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takemoto68さんのレビュー
いいね!された数23
  • 空飛ぶタイヤ(下)

    空飛ぶタイヤ(下)

    池井戸潤

    講談社文庫

    感動作

    構成が下町ロケットと似ていた。こちらも非常によい感動作。じわじわと盛り上げて大団円、が本当にうまい。著者プロフィールを見ると、経歴に三菱銀行、とある。な、なるほど。。。人は弱いし、よく迷う。掘り下げて掘り下げて考えて、譲れない何かを自分で発見して判断していかなきゃならないんですよね。それこそ、何か大きなものに巻かれて自分で考える事をやめてしまったり、根拠のない価値基準や判断基準に洗脳されてしまっていると、人間として大切なものがいつのまにか見えなくなってしまう。芯の通った人間にならないとね。

    1
    投稿日: 2014.06.28
  • 空飛ぶタイヤ(上)

    空飛ぶタイヤ(上)

    池井戸潤

    講談社文庫

    良作。

    下巻にレビュー詳細。下町ロケットが夢の物語とすると、こちらは義憤の物語。

    3
    投稿日: 2014.06.28
  • 県庁おもてなし課

    県庁おもてなし課

    有川浩

    角川文庫

    成長の物語

    成長が描かれる物語はポジティブでいい。地の文の感情の機微の書き方がうまい。基本ひねくれてるけどこういう本だって好きです。堀北真希はきっとはまり役なんだろう。

    1
    投稿日: 2014.06.28
  • 海の底

    海の底

    有川浩

    角川文庫

    聡い地の文は違和感

    エビが巨大化して人間を襲う話。聞いただけで恐ろしい。。パニックものの正統派っぽく、怪物と警察/自衛隊員のかけひきもメインだけど、潜水艦にとり残された海上自衛隊員と子供たちのやり取りを通してのヒューマンドラマの方に力点が置かれている。が、子供に使うは有川さんの聡い地の文は違和感があるし、一方で自衛隊や軍の話もマニアック過ぎて入り込めなかった。やはり登場人物達のベタ甘な恋が主軸に据えられている話が、読んでても面白い。別の作品「塩の街」の「世界が終わる瞬間まで、人々は恋をしていた」はひと文で心揺さぶる力がある。

    5
    投稿日: 2014.06.28
  • 塩の街

    塩の街

    有川浩

    角川文庫

    純粋

    人間が塩になってしまうという塩害に見舞われた世界の話。人が生死に直面してどうそれに対峙するかというのに単純に興味があるので、世界週末系の話は結構好き。有川浩の場合だとそれよりもつい美しい恋愛模様が目立ってしまうのだけど。本作は自衛官と高校生の年の差カップル。越えられない年齢差を相手を慈しむことで越えようとする恋愛模様は素晴らしいね。しかし物語が純粋すぎて感想が書きづらい。笑

    0
    投稿日: 2014.06.28
  • 神去なあなあ日常

    神去なあなあ日常

    三浦しをん

    読楽

    緩さにほんわかする本

    地域社会の濃密なコミュニケーションと時の流れの緩さに読んでいてほんわかする本。インドネシアも農業国なので似てる部分があるが、より性格は熱帯的。一昨年、ボランティアで遠野まごころネットで沖縄から来た方が「自然が厳しいので、次の季節に備えて準備するという感覚が新鮮で勉強になる」という様なことを言っていた。なるほど沖縄やインドネシアと東北ではそこの感覚は違う気がする。前提として厳しさがある自然と、恵みの象徴としての自然というか。耐え忍ぶ感覚がベースにあるのは、悪くないことという気がしてるけど、どうなんだろう。

    2
    投稿日: 2014.06.28
  • 舟を編む

    舟を編む

    三浦しをん

    光文社文庫

    感動。素敵なパンチラインにしびれた

    感動。「強く風が吹いている」と同じく、軽めの漫画タッチな入りから、物語が進むにつれて各キャラの悩みと成長が描かれる。ギアが1速から4速って感じで、ここのスピード感というか差し込んでくる感じがこの人の文章の魅力。辞書編集を通して、言葉の魅力と、情熱の素晴らしさを伝えてくる本作。「なにかを生みだすためには、言葉がいる。…生命が誕生するまえの海を想像した。…そこに言葉という落雷があってはじめて、すべては生まれてくる。愛も、心も。言葉によって象られ、昏い海から浮かびあがってくる」なんて素敵なライン。痺れた

    7
    投稿日: 2014.05.18
  • 白い巨塔(五)

    白い巨塔(五)

    山崎豊子

    新潮社

    白い巨塔

    【ネタバレ含】医大の教授選に向けて東奔西走する第一巻から始まる財前助教授の浮沈が描かれる言わずと知れた作品。権力者の元に奔走する強欲さと、医学に接した時に見せる烈しさと自負、時折見せる郷里の母親への純粋な愛情、国際学会に認められてくすぐられる純粋な自尊心、裁判対策でみせる冷徹さ。。誰しも等しく持つ矛盾した欲と本能と感情の移ろいを誇張して一つの物語にプロットし、最期は自身のガンをして医学の発展に与する姿勢にメッセージを収斂させる美しい手法に感動した。ただ、長いっす。疲れます。

    1
    投稿日: 2014.05.18