先生の本棚さんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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プリズンホテル 1 夏
浅田次郎 / 集英社文庫
浅田次郎大好きです。
3
私の思う、浅田作品最高傑作の一つ。
ちなみにもう一作は、『壬生義士伝』。
終わってしまうのが寂しい物語って、ありますよね、本好きなら。もう少し、付き合って欲しい。この人たちの中に、いたい。
…
大人になってそんな気持ちを抱かせてくれる作品は、そんなに多くありませんでした。
読んで、気持ちよくなって、少し泣いて、「いいな!」って気分に浸りたい。
そろそろ読み返そうかな。秋の夜長に、大好きな飲み物用意して。 続きを読む投稿日:2013.09.25
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プラネテス(1)
幸村誠 / モーニング
真っ正面から面白い
3
生きるのも、働くのも、恋をするのも、死を見つめるのも。
配られたカードで勝負するしかないのさ、って、スヌーピーも言ってます。配られた出会いで選択肢が生まれる。カードは受身で受け取るしかないけれど…、それでも自分の意思で選択をしていこう。そうするしか、自分の人生は生きられないから。
こういう真正面な物語、今どき小説ではウケないのかもしれません。むしろマンガの方が、良作を楽しく提供できている気がします。中でも本作は、秀逸。 続きを読む投稿日:2013.09.25
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もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
岩崎夏海 / ダイヤモンド社
『もしドラ』を、高校の文化祭実行委員長が読んだら
3
教え子にコレ渡したら、更に何冊か自分達で買ってきて、委員会で回し読みしてました。更に『マネジメント』も買ってきて、その内容に夢中に。・・・そこまで行くと、目的見失っている気がするんだけど。
結…果、文化祭が変わったかと言われれば、別にいつも通りだったんですけど。読んだ者同士で「仲間意識」を作るのには役だったんじゃないかな。
中学生、高校生が読んだら、世界が広がり、大人の社会のイメージが少しは見えるようにはなるでしょう。それって、とても大切なことだと思うんです。 続きを読む投稿日:2013.09.28
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クリムゾンの迷宮
貴志祐介 / 角川ホラー文庫
ダークゾーンよりずっと
2
ホラーRPG小説とでも言うべきでしょうか。徐々に明かされていく謎、次第に狂気の度合いの深まる世界。荒唐無稽な話にリアリティを保つ作者のバランス感覚がすごい。
傾向としては、貴志祐介さんの最近の作品…である『ダークゾーン』に似ているように思います。が、作品の質としてはこちらの方がずっと高いのではないでしょうか。
面白いです。 続きを読む投稿日:2014.02.28
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船乗りクプクプの冒険
北杜夫 / 集英社文庫
良い本、選んだね。
2
読書感想文でこの本を使ったら、きっと先生に誉められるでしょう。良い本、見つけたね。
お医者、兼文学者という訳の分からん家系に生まれた北杜夫の児童文学、冒険小説。父は歌人、斎藤茂吉。『赤光』の人で…すな、と分かる人は、なかなか勉強の進んだ高校生ですね。
ぐうたらな普通の男の子を主人公に、活劇を繰り広げて小学生を虜にし、しかも文明に対する相対的視線を教える教育的思考を忍ばせる。いやあ、名手です。ロビンソンクルーソーにも劣らない。
まあ、文明批判の部分は大人になって分かったことですけどね。こういう物の考え方を、小さな頃からすりこんでいくって、大切なことじゃないかな。 続きを読む投稿日:2013.09.27
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そして誰もいなくなった
アガサ・クリスティー, 青木久惠 / クリスティー文庫
ミステリはここから始めよう
2
児童向けのホームズ、ルパンシリーズを卒業したら、とりあえずここから始めよう。
女王を知らずしてミステリを語るなかれ。
クリスティらしいかと言われれば、うんまあそうね、ポワロも読んどいてね、と…なるんですが。ミステリでおすすめないかと言われて、コレを読んでなかったら素人扱いしてあげます。これ読んでないと、コナン君と語り合えないですよ。
読みやすい、長くない、驚きがある、と、小説初心者にとっても優しい作りになってます。読まない理由は無いですぜ。 続きを読む投稿日:2013.09.27