takemoto68さんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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舟を編む
三浦しをん / 光文社文庫
感動。素敵なパンチラインにしびれた
7
感動。「強く風が吹いている」と同じく、軽めの漫画タッチな入りから、物語が進むにつれて各キャラの悩みと成長が描かれる。ギアが1速から4速って感じで、ここのスピード感というか差し込んでくる感じがこの人の文…章の魅力。辞書編集を通して、言葉の魅力と、情熱の素晴らしさを伝えてくる本作。「なにかを生みだすためには、言葉がいる。…生命が誕生するまえの海を想像した。…そこに言葉という落雷があってはじめて、すべては生まれてくる。愛も、心も。言葉によって象られ、昏い海から浮かびあがってくる」なんて素敵なライン。痺れた 続きを読む
投稿日:2014.05.18
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海の底
有川浩 / 角川文庫
聡い地の文は違和感
5
エビが巨大化して人間を襲う話。聞いただけで恐ろしい。。パニックものの正統派っぽく、怪物と警察/自衛隊員のかけひきもメインだけど、潜水艦にとり残された海上自衛隊員と子供たちのやり取りを通してのヒューマン…ドラマの方に力点が置かれている。が、子供に使うは有川さんの聡い地の文は違和感があるし、一方で自衛隊や軍の話もマニアック過ぎて入り込めなかった。やはり登場人物達のベタ甘な恋が主軸に据えられている話が、読んでても面白い。別の作品「塩の街」の「世界が終わる瞬間まで、人々は恋をしていた」はひと文で心揺さぶる力がある。 続きを読む
投稿日:2014.06.28
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空飛ぶタイヤ(上)
池井戸潤 / 講談社文庫
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神去なあなあ日常
三浦しをん / 読楽
緩さにほんわかする本
2
地域社会の濃密なコミュニケーションと時の流れの緩さに読んでいてほんわかする本。インドネシアも農業国なので似てる部分があるが、より性格は熱帯的。一昨年、ボランティアで遠野まごころネットで沖縄から来た方が…「自然が厳しいので、次の季節に備えて準備するという感覚が新鮮で勉強になる」という様なことを言っていた。なるほど沖縄やインドネシアと東北ではそこの感覚は違う気がする。前提として厳しさがある自然と、恵みの象徴としての自然というか。耐え忍ぶ感覚がベースにあるのは、悪くないことという気がしてるけど、どうなんだろう。 続きを読む
投稿日:2014.06.28
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空飛ぶタイヤ(下)
池井戸潤 / 講談社文庫
感動作
1
構成が下町ロケットと似ていた。こちらも非常によい感動作。じわじわと盛り上げて大団円、が本当にうまい。著者プロフィールを見ると、経歴に三菱銀行、とある。な、なるほど。。。人は弱いし、よく迷う。掘り下げて…掘り下げて考えて、譲れない何かを自分で発見して判断していかなきゃならないんですよね。それこそ、何か大きなものに巻かれて自分で考える事をやめてしまったり、根拠のない価値基準や判断基準に洗脳されてしまっていると、人間として大切なものがいつのまにか見えなくなってしまう。芯の通った人間にならないとね。 続きを読む
投稿日:2014.06.28
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春を背負って
笹本稜平 / 文春文庫
幸福を測る万人共通の物差し
1
短編6編から成る山小屋経営者、亨の話。最後のゴロさんの言葉がいい。「幸福を測る万人共通の物差しなんてないー。いくら容れ物が立派でも、中身がすかすかじゃどうしようもない。ところが世の中には、人から幸せそ…うに見られることが幸せだと勘違いしてるのが大勢いるんだよ。」人の一面を切り取って勝ち負けを作ろうとするすべての人に。 続きを読む
投稿日:2014.09.12