
ソードアート・オンライン1 アインクラッド
川原礫,abec
電撃文庫
よくある話と思いきや
ゲームの中に入って、ログアウトできない・・・よくある話かと思ったのですが、これは違いました。 誰がやったのか、そして現実世界に戻るためのルール説明もあります。ちょっと新鮮。 今まで読んでいた仮想世界に入ってしまい戻れなくなる、という話ではほとんどがシステムの不具合とか 意図不明が多かったのに、これには人間の意志があります。そして、この世界での「死」は、現実世界での「死」でもある。復活の呪文も神殿での復活も無し。リアルな仮想現実です。 主人公がどのようにこの世界を生き抜き、そしてヒロインと一緒にこの仮想世界から脱出するのか。 王道とも言えますが、一読する価値はあるかと思います。
0投稿日: 2017.02.14
後宮に星は宿る 金椛国春秋
篠原悠希
角川文庫
星家再興の物語
金椛(ジンファ)帝国では、皇后の外戚は曾祖父母を除いて全て殉死となる。遊圭の叔母が皇后になったため、亡くなった皇帝に崩御したため墓守として埋められるのだ。遊圭は異国の薬師、胡娘の手によって一人、生き延びる。遊圭が以前、助けた娘、明々によって匿われるが、明々は後宮の宮官(女官)として召し上げられ、遊圭は明々に使える童女として後宮に入ることになる。 前半は遊圭の家族の話や、体が弱く専属の薬師がついていたりと、裕福な家族の様子、また体が弱く年相応に見られないことが説明される。そして、体が弱いがため、勉学に励んでいたことも。 後宮での生活は、使用人に仕えられていた遊圭が、使用人のようなこともできるはずもなく、明々の手荒れの薬を作ったり、自分用の薬を作ったりと居場所を作り、やがて後宮の女性たちとも仲良くなったり反目したりしていくが、美貌の宦官の玄月に目をつけられ・・・離れ離れになっていた胡娘との再会があったり、 皇后である叔母の命が狙われるのを阻止したり、正体がばれそうになったりと、ハラハラしながら読みました。遊圭がどんどん男らしくなっていくのが楽しみな反面、後宮でばれないかと心配です。 まだまだ序章のような感じなので、続きが楽しみです。
1投稿日: 2017.02.02
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア7
大森藤ノ,はいむらきよたか,ヤスダスズヒト
GA文庫
ロキファミリアの大ピンチ!
人造迷宮クノッソスに誘い込まれたロキファミリア。 罠に誘われ、分断され、チームはバラバラに・・・フィンが、アイズが、ベートが・・・追い込まれていきます。どうやって、迷宮から脱出するのか、フィンやアイズに妄執する敵にどう立ち向かうのか。離れ離れになったティオネとティオナも活躍。フィンに恋するティオネは大逆転への足掛かり。 大怪我したり、亡くなったり、行方不明(生死不明)でロキファミリアは大打撃です。 ラストでは神々の思惑が複雑に絡み合っていることがわかるのですが・・・ヘルメスは相変わらず食えない奴ですね。 ベル君のステータスも最初にちょっと出てきましたが、外伝に登場することもなく終わってしまいました。 作者のあとがきを読むと、ベル君登場予定がなくなってしまったとのこと。残念ですが、本編での登場を待ちます。
0投稿日: 2017.01.31
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア6
大森藤ノ,はいむらきよたか,ヤスダスズヒト
GA文庫
アマゾネス姉妹の過去が明らかに
蠱毒壺。アマゾネス姉妹はそんな蠱毒壺のようなファミリアで生まれ、育った・・・なんて重い。そして哀しい。 人の心を持てば、心が壊れる。そんな世界で生き延びた姉妹。お互いにお互いを思い、カーリーファミリアを出て、世界を旅をしてロキファミリアに入ってからの、ティオネとティオナ。いつも笑顔のティオナの秘密と、フィンに負けてから恋をして乙女になったティオネ。本編での能天気に見える二人からは想像できない壮絶な過去です。 二人は強い。でも、それはお互いがお互いを必要としているから。 姉妹の絆だけではなく、ほかのファミリア達の陰謀も書かれています。
0投稿日: 2017.01.28
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか11
大森藤ノ,ヤスダスズヒト
GA文庫
英雄への階段は
異端児(ゼノス)編完結。 ベルの選択肢について、ついていくもの反発するもの、様々ですが・・・選択したことに対してのベルの真摯な気持ちに心を打たれます。そして、知人に顔をそむけられたとしても最後までやり遂げようとする思い。 戦闘シーンは圧巻です。ページを捲る手が止まりませんでした。 やはりベルは作られた英雄ではなく、自ら英雄への階段をのぼっていくのが似合ってます。 まだまだ謎は残っていますが、次はダンジョンに戻るとのこと。 途中で神さまがベルのステータスを見て驚いていたのに、そのままミノタウロスとの戦闘・・・ すごく気になります、ベルのステータス(笑) 次巻まで、「待て」なんですかね・・・
0投稿日: 2017.01.28
ローウェル骨董店の事件簿 センチメンタル・ジュエリーの謎
椹野道流
角川文庫
第一次世界大戦後の法医学
骨董店店主の兄デューイと検死官の弟デリックそして幼馴染の刑事エミール。前作で仲直りした兄弟が可愛いですね。殺人事件の被害者とデューイの店に持ち込まれたセンチメンタル・ジュエリーが事件を解決に向かわせます。前作で兄弟が第一次世界大戦で負った怪我と心の傷が描かれていましたが、今回はデューイの心の傷と、戦場が発端の事件でした。前作で登場したアンジェラも出てきてくれて嬉しかったです。が、残念ながらデリックとの恋愛ではなく友人関係になりそうな・・・。まぁ、美人が登場するのは嬉しいです。 テーマは非常に重いですが、それをさらりと読ませるのはさすがです。
0投稿日: 2017.01.22
ローウェル骨董店の事件簿
椹野道流
角川文庫
古き良きイギリス
検視官と骨董店と刑事・・・一見、絡みがなさそうな組み合わせですが、兄弟(骨董店(兄)と検視官(弟))と幼馴染(刑事)とくれば、話は別です。ましてや舞台は英国。骨董品が手掛かりとなったりします。 事件は女優が殺されますが、彼女は元は貴族。女優になりたくて姉妹で家出をし、つましい生活をしながら二人で女優を目指しています。とても仲のいい姉妹なのに、姉が殺されてしまい・・・。 検視官(弟)と骨董店の店主(兄)は戦争がもとで、気持ちの行き違いがあり、お互いわだかまりがあります。姉妹と兄弟の対比も面白いですね。幼馴染の刑事が仲を取り持とうとしますが・・・兄が友人の忘れ形見の子供を引き取ったことで、わだかまりが解けていき、事件も解決へ・・・。 登場人物の描写が上手く、美人姉妹を見たくなりました(笑)童顔な刑事も。戦争が終わっても、傷跡はまだ癒えていない。そんな時代の話です。とても読みやすく、面白かったです。続編が楽しみです。
1投稿日: 2017.01.18
空に響くは竜の歌声(2)竜王を継ぐ御子<電子限定かきおろし付>【イラスト入り】
飯田実樹,ひたき
リブレ
考え方次第
「空に響くは竜の歌声 紅蓮をまとう竜王」の後編です。竜王の伴侶となった「リューセー」ですが、子供を産むのを求められますが、男性として生きてきて、「産め」と言われて納得できず・・・でも、竜王のことを愛しているから、産むことを目的とするのではなく、愛し合いたい・・・結果、身ごもります。竜王一家の子育てと、竜王の周りの人々の愛憎劇が展開されます。ちょっとだけ「「リューセー」の子供たちの話も載っていて、次の竜王の「リューセー」が現れてくれて一安心です。龍聖が異世界に召喚されたあとの守屋家の話も少しだけ垣間見せてくれてよかったです。値段は高いかもしれませんが読みごたえがあり、お勧めできます。
0投稿日: 2017.01.08
空に響くは竜の歌声(1)紅蓮をまとう竜王<電子限定かきおろし付>【イラスト入り】
飯田実樹,ひたき
リブレ
世界観がしっかりしています。
守屋家は竜王と契約し、繁栄と引き換えに印を持って生まれた男子を「龍聖」と名付け、18歳の時に異世界へと送る・・・はずが、いつしか言い伝えも途絶えてしまい、守屋家も凋落し、龍聖も28歳に。恋人もできてプロポーズも考えている矢先に、龍聖は異世界の竜王のもとへ伴侶として呼ばれてしまいます。どうして、竜王の伴侶が日本男子でないとダメなのか。竜王以外は異世界の女性を伴侶としているので、その辺の説明も判りやすいです。龍聖も28年間男性として生きてきて、いきなり嫁になるのは想定外。竜王も自分自身の体調も悪いのに、龍聖に強制しようとはせず・・・。揺れる龍聖の気持ちが丁寧に書かれていて、決断にも納得します。読んでよかった!後編の「空に響くは竜の歌声 竜王を継ぐ御子」も一気読みしました。
1投稿日: 2017.01.08
廃皇子と獣姫の軍旗
田代裕彦,すみ兵
ファミ通文庫
読みやすい
初めての作家さんでした。失礼ながら、期待していなかったのですが、面白かった!第13子第7皇子で皇太子。そして民衆からは英雄という立ち位置から一転、国から追われる羽目になります。主人公は黒狐と呼ばれているほど知略に優れていて指揮官としても優秀、戦闘に関しても腕前は確か。そして研究熱心・・・が生じてちょっと変態チックです(笑)優秀なのに、変態チックなのでちょっとよく判らないキャラになっていて、主人公の行動が読めません(笑)敵であった亜人と呼ばれる獣人の中に身を投じ、自国の兵と戦うことになりますが、戦闘シーンの説明も判りやすく、人間関係も面白い。いろいろ伏線があるようなので、これからどうなるのか楽しみです。モフモフ好きな人はたまらないかもしれません。
0投稿日: 2016.12.27
