お肉美味しいさんのレビュー
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27
このユーザーのレビュー
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とんがり帽子のアトリエ(1)
白浜鴎 / モーニング・ツー
絵柄・ストーリー共に大満足!
6
かわいらしい絵柄に、一コマ一コマ緻密に描きこまれた線。
森の中の靄や透明度がわかるような澄んだ水など、美しいカラーページ。
そして魔法使いを目指す少女…。
ファンタジーの世界が好きな方なら心惹かれるこ…と間違いなし!
魔法使いに生まれた人でないと魔法使いになれない世界で
魔法使いに憧れる少女・ココ。
自分の住む街にたまたま魔法使いがやってきたことで、魔法への憧れは強くなる一方。
しかし魔法使いに憧れるがあまり、ココは気付かぬうちにとある過ちを犯してしまいます。
はたしてココは、魔法使いとなり過ちを正すことが出来るのか――。
いわゆる魔法少女的なかわいらしさではなく、
がっつりとしたファンタジーです。
ところどころコミカルなコマもあるので、テンポよく読めます。
同じ弟子として共同生活を送る少女たちも、ひと癖ふた癖ある子たちばかりで今後が気になるところ。
しかしエンターブレインで連載してそう、と思ったらモーニングでしたか。
久しぶりに「うっまいな~~」と思う作家さんに出会えました。次の巻が楽しみです。 続きを読む投稿日:2017.02.21
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うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち 【電子書籍限定 フルカラーバージョン】
田中圭一 / 角川書店単行本
うつだと思ってない人にも読んでほしい
6
最近書店やニュースで話題の本。
田中圭一と言えば、手塚治虫のひどいパロディをするギャグ漫画家というイメージだったので
きっと破天荒な人生を送っていると思っていたら
まさかご本人がうつで悩まれていたと…は驚きです。
うつになるとやる気が出ず薬や時間に頼らざるを得ないと思っていたんですが
田中先生はグラフ化して自分なりにうつを分析するなど、かなり冷静にうつに向き合っています。
きっと症状は人それぞれで、田中先生も大変苦しまれながらのことだったと思いますが。
ご本人以外にもうつを経験した人のインタビューが満載ですが
作家や芸能人など、有名な方もちらほら。
あまり世に知られてなかったけど、悩まれていたんですね…。
自分はうつだと思っていない人でも、症状に当てはまるところがあったり
身近に同じような症状の人がいるかもしれない。
そういう時にどうして回避すればいいか、どう接すればいいのか
ヒントになるかもしれません。 続きを読む投稿日:2017.02.23
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BEASTARS 1
板垣巴留 / 週刊少年チャンピオン
ルールを破ったのは誰か…動物たちの学園サスペンス
4
登場人物は二足歩行して言葉を話す動物の少年少女たち。
肉食動物も草食動物も同じ学び舎で学ぶが、この世界では「肉食は草食を喰ってはいけない」というルールがあった。
しかし、ある草食動物の少年が殺されたこ…とで学園内の雰囲気が変わり始める。
誰が、草食動物を襲ったのか――。
寮(ギムナジウム)、スクールカースト、いじめ、恋愛…定番の学園モノに“動物社会”が入ることで
これまで読んだことのない世界が繰り広げられている。
そして主人公のレゴシ(狼)が、肉食動物で外見も怖いのに実はとっても繊細というギャップが!
“ダークなズートピア”と称される本作。まだ新人作家が描いてるのが一番の驚き。 続きを読む投稿日:2017.02.23
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約束のネバーランド 1
白井カイウ, 出水ぽすか / 週刊少年ジャンプ
子どもたちの命を懸けたサバイバル
3
小さな孤児院で暮らす少年少女たち。
親はなく、本当の兄弟ではなくとも彼らの毎日はとても賑やかで平和な日々だった。
しかし、ある日“妹”であるコニーが里親に引き取られることになり
エマとノーマンがある…現場を目撃してしまうことで、穏やかだった毎日が壊れ始める。
なぜ、彼らは“塀”に囲まれた施設で育てられたのか…。
なぜ、彼らは毎日“勉強”させられていたのか…。
信じられる大人は存在せず、絶望の中、子どもたちは生き残る術を画策します。
ノーマンやレイが時に非情な案すら考えねばならぬ状況で
エマの純粋な心・優しさが彼ら二人の心の支えになっているんだと思います。 続きを読む投稿日:2017.02.21
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アリスと蔵六(1)
今井哲也 / COMICリュウ
魔法少女モノ?いいえ、家族愛モノです
2
一言でいってしまえば、魔法少女モノですが
「萌え」ではなく「家族愛」要素がとても強い良作です。
施設で育てられ、家族も友人も少なく外の世界を何も知らない
そして不思議な超能力を持つゆえに非常識な言動…をとる少女・紗名。
ひょんなことから出会った蔵六という頑固爺と行動を共にすることになるが
初めて出会った幼い子どもにも「悪いことは悪い」とキッパリ叱る蔵六。
そんな蔵六に上から目線で反発しながらも惹かれ、懐いていく紗名。
施設で育ったゆえに非常識で動物的だった少女が
施設の外で出会った大人や友人と接することで人間性らしく、成長していく物語です。
絵は少し特徴があるので最初は読みにくいところもあるかもしれないけれど
大ゴマの使い方や、1巻の終盤に出てくる未来の紗名ちゃんであろう人物のモノローグの入れ方など
人物の感情の変化やストーリーの展開がうまい作家さんだなぁ…と思います。
絵柄や1巻の表紙で「幼女とおじいちゃんの日常系?」と思いがちですが
表紙で嫌煙してるともったいない作品なので一読してみることをオススメします! 続きを読む投稿日:2017.04.18
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BEASTARS 2
板垣巴留 / 週刊少年チャンピオン
動物たちだからこそ描かれる独特の世界観を持つ学園モノ
2
肉食動物(狼)で図体も大きく見かけもコワモテだが、中身はとっても繊細なレゴシ。
1巻では同じ演劇部のアルパカのテムが殺されたことで、肉食動物としての本能に気付き、生き方に悩み始めました。
2巻では異性…への意識、学園ヒエラルキー、草食動物への捕食本能
と、学生生活を謳歌しながらも
肉食と草食の関係性がうまく絡み合っていき
普通の学園モノでは味わえない独特の世界観を作り出しています。
この世界のタブーを犯しても学園で目立ちたい、と思う演劇部部員の肉食動物に対し
過ちを許さないと強く思いながらも、己の本能を否定しきれないレゴシ。
苦しみながらも真面目で芯を貫く姿勢のレゴシ、かっこよかったな~~。
そして草食動物ながらも演劇部の部長、そして舞台で主役を演じる
学園ヒエラルキートップに君臨するアカシカのルイ。痺れます!
ところで1巻冒頭でアルパカのテムを殺した犯人とは一体だれなのか――?
時間も楽しみです! 続きを読む投稿日:2017.04.18