Canoroさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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楽園のカンヴァス
原田マハ / 新潮文庫
世評ほどの傑作とは...
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20世紀初頭の画家、アンリ・ルソーに焦点をあてた絵画ミステリー。
作中作と現実が少しずつリンクしてくるストーリー展開はなかなか面白かったが、キャラクター設定が類型的で深みに欠けたため、主人公やヒロイン…に感情移入出来なかったのが個人的には少し残念。
「鍵のない夢をみる」と最後まで直木賞を競ったようだが、もう少し作者に筆力があれば、名作になったのではないかと思う。 続きを読む投稿日:2013.10.05
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シンメトリー
誉田哲也 / 光文社文庫
シリーズのファンなら...
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「ストロベリーナイト」シリーズの連作短編。
各編は30分程度で読み終わってしまう分量であり、ミステリーとしての意外性等は期待すべくもないが、このシリーズの登場キャラクター達が好きなら、軽く楽しめる感じ…。 続きを読む投稿日:2013.10.05
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わくらば追慕抄
朱川湊人 / 角川文庫
昭和の懐かしさ満載の作品
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昭和30年台を舞台に、人や物の記憶をたどることが出来る不思議な能力を持った薄幸の少女を妹の目から描いた「わくらば」シリーズの第二弾。
第一作目を読んだのがだいぶ前だったので、最初は登場人物のキャラクタ…ー設定や関係性が今ひとつ思い出せず戸惑ったが、一話目の中盤あたりからは本作の世界観にすんなり入ってくことができ、古き良き時代の昭和に懐かしさを感じながら読み終えることが出来た。
決して甘いだけのストーリーではないし、実質的な主人公である姉が早世してしまうことは第一作目の段階で明らかにされているが、ストーリーの語り部たる妹の生来の明るさのおかげで、湿っぽさがあまり感じられない点も好印象。
姉と同様の能力を持つライバルが出現するなど、少しずつ話も動き出して来ているので、次作以降にも期待。 続きを読む投稿日:2013.10.05
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定年ゴジラ
重松清 / 講談社文庫
戦後の高度成長を支えたサラリーマンへの応援歌
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架空のニュータウン・くぬぎ台を舞台に、定年を迎えたサラリーマン達の「余生」を描いた小説。
作者の実際の年齢よりも遥かに上の世代を主人公として描いたからか、ところどころでわざとらしさを感じてしまったが、…全体としては戦後の高度成長を支えた先輩サラリーマンに対する愛情が感じられ、読後温かな気持ちになれる佳作。 続きを読む投稿日:2013.10.05
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警官の血(下)
佐々木譲 / 新潮社
期待が大き過ぎたのか...
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親子三代にわたる警官の姿を、戦後の昭和史と絡めながら描いた長編警察小説。
終戦直後の警察の成り立ち等がわかる祖父の章はそれなりに面白かったが、大長編の割には全体的にあっさりし過ぎている感があり、正直少…し期待はずれ。
「このミス」で一位となる程の評価の高さの理由が、今ひとつ理解できなかった。 続きを読む投稿日:2013.10.05
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千年ジュリエット
初野晴 / 角川文庫
コメディ色が薄まったのがちょっと残念
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吹奏楽の甲子園とも呼ばれる普門館コンクールを目指す高校生達を描いたハル・チカシリーズの第四作。
今作は、高二の文化祭の話に終始しており、結果として新たに部員や指導者として加わりそうな人は何人か登場しま…すが、吹奏楽部としての活動等はほとんど描かれないため、少し停滞感が感じられました。
また、比較的重いテーマを扱う話が多かったがためか、このシリーズならではのドタバタコメディ感が薄かった点も、個人的には少し期待外れだったかも。 続きを読む投稿日:2014.03.07