
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
岩崎夏海
ダイヤモンド社
『もしドラ』を、高校の文化祭実行委員長が読んだら
教え子にコレ渡したら、更に何冊か自分達で買ってきて、委員会で回し読みしてました。更に『マネジメント』も買ってきて、その内容に夢中に。・・・そこまで行くと、目的見失っている気がするんだけど。 結果、文化祭が変わったかと言われれば、別にいつも通りだったんですけど。読んだ者同士で「仲間意識」を作るのには役だったんじゃないかな。 中学生、高校生が読んだら、世界が広がり、大人の社会のイメージが少しは見えるようにはなるでしょう。それって、とても大切なことだと思うんです。
3投稿日: 2013.09.28
夜市
恒川光太郎
角川ホラー文庫
ソフトに、サワヤカに、少しだけ、恐く。
第12回ホラー小説大賞受賞作品。 歴代のホラー小説大賞受賞作品中でも、高い評価を得ている作品です。 恒川さんは沖縄在住。すてきな人生してますなあ。 完成度の高い文体、人の心の深いところを見つめさせてくれる切り口、不可思議かつ魅力的で、ほんの少し怖い作品世界。 静かな語り口ではありますが、展開はスピーディーで飽きさせません。同書に書き下ろし収録されている「風の古道(こどう)」と共に、一読の価値あり。
12投稿日: 2013.09.28
寄生獣(1)
岩明均
アフタヌーン
人間讃歌なんです。
お母さんには知らせずに、こっそり子どもに読ませたい。 中学も2年生くらいになれば、耐性ついてるんじゃないかなあ・・・。 心にヒマがある生き物。人間、なんと素晴らしい。 どんなに忙しくとも、心のどこかに必ずヒマはあるものだから。自分のソレを、潰してしまわないでいて。 読者の、人間としてのあり方に、影響を及ぼす可能性を持っている。力強いマンガです。
0投稿日: 2013.09.27
そして誰もいなくなった
アガサ・クリスティー,青木久惠
クリスティー文庫
ミステリはここから始めよう
児童向けのホームズ、ルパンシリーズを卒業したら、とりあえずここから始めよう。 女王を知らずしてミステリを語るなかれ。 クリスティらしいかと言われれば、うんまあそうね、ポワロも読んどいてね、となるんですが。ミステリでおすすめないかと言われて、コレを読んでなかったら素人扱いしてあげます。これ読んでないと、コナン君と語り合えないですよ。 読みやすい、長くない、驚きがある、と、小説初心者にとっても優しい作りになってます。読まない理由は無いですぜ。
2投稿日: 2013.09.27
船乗りクプクプの冒険
北杜夫
集英社文庫
良い本、選んだね。
読書感想文でこの本を使ったら、きっと先生に誉められるでしょう。良い本、見つけたね。 お医者、兼文学者という訳の分からん家系に生まれた北杜夫の児童文学、冒険小説。父は歌人、斎藤茂吉。『赤光』の人ですな、と分かる人は、なかなか勉強の進んだ高校生ですね。 ぐうたらな普通の男の子を主人公に、活劇を繰り広げて小学生を虜にし、しかも文明に対する相対的視線を教える教育的思考を忍ばせる。いやあ、名手です。ロビンソンクルーソーにも劣らない。 まあ、文明批判の部分は大人になって分かったことですけどね。こういう物の考え方を、小さな頃からすりこんでいくって、大切なことじゃないかな。
2投稿日: 2013.09.27
人民は弱し 官吏は強し
星新一
新潮社
少年達、こういう大人に憧れろ
描かれるのは、星新一の偉大なる父、星一。 一は、夢と理想があって、実現できる力があって、友人も多くて、行動者で、そして、挑戦者だった。先見の明があり、破格の夢を見て、大いに闘った。 読むと、人間、安全な道を選んで生きてもしょうがないな、と思う。思わされる。何らかの炎が宿る。何か「新しいこと」をやってみなくちゃ。 あと、ちょっとお役人が嫌いになったりした。
2投稿日: 2013.09.27
ペンギン・ハイウェイ
森見登美彦
角川文庫
饒舌な少年に憧れよ。
あくまで傍流、確固たる私。 語りに語る少年の、言葉の城は、そびえ立つ。 言葉の海で身を尽くし、己の愛を高まらす。 そんな小学生いるか!!! いいじゃない。憧れよう、揺るがない傍流たる彼に。
0投稿日: 2013.09.27
蒼天航路(1)
王欣太,李學仁
モーニング
次世代三国志の嚆矢・・・かな。
三国志演義を日本人向け小説として完成させた吉川英治。その流れは数十年引き継がれ、横山光輝のマンガ、KOEIのゲームとともにファン層は拡大しました。さらには天下統一を完成させる劉備、樊城を脱出する関羽、五丈原で死なない孔明。数々の夢を見させた吉川三国志は、未だに輝きを衰えさせません。 しかし、そのファン層の拡大は、吉川三国志の人物観への問いかけを生じさせるものでもありました。曹操とは本当に悪だったのか。董卓は邪知暴虐の愚物だったのか。呂布は義を知らぬ暴力男であったのか。 そんな土壌が、当時日本にはありました。そんな日本に放り込まれたのが、蒼天航路。傑物たる董卓、王者たる袁紹を踏み越えて蒼天を行く覇王、曹操。旧弊にとらわれず、新しい価値を見出し、革新を呼び起こし、天下に至る。その躍動感溢れる生き様に比しては、劉備、関羽、張飛、そして孔明すらも、背景の一つに過ぎません。 冷戦構造が崩れ、勧善懲悪に時代が飽いたことも影響しているでしょう。初めに悪ありき、の物語ではなく、信念を持つ者が時代の風を得て飛翔していく。そんな物語が、1990年代には名作として世の中に多く、登場して参りました。本作はその中でも白眉と言えましょう。
6投稿日: 2013.09.26
塩の街
有川浩
角川文庫
バランスがとても良い
パニック・アクション・かけひき・恋情。バランス良くかみ合って、スピード感がある。王道的展開で、読後感が良い。 図書館戦争とかシアター!!シリーズ、またはおっさんたちの物語とは違う、ちょっと硬派な有川浩。こんな引き出しもあるんですよね。作品としては初期にあたりますけど。 ベタ甘有川が苦手な方は、こちらを含む自衛隊三部作を手にとってみてはいかがでしょう。壊滅的パニック物として、とっても質が良いですよ。
23投稿日: 2013.09.26
家族八景(新潮文庫)
筒井康隆
新潮文庫
中2病なんて言葉を知らなかったあの頃。
あいつ、オレの心を読んでるんじゃないか、何て思ってました。おーい聞こえてますか。聞こえてたら黙って右手で頭をかいてくださいよ。 電車やバスの中で、こっそりと。 この本のせいではないけどさ。この本の影響はあったと思うですよ。 未だに覚えてるな、水蜜桃。エロかった。面白かった。
4投稿日: 2013.09.26
