
レインツリーの国
有川浩
角川文庫
読む前に期待を膨らませすぎたかも・・・
この本のきっかけは「図書館戦争シリーズ」です。で図書館戦争の中で『どんな小説なんだろう?』って感動期待を大きく膨らませすぎたのかも・・・ 「もっとデカイ愛と感動の物語」を想像しすぎていました。この程度なら『メディア良化委員会の検閲に引っかからないのでは?』というストーリーです。 有川浩さんの恋愛小説としても、他の「ベタベタ」というほどでもなく、恋人間の小さな行き違いに揺れる心を描いていますが、行き違いが女性の聴覚障害に起因している点は他の恋愛小説とは違っていますが・・・・だからどうこうではなく、男女が衝突しあっても普通に魅かれ、普通に成長してゆく姿が読み手に普通に伝わってくる作品です。 結局、有川浩さんも図書館戦争でそれが言いたかったのですが・・・(笑)
0投稿日: 2016.02.01
ペンギン鉄道 なくしもの係
名取佐和子
幻冬舎文庫
連作短編集として読むと・・・・チョッとビミョーかも・・・
最終以外は単なる短編として読んだ方がいいかも。 最終の話はスピンオフ的に読んだ方がいいと思います。 すべての謎を最終で明らかにしなくても、謎は謎のまま放置しても作品としては良いと思いました。(ミステリーじゃないですから。それだけ趣の良い雰囲気の作品なので。) ただ。作者は繋げて最終に持ってゆきたかったので、トップとラストの話は力が入ってますが、2先目以降は「ちょっと手を抜きました?」って感じがしないでもなく・・・ でも、読んでいてそれなりに楽しかったし、最終が「えっ?!そっちに持ってゆくの???」って意外性もあって悪くはなかったです(笑)。 ってことで、星ひとつを減らして四つ星です。三ツ星以上なので個人的には好きなタイプの小説ですがね。
2投稿日: 2016.02.01
体育館の殺人
青崎有吾
東京創元社
密室殺人ミステリーというより・・・
青春ミステリー・学園編って感じかな? 事件発生から解決までの期間が短く、中だるみがない分 楽しめます。 密室の謎に関しては、作者はかなり考えて本作を執筆したと 読み取れますが、読者側としてはそれほど大きな感動はなかったです。 むしろ、結論に至るまでの推理の展開の方が楽しめました。 通常は事件解決後に”どんでん返し”を用意しているものですが、 本作も案の定、用意されていました。 でもこれは・・・あってもなくても良かったような気がします。 逆に言えば、最後の最後「えーっ!!」っていうオチがなくても、 満足できる内容ですってことになっちゃいます。 軽ーい感覚で学園ミステリーを読みたくなったら、迷わずコレですかね。
1投稿日: 2014.02.17
偉大なる、しゅららぼん
万城目学
集英社文庫
う~ん・・・そこまで偉大かなー・・・
万城目先生の作品ってことで、チョット期待しすぎたかも。 普通に読んで楽しめる作品なのですが、「鹿男」「ホルモー」には及ばないかも。 もっとも琵琶湖と湖の民ってことで、こちら側の期待も大きすぎたのは事実なんですけど。(笑) 琵琶湖の民、二族間の抗争で終わると思っていたら、そう来るかー!ってところが、 万城目先生らしくて、ドキドキ,ワクワクしちゃいました。 って結局楽しんで読んじゃったのですがネ!。
0投稿日: 2014.02.17
硝子のハンマー
貴志祐介
角川文庫
謎解きミステリーとしては・・・・
私は『謎解きマニア』ではないのですが、この密室の謎は解けません。 だからそう言う意味での感動も皆さんよりは浅いかも・・・ 人間模様的には、探偵,弁護士の人間性などももっと描写して欲しかったですね。 秘書陣たちもせっかく3人もいるのでもっと濃密に絡んでくるのかと・・・(アッ! ネタバレだー!) 「○×小説としては・・」と言うのを気にしなければ、フツーに面白い作品でした。
2投稿日: 2013.12.16
魚舟・獣舟
上田早夕里
光文社文庫
不思議な哀愁を漂わせる短編集
短編集です。 舞台は大半が海に覆われた地球だったり、毒キノコに占領された街だったり。 その異常な状況と戦い正常化させるようなストーリーではありません。 そこに暮らす人の、本能として持っている愛がテーマです。 「愛」というより”思いやり”の方があたっているかも・・・ ですから読み終わるとジワッと胸に哀愁感が漂います。 物語的にはなにも進展,決着していないのですが・・・ 完全決着,納得型SFを好まれる方には中途半端、もしくは予告編的な小説として解釈されてしまうかも。 遠い未来、「そう言えば昔こんな人を見かけた。」的な物語りかな。 最後の「小鳥の墓」は短編ではありません。 書き下ろし中編です。そのため主人公の心の描写がかなり現実的に細かく描かれ、他の作品とはタッチが異なります。 管理された理想郷に馴染めず、反発してゆく主人公。 ラストは驚かされました。 社会ってヤッパ怖いなーなんて・・・・ 個人的には「小鳥の墓」より他の短編作品の方が好きです。
3投稿日: 2013.12.03
太陽のパスタ、豆のスープ
宮下奈都
集英社文庫
自信がなくなり、落ち込んだときはコレ!
主人公もさることながら、出てくるオバサンもイイ味だしてます。 なんか、主人公に共感しながら読み進みました。 「さて、明日は何がしたいかな。」ってチョットづつ元気になれそうですよ。 なんせ太陽のパスタと豆のスープですから。(笑)
0投稿日: 2013.11.18
私を知らないで
白河三兎
集英社文庫
子どもの頃にこんな女の子、いたかも・・・
チョット変わった寂しげな少女。周囲に流されず自分を懸命に生きる彼女。 「そう言えば昔こんな女の子がいたよなー」なんて思わせる一冊です。 だんだん話が大きくなりクライマックスにさしかかる頃、どうやって収集つけるの?って思ったんだけど・・・・ うーん・・男子としては、嬉しいけどチョット複雑な結末かなーなんて・・・(笑)
1投稿日: 2013.11.18
とんび
重松清
角川文庫
ドラマになってたこと、知らなかったのですが・・・
重松清先生の作品って結構重いってイメージがあったのですが、 この小説は笑えて,泣けて、心が暖かくなる作品です。 息子の誕生から結婚まで、寄り添うように不器用に生きた父親の心情がほんとうにやさしく表現されています。 心が寒くなった夜には、是非とも読みたい一冊かと。
2投稿日: 2013.11.18
赤×ピンク
桜庭一樹
角川文庫
非現実なバトルの中に生きる女性たち
夜な夜な開催される都会の廃校でのバトルショー。 設定自体が非現実で、架空の設定がエスカレーションするのかと思いきや、 その中で生きることにもがく3人の女性たちのそれぞれの物語り。ケッコー切なかったりなんかして・・・ 設定自体はチョットなーって思いましたが、女性達の生き様は丁寧に表現されており、生き方に共感を覚える女性もいるかと・・・ 男子より女子にお勧めな1冊かも。 映画化も決定しキャストも発表されています。ひいきの女優さんが出るので読んでみました。
1投稿日: 2013.11.05
