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タカスさんのレビュー
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  • ワイルド・ソウル(下)(新潮文庫)

    ワイルド・ソウル(下)(新潮文庫)

    垣根涼介

    新潮文庫

    下巻は一気読み!

    下巻の復讐劇は痛快さを感じられる内容で、物語後半は「この後どうなっていくのか?」と読む手が止まらなかった。松尾、衛藤それぞれが復讐を果たし、心から解放されるシーンは印象的で心に残った。ケイは相変わらずのキャラクターで、貴子とのハッピーエンドまで見れた事に感謝。久しぶりに一気読みした、とても面白い作品でした。こんな本と出逢えるから読書は面白い。

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    投稿日: 2017.06.16
  • ワイルド・ソウル(上)(新潮文庫)

    ワイルド・ソウル(上)(新潮文庫)

    垣根涼介

    新潮文庫

    史実?何処までがフィクションなのか

    前半はブラジル移民、いや棄民の壮絶な物語。戦後日本に移民政策があったことをこの本を通して初めて知った。移民の話自体がフィクションだろうと、ネットで検索したら事実だった事に非常に驚いた。どこからどこまでがフィクションなのかわからないが、読み終わった際には詳しく調べてみたいと思った。上巻後半は現在の日本に舞台を移し、復讐への計画が進められる。どんな復讐劇となるか早く下巻を読みたい!

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    投稿日: 2017.06.16
  • 残り全部バケーション

    残り全部バケーション

    伊坂幸太郎

    集英社文庫

    伊坂幸太郎構成の妙技!

    読み始めは弱気でちょっとズレたお父さんと少しクールでミステリアスなお母さんとそこに交わっていくちょっとバカな悪いヤツという余り好みではない展開と会話劇が繰り広げられ、「今回はちょっとイマイチかなぁ」と思ったが、そこからの各連作短編のストーリーや構成がとても面白く気付いたらあっという間に読了。溝口さんという新たな愛すべきキャラクターが出来てホクホクな気持ちです。 時系列に並べ替えて読んだら、何てことのない話なんだろうけど、この構成の旨さと小ネタや伏線回収も含めて流石伊坂さんだなぁと改めて思いました。

    0
    投稿日: 2017.06.16
  • この闇と光

    この闇と光

    服部まゆみ

    角川文庫

    耽美なゴシックミステリ

    前半の盲目のレイアの物語は始め、どこか中世の時代のような雰囲気を感じるが、読み進めて行くうちにカセットテープやポケットの中の呼び出しベルなど、現代のモチーフが出てきて読み手の「?」を上手く喚起してくる。ネタバレの病院以降はどうしてこの誘拐事件が引き起こされたのか、ダフネや兵士はどこにいてどんな関係性なのかを明らかにしたい気持ちで最後まで読み進めたが、若干消化不良気味。王である父の立場からの物語も読んでみたい。

    1
    投稿日: 2017.06.16
  • 獣の奏者 外伝 刹那

    獣の奏者 外伝 刹那

    上橋菜穂子

    講談社文庫

    またあの物語の世界に

    本編では描かれなかったそれぞれの物語。完結編を読んだ後に、エリンとイアルの2人、ジェシも生まれてからの3人の物語をもっと読みたいなぁと感じていました。その希望が実現して単純にうれしく読み進めました。 物語自体はそれぞれの立場を伴った葛藤があり、ハッピーな内容ばかりとはいかないけれど、だからこそエリンとイアル2人が幸せな描写はとても胸にこみ上げてくるものがありました。

    1
    投稿日: 2016.11.08
  • 微笑む人

    微笑む人

    貫井徳郎

    実業之日本社文庫

    他人のことは・・・

    本を置くスペースが欲しかったから妻子を殺したという、常識では承服しかねる内容を動機として語る仁藤。その動機の真偽と人となりを探る物語。インタビュー形式での内容は話し手それぞれの個性があり、仁藤への感情も様々でとても面白く読み進めることが出来た。この結末も自分としては全く気にならなかったです。

    0
    投稿日: 2016.11.08
  • ダブル・ジョーカー

    ダブル・ジョーカー

    柳広司

    角川文庫

    D機関の別視点

    分量も少なめの短編でライトに読める本作。今回は色々な視点から物語が描かれているのが良かった。結城中佐の万能感を楽しく読める人には本当に良いエンターテイメント作品だと思います。次回作も楽しみ。

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    投稿日: 2016.07.25
  • 向日葵の咲かない夏

    向日葵の咲かない夏

    道尾秀介

    新潮社

    新しいジャンル?!

    あるレビューで今年読んだ本で1位、そしてホラーミステリーとの評判から購入。確かに描写がホラー仕立てのミステリーで、読む手が進んですぐに読み終えてしまった。生まれ変わりがあるファンタジー的な要素も含んだ新しい作品かと思ったが、終盤ミカの正体に気付き、何処までが本当の事なのか知りたい衝動で最後は早足で読了。評判通りのホラーミステリー、いやこれは「狂気」ホラーミステリーだ。

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    投稿日: 2016.05.23
  • 世界から猫が消えたなら

    世界から猫が消えたなら

    川村元気

    マガジンハウス

    どうもノリが・・・

    前から題名とステキな表紙が気になっており、文庫化を機に購入。読みやすいのですが、読み始めから軽いノリがどうも主題と合わないと感じ、また短慮さと既視感ある文章表現が最後まで気になりました。ただ、母親の回想部分は自分の経験ともダブり心動かされました。

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    投稿日: 2015.07.15
  • マリアビートル

    マリアビートル

    伊坂幸太郎

    角川文庫

    グラスホッパーを読んでから!

    久しぶりに伊坂さんの暴力と悪意の塊キャラが登場。王子は初期の作品でよく感じた暴力的で空恐ろしさをまとってる。ストーリー自体は殺し屋どものライトなアクションサスペンス(?)だけど、王子の存在がそれだけじゃない良いエッセンスになっている。『グラスホッパー』の続編で懐かしい名前がちらほら出てくるのもうれしい!

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    投稿日: 2014.02.15