
セルフ・クラフト・ワールド 3
芝村裕吏
ハヤカワ文庫JA
ゲームと現実の融合
2巻で登場していた田中翼が現実での主人公。核戦争後、助かった人々がいたが、人数も少なく、救援も望めない。放射線量も高く人類が生き残れる可能性は少ない。セルフ・クラフト内では村や町が謎の消失現象が起きていた。竜の高僧ミンドンは消失現象を解明するためNPCのミエカとともに人類を探す旅にでて・・・。 ここでもやはり恋するAIです(笑) 1巻と2巻で出てきた人たちが再登場。オールキャストです。 ラストはちょっと衝撃を受けました。「絢爛時代」・・・なるほど。ここに繋がるんですね。
0投稿日: 2017.04.15
セルフ・クラフト・ワールド 2
芝村裕吏
ハヤカワ文庫JA
想像以上
全3冊読み終わってからの感想です。 1巻目はゲーム内の話。今回は現実世の話とゲーム内の話ですが、時間軸的にゲーム内は1巻から大分経っているような・・・ 今回の主人公は日本国首相、黒野。そして公設秘書はAI。そう、公設秘書は黒野に恋してます(笑)恋するAIはここにも。 黒野はGENZとも、ワサビとも知り合いです、1巻のその後のGENZの話が出てきますが、会うことはありません。残念。 なぜセルフ・クラフトゲームが日本の運命を握っているのかが判ります。ゲーム内での偶然の産物による生命の進化。時間は現実世界よりも早くに進んでいる。 そして世界は破滅へと向かって行き・・・黒野はセルフ・クラフトへの移住を決意します。 ゲームは異世界へと変化していき、独自の進化を遂げていきます。 セルフ・クラフトゲームでは、軽戦士カトーが眠りから覚め、自分の信念の戦いを始めます。やがて彼は伝説となります。 そして結末は3巻で。
0投稿日: 2017.04.15
セルフ・クラフト・ワールド 1
芝村裕吏
ハヤカワ文庫JA
最初はとまどい
全3冊読み終わってからの感想です。 始まりはゲームの世界。辺境の村から。おまけに最初の登場人物はNPCのエリス。読んでいて、「何これ?」と思いましたがプレイヤーのGENZが現れ、話が動き出します。 この二人がメインでゲームの中だけで話しが進み、セルフ・クラフトゲームの説明もされるのですが、正直1巻目だけでは理解できません。なぜ、セルフ・クラフトゲームが日本の運命を握っているのか。なぜほかの国が戦争(ゲーム内)をしかけてくるのか。 NPCのエリスがGENZに出会い、恋をする・・・恋するAIがこの作品の根底にあるようです。
0投稿日: 2017.04.15
最後の晩ごはん 黒猫と揚げたてドーナツ
椹野道流
角川文庫
そうだ、京都、行こう
今回は京都旅行と遺品整理。 京都料理も観光も楽しいですが、夏神さんが海里とロイドとの別れについて考えていることに、海里が気がつきます。 今すぐではないけれど、いずれくる別れる時が来ることを。 海里が前を向いて将来について考える時期が来ていることがわかります。いますぐではなく、近い将来。 その時、夏神さんとロイドはどうなっているのか・・・ 今回は遺品整理。 ちょっと寂しく切ない話でしたが、最後は海里が亡くなった方を見送って・・・良かった、と思えました。
0投稿日: 2017.04.15
最後の晩ごはん 旧友と焼きおにぎり
椹野道流
角川文庫
誰かがあなたを心配してます
過去を乗り越えようとする夏神さん。できることから一歩ずつ。 海里は後輩の姿を見て、自分の芝居好きを再確認。 前を向いた二人がとても素敵で、ロイドがいい感じに可愛いです。 誰か心配して気にかけてくれる人がそばにいるのは素敵なことです。
0投稿日: 2017.04.09
紅に輝く河
濱野京子
角川文庫
二人の王女
「シューマ平原シリーズ」第三弾。 ファスール王国は神官が宣託を受け王に進言し、王が決定する国。国母の第一王女として生まれたアスタナは災いをもたらす存在として、数日違いに生まれた異母妹のアルマラと入れ替えられる。知っているのは宣託を受けた神官2名と王の3名だけ。 やがてアスタナは男勝りの王女として、アルマラは将来の国母としてふさわしいと言われ育っていく。 シーハンからの留学生としてサルーがアスタナと再会(二人は幼いころ出会っている)し、惹かれあっていく。 ファスール王国の陰謀と飢饉に対抗していくアスタナとサルー。アルマラはサルーへの淡い恋心を自覚しながらも国母となり、そして・・・。 意外や、意外。神官の宣託を受けて政務をおこなっていたファスール王国の変わりようにびっくり。 シーハンの状況やトール国、そしてアインス国の状況が垣間見えます。 罪を犯した人間に甘いなぁと感じるのは私だけなんでしょうか?児童書だから? すんなりの世界に入れるので面白いのですが、なんとなく甘さが目立つので3部作ともに星ひとつ減らしてます。
0投稿日: 2017.04.02
白い月の丘で
濱野京子
角川文庫
民あっての王
「シューマ平原シリーズ」第二弾。 アインスに滅ぼされたトール国の王子ハジュンは、シーハンに逃れ、王子を捨てシーハンの市民権を得ていた。 故国トールの情報収集のため、故郷に戻ることを許されたハジュンは、幼馴染の靴屋の娘マーリィに出会う。 マーリィには自称貧乏貴族のカオリルが通い詰めていたが、カオリルの正体はアインスの第一王子。 滅ぼされた国の王子と滅ぼした国の王子、そしてハジュンを旗頭としてトールを再興しようとする者たち。 カオリルの弱点としてマーリィが狙われたり、国の再興後のの王になるハジュンにふさわしくないとマーリィが狙われたり・・・結構、マーリィは大変です。ですが、王子達はマーリィを守り、国を守ろうと奮闘します。 ハジュンの選択。カオリルの選択。そして、マーリィの選択・・・ ハッピーエンドに近いでしょうけど、決定打ではありませんが、その後の話は少しだけ「紅に輝く河」に出てきます。
0投稿日: 2017.04.02
碧空の果てに
濱野京子
角川文庫
女性の自立心
「シューマ平原シリーズ」第一弾。ユイ国の王女メイリンは父親から、なぜ男に生まれなかったのかと思われるほど聡明で闊達な女性。だが、15歳になったとき、男をたてて一歩退くようにと言われ、婿探しが始まる。 窮屈に感じたメイリンは17歳を目前にして男装して出奔してしまう。向かった先はシーハン。 王が国を統べるのではなく、住民によって選ばれたものが一代限り統治を行うという国。 シーハンではターリ首長と出会い、そして彼の従者となることを決意するのですが・・・。女性は政治に参加できない。 メイリンは男装のままターリに仕えます。ターリの判断を間近で見聞きし、メイリンも成長していきますが・・・他国のシーハンへの謀略に立ち向かい、ターリを支えていくメイリンは生き生きとしています。 ターリとメイリンって約10歳差なんですよね。あとで考えると。ターリのメイリンに対する態度は大人げないなぁと思いますが、メイリンが大人なのか。 そして、メイリンの選択。メイリンは流されているようでちゃんと自分で自分の人生を選択しています。 後日談がちらっと第二弾の「白い月の丘で」に出てきていています。
0投稿日: 2017.04.02
死都日本
石黒耀
講談社文庫
火山大国日本
難しい話が書かれていますが、火山災害を物語形式で書かれているため自然と頭に入ってきます。 とりあえず、火砕流の前にはサージがあり、火砕流の後にはラハールがあることは覚えました。 主人公は火山学者、火山バカ。 噴火から逃げている途中でもついつい、過去の噴火に対する謎解きに夢中になってしまい注意が疎かに・・・、おいおいと突っ込みたくなります。早く逃げて~と。 この本は九州の霧島連山が噴火したという話ですが、火山大国日本としては、どこで噴火してもおかしくありません。 しかも、災害に付け込んで日本を侵略しようとする某国の影があったり・・・ 1000ページ近いですが、一気に読めました。
0投稿日: 2017.03.25
東日本大震災 石巻災害医療の全記録 「最大被災地」を医療崩壊から救った医師の7ヵ月
石井正
ブルーバックス
ようやく・・・
6年過ぎてようやく読めた本です。 あの日、医療の現場で起きたこと、出来たこと、出来なかったこと、データとともに書かれています。 混乱の中、自分たちができることをやる。ただ、それだけのことが、どれだけ難しいことなのか。 東日本大震災以降も地震はおきています。 「その時」が来た時に、自分自身に何ができるのか、自問自答しています。
0投稿日: 2017.03.05
