
プラチナタウン
楡周平
祥伝社文庫
明日はそんなに悪くない
サラリーマンが転職するということは、とてつもなくハードルが高い。ただ、各会社で積み重ねてきた経験が、本人が思っている以上に他の職種からみると価値があったりすることも事実だと思う。 考え方、取り組み方、周囲の状況などいろいろあるが、まずは行動すること。そうすれば味方は現れる。道も開ける(こともある)・・・ と思わせてくれる物語。 こんな市長が我が町にもほしい。
0投稿日: 2015.04.02花酔ひ
村山由佳
文春文庫
東京と京都、男と女
あずま男に京女、江戸時代のいい男、いい女を表す言葉と記憶している。 アダルトエデュケーションは、女の立場で書かれていたが、東京の夫婦、京都の夫婦の男女4人それぞれの、心と体のうごめきが、それそれの言葉で書き込まれていく。 その中で、主人公麻子の祖母の発する言葉が非常にいい味で、官能に流されそうな物語を引き締めている。 「人は出会うべき相手にしか出会わない、でも神様はときどき間違えなさる。順番をさ」・・・・・ 松任谷由美がラジオの恋愛相談で話していた言葉を思い出しました。『恋愛に定まったルールはないけど、仁義は守らないといけないと思うよ』 一読をお勧めします。
11投稿日: 2014.09.19隠蔽捜査(新潮文庫)
今野敏
新潮文庫
こんな上司を持ってみたい
公務員であれ、会社員であれ、こんな上司のもとで働いたらおもしろいだろうな、と思わせる主人公の人物設定。 といっても、全く絵空事ではなく、現実社会との折り合いや、問題の乗り越え方に作者の力量を感じます。 ハンチョウシリーズも好きですが、これから先、どのように主人公が警察社会のなかを生きていくか という面で、 こちらのシリーズの方が、気がかりです。
1投稿日: 2014.09.14面白南極料理人 名人誕生
西村淳
新潮社
サービス精神は認めます
南極って、厳しい生活環境で、みんな高倉健みたいにストイックに過ごしていると思っていたけど、結構楽しそう。 ま、これくらい環境やハプニングを楽しむ余裕がないと、持たないのかもね。 昭和基地で発行されている壁新聞が掲載されていて、これも結構面白い。 ただ、サービス精神が多すぎて・・・・少し過度に文章を飾りすぎた感じがします。もうすこし抑えた方が面白いのでは・・・
0投稿日: 2014.09.14雀蜂
貴志祐介
角川ホラー文庫
軽めのホラー
中編仕上げの娯楽小説として楽しみました。 一人称の話の構成と、文中の伏線も、この作家にしては・・・と感じ、結末に大きな意外性はありませんでした。 読み応えというよりも、さらっと読める軽めのホラー 少し長めの短編小説として考えれば、いいのかも。
0投稿日: 2014.04.06アダルト・エデュケーション
村山由佳
幻冬舎文庫
女性からみたSEX
村山由佳の描く女性は、しっかりと自分を持ちながらも、どこか男に いや、男との性行為にのめりこむ自分自身を冷静に見つめている。 気心のしれたいい女と、気持ちよくお酒をのみながらSEX談義をしたような感じ。。 すこし切なさの残る読後感で、僕は好きです。
4投稿日: 2014.03.02微熱デパート
草凪優
微熱デパート
草凪優
双葉文庫
直球勝負
僕にとって神崎京介氏の作風は、少し丁寧過ぎてまどろっこしさがある。 その意味において草凪氏の作品は、テンポと過激さ、女性の描き方がちょうどいい。 この作品も、それぞれの女性とのかかわり方、進行具合がいいテンポで展開する。 目先の気分転換に、軽く読める一品である。
0投稿日: 2013.12.28