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  • あなたの常識力を10倍にする本

    あなたの常識力を10倍にする本

    平成常識力委員会

    スマートゲート

    100円は100円。

    あっったり前のことがつらつらと書いてある。 「常識」だからそんなものか。100円ならそんなものか。 しかし、クイズでページ数水増しはひどい。

    0
    投稿日: 2014.07.19
  • 天地明察 上

    天地明察 上

    冲方丁

    角川文庫

    キャラクターが立っている。いい意味でライトノベル的。

    うまく言えないのですが、「人間」ではなく「キャラ」が描かれているような印象があり、 ライトノベルのような趣がある小説だと思います。 円さんなどは、出てくるたびに「ツンデレ」というワードが頭をよぎったり。 ラノベだ!と言って、貶していると捉えられるとどうしようもないんですが、 キャラクターが魅力的で、さくさく読めて、すっごく面白いということを 端的に言うとラノベ的だなあと思うわけです。 晴海、カッコいいです。円さん、カワイイです。なので、☆5で。

    0
    投稿日: 2014.07.16
  • 博士の愛した数式

    博士の愛した数式

    小川洋子

    新潮社

    ちょっと勘違いして読んでいたら…

    なぜか、本当になぜか、本作をミステリーだと勘違いして読み始めてしまいました。 (たぶん寺尾聰主演映画の何かとごっちゃになったんだと…「半落ち」とか…) そのうち「実は博士は完全な記憶があって…」とか「博士が記憶を失った部分を描かない叙述トリックが…」とか、 そういう展開になると思っていたら、全然そんなことはなかったとさ! 普通に心温まる良い話です。素直な心で読んでみてください。

    1
    投稿日: 2014.07.16
  • 植物図鑑【幻冬舎文庫版】

    植物図鑑【幻冬舎文庫版】

    有川浩

    幻冬舎文庫

    すごく趣味嗜好がはっきりした小説

    この小説を端的に言い表すと、だいたい次の点に集約されます。 ・主人公のOLがイケメンを拾う話 ("天空の城のラピュタ"の「親方!空から女の子が!」の男女逆転と筆者自身が言っています。) ・そのイケメンがやたら家事能力が高く、主夫みたいな感じで同棲する話 ・そのイケメンがやたら植物に詳しく、2人でひたすら野草を料理する話 ・あとちょっと2人が付いたり離れたりする話し どれかにピンときたら是非読んでいただくと良いかと思います。

    1
    投稿日: 2014.07.16
  • 屍者の帝国

    屍者の帝国

    伊藤計劃,円城塔

    河出文庫

    たぶん色々な仕掛けのある小説

    ドストエフスキーは生前、「カラマーゾフの兄弟」に続編があることを示唆していましたが、 ドストエフスキーの略歴・思想や書き残したもの、当時の時代背景などから推測すると 「アリョーシャが、コーリャらと共に革命家になり皇帝暗殺(新たな父殺し)を謀る」 という筋になるらしいです。本作はこの続編を意識して書かれていると思います。 本作は歴史や他の創作(フランケンシュタイン、ワトソン、グラント米大統領etc...)などを絡めていますが、 こういった分かる人には分かる仕掛けがところどころにあるんだと思います。 自分は亀山郁夫さんの「『カラマーゾフの兄弟』続編を空想する 」という本を読んだことがあったので、 この部分だけ「ははーん、あれね!続編ね!」となりましたが、学のある人が本作読むともっと色々気づくことがあるんだと思います。 我こそは知識人!という方は是非読んでみてください。

    2
    投稿日: 2014.07.16
  • 邂逅(かいこう)の森

    邂逅(かいこう)の森

    熊谷達也

    文藝春秋

    自然の中に身を置くことについて

    自分がこれまで読んできた小説の中で、最も好きな小説が トールキンの「指輪物語」と本作「邂逅の森」です。 自分は登山が趣味で年間30日ぐらいは山にいますが、 「指輪物語」からは黙々と歩き続けることについての 「邂逅の森」からは自然の中に身を置くことについての、 それぞれ厳しさと同時に美しさのようなものを思い起こさせます。 山で辛い登り出くわすと「指輪物語」のことを、 山で寒さや風で辛い夜を明かすことになると「邂逅の森」のことを思い出します。

    4
    投稿日: 2014.07.16
  • ルーズヴェルト・ゲーム

    ルーズヴェルト・ゲーム

    池井戸潤

    講談社文庫

    唐沢寿明・石丸幹二・香川照之が誰役なのか当てるという楽しみ方。群像劇だからこそか。

    半沢直樹(ドラマ) → 原作小説 → 池井戸潤の他の小説、というベタな順番で本作にたどり着きました。 ただし、本作のドラマは全く見ていない状況でした。 もともとTVをほとんど見ないので、CMなども目に入らず、本作ドラマの映像を1秒でも見ていない状況です。 もっとも、「半沢」のあとで注目度も高く、yahooニュースなどでキャスティングの情報だけは入ってきており、 主役が唐沢寿明で、「半沢」に続き石丸幹二・香川照之が出ている、とだけは分かっています。 そういう状況でこの小説を読むと、どうしても「誰が誰役か」というのが気になりながら読み進めることになります。 なお、4泊5日の縦走登山中に読んでいたので「答え合わせ」もできない状況です。 一番最初は古賀が主人公だと思って読んでいたので、古賀=唐沢だと思っていたら、 いやいや三上が主人公っぽいからこっちが唐沢か?、んで野球部に対して敵役っぽい細川が香川か?… などなど逡巡することしきりで、なかなか自分の頭の中で配役が固定できない状況が続きました。 たぶん、こういうところがこの小説の面白いところなのだと思います。 主人公→唐沢、敵役→香川(、イケメン→石丸(笑))という連想が前提ありますが、 群像劇的にそれぞれの登場人物にスポットがあたるので その「主人公」「敵役」が中盤ぐらいまでなかなか定まらない。 登場人物の互いの印象というか、誰が誰に対してどういう感情を抱いているかなどが めまぐるしく変わっていくところに、読み進める楽しみがあります。 ※最終的な私の結論は、唐沢=細川、香川=諸田、石丸=坂東でした。おしい! 

    1
    投稿日: 2014.07.16
  • 青春を山に賭けて

    青春を山に賭けて

    植村直己

    文春文庫

    ジャガイモが食べたい

    フランス滞在中、お金がなくてジャガイモばかり食べていたエピソードが出てきます。 この本を読んだ後に、私は無性にジャガイモを食べたくなり、 実際登山にも持っていっても食べました。空き缶をコッフェル代わりにはしなかったけど。 真似してみたいけど、この人の冒険は真似できない。だからちょっとしたところを真似してみる。 別の本の話ですが、冬山の数日の縦走後、人の多いところに帰着する前に雪で顔を洗ってみたり。 自分にとって植村直己さんの本にはちょくちょくそういうがある。

    1
    投稿日: 2014.07.06
  • ヤマケイ文庫 垂直の記憶

    ヤマケイ文庫 垂直の記憶

    山野井泰史

    山と溪谷社

    日本最強のクライマー

    比べるのもおかしいかもしれないですが、竹内洋岳さんの本を読んでると「親しみやすいにーちゃんだなぁ」と思うけど、 この人はちょっと違う。アスリートとというか、職人というか、ちょっと別の世界の人。 やっぱり「先鋭的」クライミングをやる人は違ういますね。 たぶん山野井さんは、本人が伏線張っているとおり山で死んでしまうと思う。 それが良いことか良くないことかは分からないけど。

    1
    投稿日: 2014.07.06
  • 戦艦武蔵

    戦艦武蔵

    吉村昭

    新潮社

    「国家秘密」と「巨大建造物」と、その異様さについて。

    戦略上その存在が国家秘密とされた戦艦を、一民間企業である三菱重工業が作るという歪み。 三菱重工側に作っているものの全体像を知る者が数人しかいないという異様な状況の中で、 建造が進められる…そんな中での虎の子の46cm砲に関わる図面の紛失事故…。 元外務省の佐藤優さんが秘密保護法の議論の文脈の中でも引き合いに出していましたが、 「国家秘密」について書かれた本です。 そして、秘密であることと矛盾する「巨大建造物」について書いた本でもあります。 建造当時は、おそらく人類史上の最も巨大な人工物の1つであったと思いますが、 造るにしろ、動かすにしろ多大な資材と労力が投入されました。 シュロ(繊維材料の植物)が九州の市場から消えるところから始まりますが、 「巨大」であるものが「秘密」であると、こういう異様なことになるのかと。 この冒頭の章から引き込まれます。

    4
    投稿日: 2014.07.06