1冊以上のペースだ。
しかし,森さんがミリオンセラーを出していないというのは実はちょっと意外。 続きを読む投稿日:2016.12.04
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太陽の棘
原田マハ / 文春文庫
沖縄の絵
3
第二次大戦直後の沖縄での,米軍軍医と現地の画家たちとの物語。
実のところ,沖縄自体行ったことがない。なので,沖縄のこと,歴史のこと,ともに学校や本などから得た知識でしかない。それであっても,戦争で破壊…され,米軍占領下にあった沖縄というのは生きることすら大変だったろう。
そんな環境下であっても,画家たちは絵を描いていた。画材の入手も簡単ではないが,芸術村をつくり寄り添って生きていた。
いつも繰り返すが,原田マハさんの書く「絵」のストーリーはすばらしい。この本の中で「絵」といえば,表紙だけなのに,ストーリーの中で描かれる「絵」たちが頭の中に浮かび上がる。まあ,私自身が絵の才能が皆無なので,ディテールのまったくない,ぼやっとしたイメージなのだけど。 続きを読む投稿日:2016.12.01
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アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
フィリップ・K・ディック, 浅倉久志 / 早川書房
ヒトとは何なのか
1
映画「ブレード・ランナー」の原作で,SFの名作ながらも,今まで読んだことがなかった。
映画の方はずいぶん前に見ていたんだけど,正直よくわからなかった。映像は印象的だったんだけど。
人間とは何なのか,ア…ンドロイドとの違いは?今,人工知能・AIといった言葉がもてはやされているが,ここで出てくるアンドロイドのような人工知能は,まだまだSFの世界の話だ。でも,人間のように振る舞う人工知能と,それを積んだアンドロイドが出てきたとき,人間とアンドロイドはどこで区別されるのだろう。
とりあえず,一度は読んでおくべき本だと思う。 続きを読む投稿日:2016.11.25