ぴんまくさんのレビュー
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[決定版]京都の寺社505を歩く<下> 洛西・洛北(西域)・洛南・洛外編
山折哲雄, 槇野修 / PHP新書
京都を歩くとは・・・・・?
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タブレットに電子書籍を詰め込んで、観光することを目的でコメントしております。上巻ではあんまり芳しくない意見をしましたが、よくよく考えると、そもそも「歩く観光」ってなんじゃやろな?と考えてしまったのでコ…メントします。
この本では、京都の有名処はもちろん見過ごされがちな社寺の解説がなされています。その意味ではほぼ満点に近いできばえです。(★★★★★)しかしながら、「歩く」というタイトルに引っかかりを覚えたぴんまくは上巻では辛口の評価をしました。
その理由は、一言で言うと、歩くコースがイメージできなかったということになります。その要因は、地図がしょぼい、記述された順番で歩くといったりきたりとなったり、とんでもない距離があったり、これじゃ歩けない。ということが主な理由です。(★★)
ぴんまくは「お遍路」が社寺を歩く理想と考えているのだけれども、その場合、1.目的である社寺(点)が決まっており。2.その社寺(点)を結ぶルート(線)がほぼ決まっている。3.そして、スタートがあって最終的なゴールがある。4.また、それはバリエーション可能で、繰り返すことが可能である。と意味づけることができると考えております。
さて、この本、点となる社寺は505もありその記述はすばらしくまとめられています。でも、線についてはある程度のかたまりごとになっているけれど結ぶことがうまくできないし、イメージできない。基準線が引けないのでゴールなき旅になって、バリエーションも考えられない。ということとなるのでしょう。
でも、仕方ないのかなとも思う。私が京都を歩く場合には、点となる社寺を決めて、駅やバス停からルートは徒歩用ナビまかせできのままに周りの風景や風情をたっぷり楽しんでいるから。コースである線を気にしたことがない。寄り道、予定変更なんか当たり前だし、時間が来ればさっさと帰る(遠くから行くので帰りの時間は大切)。でもそれはそれで楽しい。
そう考えると、「京都を歩く」のは奥深いし難しい。そこがまた、京都の京都たるところなのだろう。ましてや「社寺」ということになると、京都の屋台骨でありメインであり中心だから・・・・いわずもがな。「京都の社寺を歩く」とタイトルされた勇気にある意味、脱帽いたします。 続きを読む投稿日:2014.05.04
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日本酒手帳
長田卓, SSI / 東京書籍
俺、日本酒が大好き。でも、俺、失格だった。勉強させていただきます。
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俺、日本酒大好き。かなり飲む。自他ともに認める日本酒党だった。はず、であった。ところが、何も知らなかった。ただの、飲んだくれの親父でしかなかったのだ。
この本。「手帳」とタイトルされており、全国各…地の主要銘柄の紹介がされている。旅に出たときのお供に最高、と考えての購入でした。が、さらりと記入されている日本酒の基礎知識(この本を読むために最低限必要なこと)が私は全く身についていなかった。つまり、「日本酒を作り出すためののアイテムやら製造工程が、日本酒表記(純米やら吟醸やら山廃仕込みやら)に細かく関係しており、そして何よりもその味、あじわいに深くかかわっている。」そして、日本中の酒蔵は、「独自の味を求め、守り続けと実にさまざまにオリジナルな味を提供している。」まあ、当たり前と言えば当たり前なのだけれども、これらのことについて今まで正しく考えてみたことはなかったし理解もしていない。そんな情報がてんこもりな「手帳」なのである
<飲む・・・・うめー・・・・・うーよったよった・・・・・・いい気持ち、もう最高・・・・・・これ以降は酒に飲まれる>
日本酒とのつながりはそれだけだった。これじゃ、日本酒に失礼でしかなかった。すいませんでした。このままじゃ、この本に記載されている日本酒様を正しく飲むことができない。いかん。このままではだめな日本人になってしまう。
ということで、飲んだくれは、この「手帳」を携えて、正しい日本酒様を理解して、よりいっそう日本を味わい尽くす旅に出るのであった。日本には、こんなに素晴らしい日本酒様があちらにもこちらにもあるのだから。結局、飲みたいだけなのかもしれない。いえいえ、そんなことないですよ。
この本、日本酒を深く愛して理解している人にはすばらしい本となるのですが、私のように飲むことがただ好きなだけな飲んだくれには宝の持ち腐れのような本なのです。手帳といいながら、かなりマニア向けの本なのです。だから、中身は無駄なし、情報どっさり、よくぞここまでまとめてくれました。という内容です。
いつか、この本が本当の宝となるように日本酒の味がわかる男になるのが先か、日本中の酒を飲むのが先か。それが問題だ。しかし、悩んでいてもしかたがないので、とりあえず地元の酒を飲むこととしよう。「蓬莱泉 純米大吟醸 空」は高価なので、今、常用酒としている、「別撰 蓬莱泉」を飲むことにしよう。うめー・・・・・うーよったよった・・・・・・もう最高。進歩なし・・・・・・・・・・だ。 続きを読む投稿日:2014.04.12
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京都人が書いた「京都」の本 名所・旧跡からお土産・風習まで
京都ゆうゆう倶楽部 / PHP文庫
確かに京都人の書いた本だけど
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京都人の書いた京都の本というタイトルに惹かれ、値段のお手頃さに負けて購入しました。京都人が書いたというだけあって、目の付け所が、さすがと思わせ、とっても参考になるのだけど、何かが足りない。なんだろうと…考えた答えが、いつか読んだ「おじさんの京都」にありました。以下「おじさんの京都」からの抜粋
「京都好きなの?」 「いや、別に好きってわけじゃありませんが」
「嫌なとこだよね」 「そういうところありますね」
「でもさ、その嫌なとこが、何か好きになってくるんだよね」 抜粋終わり。
この感覚が足りないのだ。でも京都人はこの感覚はわからないのかもしれない。
この感覚は我々のようなよそ者がみた京都なのだから。 続きを読む投稿日:2014.04.07
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[決定版]京都の寺社505を歩く<上> 洛東・洛北(東域)・洛中編
山折哲雄, 槇野修 / PHP新書
実際に歩いて見たけど、実際に歩くための本じゃないな
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8インチタブレットに仕込んで、実際に歩いてみた。コースはエリア6の北野天満宮から千本通をたどる。
歩くコースについてこの本には詳細な事は書いてない(有名なルートは別ですが)。自分で決めなければいけない…。
したがって、ある程度、京都のターゲットエリアについての土地勘がないととんでもないことになる。
記述の順番が歩く順番とはあまり関係がないのだ。
上記例ですと、北野天満宮から大将軍八神社そして浄土院という記述順で歩くと行ったり来たりとなる。
京都観光するよそ者としては、邪道といわれようとも効率よく、短い時間でよくばってまわりたいのだ。よそ者は毎日京都に暮らしている人々や熱狂的ファンと違うのだ。生きているうちに何度も京都に行けるわけでないのだ。だから、書籍のタイトルである「歩く」というのは、いかがなものかと思う。実際に歩いた息づかいがあまり感じられない。私が思う「歩く」とは、コース取り(これは重要)から道中の景色なども含めたものであってほしいのだ。そう巡礼のようなものである。
だからこの本は、単なる社寺の紹介、解説本であって「歩く」わけでない。著者は確かに歩いたのかもしれないが、記述から感じられるのは社域や境内を「歩いた」のであって、京都の社寺をたどって「歩く」楽しさがちょっと不足している。それとも、この本を読みながら脳内で歩くための本なのだろう。だから地図はほとんどない。しかも、かなり・・・・・・だ。星1つ
でも解説本としてはなかなかにかなりとっても便利だ。住所、電話番号がどーんとあり、営業時間(社寺に失礼か)拝観料(やっぱり営業か?)
ホームページへのリンクも貼り付けている。(リンク切れはどうしようもないけど)星4つ
だったら、索引がほしいところだけど、それはない。書籍目次から飛ぶことができるけれど、アプリ目次には目次しかない。目次に戻るときに使用するという意味なのだろう。せめて、地図からクリックすると説明にとんでほしい。ぱっぱと飛ぶ、それこそが電子書籍の電子書籍たるメリットだと思うから。
でもこれだけの社寺をコンパクトにまとめているのは、たいそう便利だし。微妙でありながらなにかしら見所がある社寺もほぼカバーしている。したがって、現地で使用すると言うよりは、計画段階の社寺解説本だな。星4つ
余談だけれど、もっと詳しく社寺が知りたければ、京都古社寺辞典(吉川弘文館)はすごいです。でも残念ながら紙本。こんな本を電子書籍にしてほしい。 続きを読む投稿日:2014.03.30
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見仏記2 仏友篇
いとうせいこう, みうらじゅん / 角川文庫
感想は見仏記1と同じようなものなので、電子書籍として評価してみた。
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使用機器等、8インチアンドロイドタブレット(yoga)、持ち運びと老眼を勘案して10インチから変更。7インチは無理だ。
まず、書籍には関係ありませんが、readerアプリ、書籍データを外部記憶媒体等…に保存できない。(機器のSONY、readerはできるみたい)こいつは困った。電子書籍の容量はいろいろあるけれども、私の場合は1冊20MBぐらい(自炊も含めて)、今はまだ大丈夫だけど、10冊で200MB、100冊で2GB、なんか不安を感じるのは私だけだろうか。何とか外部記憶媒体(SDカード)にデータ持ってくれないかな。
次ぎに、ページ移動について。基本的に本というのは頭から順番によむので、ぴらりぴらりとめくることができればよいのですが、できれば、一気に目的のページへ飛びたい場合もある。だから、readerの目次がきちんとある書籍はよい。書籍によっては、readerの目次には目次しかなくて、書籍の目次から目的のページに飛ぶものもある。
ところが、この見仏記、注釈についても飛んでくれる。しかも元の位置にもどってくれる。これはいい。注釈へ飛ぶ機能のない書籍もありますからね。自分で必死で注釈を探しですよ。
目次についてもう一つ。書籍目次から飛ぶのいいのだが、戻ってほしいこともある。これも書籍によってまちまち。戻るのもあるし戻らないのも。結局、自分で目次のページをブックマーク。
ネタバレ、見仏記2の「ホモ」話は大爆笑だった。
もしかしたら、このコメント厳重注意かな? 続きを読む投稿日:2014.03.29
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日本の呪い~「闇の心性」が生み出す文化とは~
小松和彦 / 光文社知恵の森文庫
そうだよね、呪いは人間の作り出す妄想だよね
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びっくりした。呪いには、呪う人と呪われる人がいるからその関係が成り立つんだね。当たり前のことなんですけど、ここまできっちり言われてしまうと、そんな事に気づいていなかった自分がはずかしい。
「呪いは…怖いお話だ」、とか、「恐ろしいお話だ」、などと怖い物見たさの期待や、「迷信じみたオカルトのお話だ」「この世にあるはずがない」などと、呪いによる結果がどうこうという部分を取り上げて、否定したり馬鹿にしたりする事なかれ。
小松先生は、「呪い」をこれでもか、これでもかと徹底的に、かつ、フィールドワークも交え、細かく丹念につまびらかにする。その真摯な態度が学術的、堅苦しい文体によって、相乗効果となり、いつのまにやら、ずるずると引き込まれていく。
そして思う。こんな感覚、これなんとなくわかるのは日本人しかいないよね。これぞまさしく、日本の文化だ。見栄えのよいファンタスィックなものの対極にあるというか、日本人の奥底に封じ込められている、「ひとつの本音」の部分というか・・・・・
堅苦しい文章が苦手な人はたぶんついていけません。かなりコアな人たちが読むべき本です。でもこんな本、私は大好きです。たまりません。 続きを読む投稿日:2014.03.29