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  • 禁じられた恋人【イラストあり】

    いとう由貴, 石田要

    禁じられた恋人【イラストあり】

    いとう由貴,石田要

    ショコラ文庫

    憎いのに嫌いになれない…ツボど真ん中設定

    王道昼ドラ風なストーリーで、ベタとわかっていても楽しく読んでしまいました。センセの禁忌な設定は、いつもツボど真ん中なんですよね。 好きだった男が自分を裏切り姉と結婚してしまったことを10年も引きずっていて憎しみでいっぱいになっている、駆け出し俳優の秀明視点。彼の心情がとても細やかに描かれていて、気がついたらかなり感情移入していましたw 義人は秀明を嘲笑した上に、秀明の姉と結婚して次期製薬会社社長の椅子を手に入れた、酷い奴なんです。 傷ついた秀明は家を飛び出し、嘲笑されたことを見返すために切磋琢磨して、苦労しながらも俳優として食べていけるようになっていくのですが、父親の死がきっかけではからずも義人と再会することに。 憎いのに嫌いになれない。 この一言でした。 気持ちでは許さないと思っているのに、身体は許してるw 二人がこの先どうなっちゃうんだろうとそればかり気になって、あっという間に読んじゃいました。 エロ的にもいけないことをしている禁忌感バツグンで、萌えました。エロはもうお墨付きの上手さです。 義人の真意がまったく見えない展開なので、そこもミステリアスでよかったです。たまに見せるやさしさに、秀明同様ドキドキしてしまいました…ww 策略家に見えるけど、本当は一番情が深い人です。 子供二人もかわいかったです。男だらけのあったかファミリーになりそうで、キュンとしました。 昼ドラよりすごかったラスボス姉。これ以上周囲に不幸な人が生まれないように祈るばかりです… うまく事態が終結しているので、不倫話なのに後味がよかったです。センセはいつもこういう大仰で王道のドロドロ系を楽しく読ませてくれます。

    1
    投稿日: 2014.12.05
  • 初恋は群青に溶ける

    初恋は群青に溶ける

    ゆき林檎

    B's-LOVEY COMICS

    甘くて苦い青春学園モノ

    高校生の男の子たちのセンシティブな心のうちを丁寧に描いていて、それが柔らかな絵のタッチと上手く溶け合っていて読後はすごくあったかい気持ちにさせられました。 野球部のピッチャーで肩を壊していて辛い気持ちを抱えているケンゴと、留年しているワケありな吉岡の距離が少しずつ近づいていく感じがかわいくて… 吉岡はイジメによる暗い過去があるけど、それについてむやみに興味を抱かずにいつも一緒にいてくれるケンゴは、いつの間にか彼の中で安心して頼れる唯一の存在になっていたんだろうなと思えました。 そしてまたケンゴも吉岡を好きになったことで、人として男としてぐっと成長した気がします。 吉岡と先生との関係も立場をわかった上で、相手のことをすごく考えていて思いやる互いの気持ちが優しくて切なかったです。 先生のそのやさしい気持ちがケンゴにとても自然な形で受け継がれているのがよかったです。 どのシーンも胸にキュンとくるものがあるんですが、つかず離れず微妙な距離感を取りながらも相手の気持ちを思いやる二人がやがて手をつなぎあったりするところは、ただ手をつないだだけなのにものすごく萌えてしまいました… そして、一年早く生まれてくれば、という言葉にもうるっときました……すべての想いが込められていて涙です。 描き下ろし「初恋の行く末」で5年後の二人の幸せな姿を見ることができて安堵しました!

    1
    投稿日: 2014.12.05
  • 人魚姫の弟

    人魚姫の弟

    犬飼のの,笠井あゆみ

    フルール文庫 ブルーライン

    BL童話

    表題作は人魚姫、「輪」シリーズはヘンゼルとグレーテルを題材にしたBL童話でした。 「暴君竜」に引き続き笠井あゆみセンセとの最強タッグが、エロスばかりではなく童話らしいロマンティックな仕上がりにもなっていてステキでした。 「輪」シリーズは、ユリアスとテオの美形兄弟が酷い継母から逃れようとして青鬚の悪魔が棲む家に迷い込み、おいしそうな食事をうっかり食べてしまい…というドキドキ展開。 ユリアスの思い込みゆえの片恋に切なくさせられ、フェルナンのストレートな愛情に嬉しくなります。 フェルナンはとても好感度高い攻でした。 世間知らずなテオの初恋も甘くてよかったです。貞操の危機にはハラハラさせられたけど、そこへグッドタイミングで現れる王子…ってのはまさにおとぎ話の醍醐味。 お兄ちゃんたちのベッドを修理しなくちゃ!と考えたテオがとってもかわいかったです…w 表題作は、甘い雰囲気の中にも人魚姫の原作の、あの切なさが再現されていて引き込まれました。 すれ違いや誤解があっても二人の気持ちがブレることがなかったのがすごくよかったです。 童話では王子様は他のお姫様のことを好きになってしまいますが、ちゃんと真実に気づいてほしかったな~と切実に思っていたので、この展開にはほっとさせられました。 とは言え、二人とも愛の代償としていろんな苦難を強いられそれらを乗り越えています。 そんな中、どんなに酷い悪意に妨げられてもリトに一途だった王子はカッコよかったです! めでたしめでたしの結末には、現実主義的にはツッコミはいりそうですが、なにしろおとぎばなしなので! エロ的には人魚Hが新鮮でした…妄想しまくり。

    2
    投稿日: 2014.12.05
  • 法悦☆ホリデイ ~解脱なんて知らねえよ~

    法悦☆ホリデイ ~解脱なんて知らねえよ~

    淡路水,小山田あみ

    フルール文庫 ブルーライン

    最近流行のお坊さんもの

    去年フルール新人賞でデビューした実力派の作家さん。 イケメン強面坊主×ダメっ子元モデルのラブコメで、とっても楽しく読めました。 藍は元モデルだけあってとても美人なんだけど、うっかり犯罪の片棒を担ぎそうになってしまう危なっかしくて残念な子です。でも、根は真面目で育ちも良くて素直ないい子なんです。 そして893みたいなみてくれの瑞生。田舎のお寺の住職代理で、なにやらワケありな感じが魅力的です。 登場人物全員、とてもキャラ立ちがしっかりしていて、生き生きと動いていてリアル感がありました。 瑞生にゲンコツもらって叱られながらも、彼からのあたたかい愛に包まれて、どんどん藍がかわいくステキな人間に育っていくところにキュンとさせられてしまいました。 藍が田舎のお寺に居候することで人との関わりの重要性に気づき、周囲への心配りができるようになる過程の描き方もほのぼのとさせられました。近所の人との交流がさりげなくよかったです。 エロ的にもすごく萌えました。クスッと笑わせる場面もいっぱい。何しろアホっ子と、坊さんのくせにあれこれ経験豊富そうなおっさんですからね~ いろいろ面白かったです…! バラエティ豊かなエロシチュエーションで飽きなかったです。浴衣Hは藍のおかげで大変エロかったですww 書き下ろしの「有頂天ラヴァーズ」ではまたしてもアホっ子藍のおかげでコスプレHに悶絶しました。 エロおやじな瑞生のせいで、とてもいやらしい仕上がりです! HENTAI性も抜群で思い切りニヤつきました。 もちろん、糖分もしっかり多めで満足。 うるっと泣かされる場面もあって、最後まで引き込まれました。

    1
    投稿日: 2014.12.05
  • カラフルライン

    カラフルライン

    市川けい

    シトロンコミックス

    大学生同士の焦れ焦れキュンキュンラブ

    心情描写がリアル感抜群で、思わず入り込んでしまいました。 いいですね~ふつうに親友同士だったのが、ある日突然そうじゃなくなるってところ。 フィジカルな関係じゃないところがまたキュンときます。あくまでも精神的なところでの、うだうだモダモダ。じれったいです。 でも、今までの相手の恋愛事情に超詳しいからこその、今ひとつ踏み切れない気持ちですよね。すぐ泣くけど案外ライト感覚な知生とかなりの温度差が有りそうなのも、翔祐の不安をさらにあおり… 女子にものすごくイラッとされてしまう、翔祐と知生がかわいかったです。翔祐が逃げ込む公園のゾウさんが印象的。 Hシーンがないんですけど、それを補ってあまりある心情描写がすてきでした。 大好きでも、付き合えないっていう気持ちがすごく伝わってきてよかったです。 できれば、この二人が晴れてひとつになれるところも見届けたかったですね~

    2
    投稿日: 2014.12.05
  • こっち向いて笑って

    こっち向いて笑って

    市川けい

    シトロンコミックス

    前作が面白かったので

    高校生の次は居酒屋でバイトする大学生。この、日常的で等身大なところに潜んでいるBLネタというスタンスが萌えるんですよね。 浅野は、バイト先の居酒屋で話もろくにしたことのなかった年下の無愛想なイケメン、筧から「あんたのこと好きなんですよ」と唐突に告られ「なんで俺?」と訳がわかりません。その上、いっさい後のアプローチがない! それってすごく気になるけど…と思っているうちに、どんどん意識してしまう浅野の心理がものすごく面白く描かれています。 二人の会話もかみ合っていないようでじれったいんだけど、ちゃんと最後は通じ合うものが生まれているのにニヤついてしまいます。 何といっても心の声がいい。浅野のぐるぐる悩みまくる胸のうちがてんこ盛りで笑えます。 筧も見た目は男前で多少のことには動じないように見えて、実は臆病ですぐ真っ赤になっちゃうようななところがあるのがわかってくると、そのギャップにやられちゃいます。 一番は攻受関係でした。萌えました~! 浅野の本性丸出しな豹変っぷりがものすごくステキでしたww 日常的に描きながらも単調に終わっていなくて、ヒネリが効いているのが気に入りました。

    0
    投稿日: 2014.12.05
  • スロースターター

    市川けい

    スロースターター

    市川けい

    シトロンコミックス

    男子高校生の日常

    言葉遣いとか、友達とのやりとりがそのまんま男子高校生ですごくナチュラルです。特に、通学電車で別の駅から乗り合わせる他校の生徒との距離感!! たまに電車の中で、違う制服の男の子同士が楽しそうに話しているのを目撃して、どんな関係なんだろう?と気になったりしていたんですよね…同じ学校だったらそこまで気にならないけど。 なので、違う制服はまさに萌えツボ的中でした。 いつもの電車に乗っていないからとあれこれ気にしすぎるところで、もう相手への気持ちがハンパないし、そこからだんだん互いに意識しあうのは、男女ならば何故なのかすぐ答えが見つかるわけなんですが。 そのあたりの二人の感情の変化がとても細やかに描かれていて、引き込まれてしまいました。 恋愛に発展するまで、表題どおりたいへん時間がかかるのですが、それを退屈と思わせない巧みなストーリー展開です。 ケータイを通してのやりとりや、文化祭など、高校生の何気ない日常を上手く絡めていて生き生きとしていて飽きさせません。 見た目より意外?に純情なキヨとイノにきゅーんとなってしまいました。 お互いの気持ちを確かめ合うシーンに萌えまくりです。 描き下ろしも、合い鍵だけでこっちまでこんなにドキドキするとは! エロなんかなかったのにキス一つに萌えた… さりげないけど、すごい実力ある作家さんです。

    2
    投稿日: 2014.12.05
  • 今夜、きみと星につなごう

    今夜、きみと星につなごう

    川琴ゆい華,小鳩めばる

    フルール文庫 ブルーライン

    切なくて甘い恋人ごっこから始まる恋物語

    いつも強烈にクセのあるキャラを登場させてくる作家さんですが、今回はなんと淫乱なコールボーイと偽って後に引けなくなる、健気でちょっと抜けてる総務課勤務のハネちゃんという男子が主人公です。このハネちゃんが、とてもかわいかったです。なぜ、コールボーイ?しかもなぜ自らHが大好き設定にしてしまった?その嘘で完璧通せると思ってるようですが、どう見たって詰めが甘くてバレバレなところにクスッとさせられちゃいます。 結局ハネちゃんは嘘を嘘で塗り固めて、大宮に自分の恋心を告げることができなくなってしまいます。 まぁ、その嘘も大宮の会社での立場とか彼の身を案じてのことなので、読んでいて不思議と不快感がないんですよね。それだけ、ほんと一途なんです。 やっぱり受の性格のよさというのは大事です。どれだけ大宮のことが好きか読んでいてひしひしと伝わってきました。 大宮がとても明るくてやさしくて、ハネちゃんのことを大切にしていてキュンとさせられました。 あと、ハワイの話がよかったです。新婚旅行はハワイと言っていた大宮の言葉にものすごくショックを受けていましたからねw とてもスイートな話でした。

    2
    投稿日: 2014.12.05
  • 宵越しの恋【電子特典イラスト付】

    宵越しの恋【電子特典イラスト付】

    川琴ゆい華,橋本あおい

    フルール文庫 ブルーライン

    甘くてちょっとビターな再会もの

    記憶喪失ものが好物なので飛びつきましたが、実はちょっと違う展開でした。もっとフクザツな事情があったりするところが一ひねりあって面白かったです。 お互いさまなんだけど本当のことを言えない状況、いつ均衡が崩れるかもしれない危うい状態…ドキドキさせられました。 センセの作品はどれもおいしそうなのがいいですw「妄愛ショコラホリック」もそうでした。で、今回は和菓子!色とりどりの生菓子が目に浮かぶようで、もううっとりです。 老舗の和菓子屋さんの描写もよかったですがそれだけじゃなく、着物や茶道や陶芸など、日本ならではの伝統文化があちこちに散りばめられていてその良さを再認識させてもらいました。 和服男子、すてきですね~ 思った以上に濃厚なエロがてんこ盛りで、橋本あおいセンセの期待を裏切らないエロスなイラストも拝むことができました。

    0
    投稿日: 2014.12.05
  • 知ってるよ。【おまけ漫画付き電子限定版】

    知ってるよ。【おまけ漫画付き電子限定版】

    ひなこ

    ダリアコミックスe

    意外性にキュン

    作者さん初コミックス。絵がきれいでキャラ立ちがはっきりしていて読みやすく、惹かれるものがあります。 良い人のフリ優等生×目つき悪い純粋な子wいい取り合わせ。 学校で浮くことを恐れて愛想の良いイケメンを演じる沢端は、学校で目つきが悪くて浮いた存在のぼっち星崎から好きと言われ、懐かれる優越感に浸ります。沢端は、星崎にだけ俺様な態度をとってしまうかっこつけ。でも、すべて星崎に見透かされていて。 沢端はめちゃくちゃ恥ずかしくなってしまい、思わず星崎に素のままの態度になっちゃって怒ったりすねたり。クロいやつかと思ったら案外子供っぽくて、その意外性が良かったです!星崎のパッと見からは想像もつかない愛らしさ、いじらしさにもやられました。 星崎兄が絡んできたあたりからは特に盛り上がりました。登場にビビり、うさんくせぇ、ってとこで爆笑。 そんなブラコン兄の続編は、わんこな後輩による恋愛革命。これはとてもBLらしいと思わせる話で、好物でした。 男なんてありえないと思っていた弟ラブなお兄ちゃんの意識がどう変化していくのか、というのが見どころ。切なくなったり胸キュンだったり… 大智が合コンしたり、女の子とデートしてみたりして奮闘?する場面が意外にもかわいくてキュンとさせられました。潤の立場になって見れば、切なくて辛いのだけど。男同士ということに思い悩んだり、弟離れしようと必死な姿が一生懸命で、放っておけない感じ。大智が攻か受か外見からはわからないところも良かったです。 「理性は淫魔に喰われる」は、趣向ががらっと変わって吸血鬼もの。それもヘタレ!なのに、とりついた相手は潔癖症リーマン。 「だって、先輩が俺を見てたから」は、同人誌作品だったものらしく、エロ描写もしっかり。 キュンとできる赤面男子です。チビ絵もかわいい!

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    投稿日: 2014.08.20