ごろんたさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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マンガ家再入門(1)
中川いさみ / モアイ
「長編デビューのために」。マンガ家達の手の内が分かって面白い
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「くまのプー太郎」の中川いさみが、自らのギャグマンガ家歴30年超にビミョーに愛想をつかして、長編デビューを目論み一流マンガ家他に学びまくろうとしている話。
描きもしないのに「マンガの描き方」みたいな…本が好きな自分には、しかも現役ベテランの中川いさみの50台でのリスタート狙い(どこまで本気かは不明(笑))ってことで、買いましたですよ(西原理恵子もマンガ家達と対談してたけど、単なる興味本位の対談&本人の画力が×で、自分的には×)。
インタビューしたのは、以下の人たち。
大友克洋(さすが、一発目に選んだだけはある)
松本大洋(登場人物みたく濃ゆい人かと思ってたけど)
ちばてつや(キャラクターは「近所のちょっと心配な子供」の発見他)
弘兼憲史(シマコーはキャラが薄いから長続き他)
諸星大二郎(「ハッタリ力」の発見他)
松尾スズキ(ギャグとシリアスの境界線!?)
山口晃(まずは自分の直感を信ずべし他)
それぞれマンガ家(演劇作家、画家もいるけど)の手の内が分かって面白いです。そして、普通のインタビューと違って、話し手の言ったことを中川いさみが咀嚼し自分なりに解説(当然、マンガで)してくれるのも楽しいです。それらが自分の何かに役立つかどうかは置いといて(笑)。 続きを読む投稿日:2017.11.30
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夏への扉
ロバート・A・ハインライン, 福島正実 / ハヤカワ文庫SF
今まで読んでなくって、ゴメンナサーイ m(_ _)m
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ハインラインは、ずっと昔にガンダム経由で図書館で借りて読んだ『宇宙の戦士』(モビルスーツの始祖ともいえる、スタジオぬえデザインのパワードスーツが表紙のヤツ)と『人形つかい』ぐらいで、『夏への扉』につい…ては、ここの作品紹介に書かれているぐらいの知識しか持っておらず、「読もうと思えば、いつでも読めるしー」という感じで未読のままでしたー。
でも、マンガ『バーナード嬢曰く』中のSFマニア 神林しおり に背中を押され(笑)、読みましたー。
うぉー、今まで読んでなくって、ゴメンナサーイ。勝手に”短編集の中の1作品”とか思い込んでて(笑)、ゴメンナサーイ(丸々1冊、『夏への扉』です←そりゃそうだ)。まるで「オレ、結構SF映画見てるぜー」とか言ってて、実は「2001年宇宙の旅」を見たことないヤツ、みたいでゴメンナサーイ(笑)。
私が申し上げるまでもなく、不朽の名作です。この本読む前に見た邦画『サマータイムマシン・ブルース』(そこそこ面白い)が、本作のオマージュなタイトルと内容だったことに後で気づく体たらくです。いろいろと、ゴメンナサーイ。 続きを読む投稿日:2017.11.30
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マンガ家再入門(2)
中川いさみ / モアイ
「長編デビューのために」#2、いろいろと興味深い
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中川いさみが自らの4コマギャグマンガ家歴30年超にビミョーに愛想をつかして、長編デビューを目論み一流マンガ家他に学びまくろうとしている話の第2巻。今回も、いろいろな売れっ子、一流どころを捕まえており、…興味深いです。
伊藤潤二(ホラー漫画を学ぶ)
一色まこと(イラストレーター->ガチ独学で漫画家へ)
鴻上尚史(“不条理”がある時代をきっかけにウケなくなった話とか)
東村アキコ(超売れっ子の創作の秘密、というか日常)
古屋兎丸(「コマを割れる勇気がなかった」話とか)
三宅隆太(“スクリプトドクター”って商売、あるんだ)
まぁ、いきなりビジネスとか何かの役に立つ話とかではないですが、創作活動の根っことか、売れっ子が売れっ子たるゆえんとか、なんとなーくわかります(それを中川いさみが咀嚼&自分なりにマンガで解説も面白い)。
でも中川いさみ、一流どころに聞くだけ聞いて、チミの長編マンガ家デビューまでのマイルストーンがちっともないぞ!(笑)
続きを読む投稿日:2017.11.02
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火花
又吉直樹 / 文春文庫
意外とココロにやさしいお味
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勝手に「お笑い芸人徳永とナイフみたいな先輩神谷のキツめのお話(それこそ「火花」というタイトルからも)」と思っておりましたが、作者又吉さんのすべての者に向ける愛情もあって、意外とココロにやさしいお味でし…た。ラストもよかったと思います。
(読んでて、私の脳内では勝手に、徳永=又吉、神谷=千原ジュニア になってしまっていたのは、自分でもどうかと思いました(笑)) 続きを読む投稿日:2017.10.07
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大砲とスタンプ(6)
速水螺旋人 / モーニング・ツー
残念な空想兵器達(笑)+突撃タイプライターさんとその仲間達6
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今はやりの”残念な〇〇シリーズ”の先駆けとも言える!?「残念な空想兵器達」(毎話登場)+”突撃タイプライター”こと兵站軍マルチナ中尉とその個性豊かすぎる仲間達のお話も第6巻!!
今回もマルチナ以下、…いろいろとブッ飛ばしてます(コスプレ回とか(笑))。この巻では、憲兵隊のスィナン中尉があんまし暗躍してなかったなー。 続きを読む投稿日:2017.09.24
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失敗の本質
戸部良一, 寺本義也, 鎌田伸一, 杉之尾孝生, 村井友秀, 野中郁次郎 / ダイヤモンド社
戦史研究書としては面白い。でも、ビジネス向けとかではないなー
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この本、興味があって、また職場の人が薦めていたので読みました。
旧日本軍の作戦のうち、大失敗(大敗)に終わった6つの作戦への緻密で冷徹な分析から、失敗の原因とそれを生み出した旧日本軍の体質にメスを入…れ、今を生きる我々にも役立つ教訓をも導き出そうとしています。
ノモンハン事件(「事変」って言わないんだ)やインパール作戦とか、子供の頃からそこそこ戦史好き(というかWWⅡ兵器好き)だった自分には、それぞれが結構とんでもない話(作戦自体が合理性を欠く)だったんだなーと、戦史研究書として興味深く読みました。
ここでも「旧日本軍の精神絶対論+戦う相手を軽視+空気を読む体質」VS「連合軍の徹底的に合理的な作戦立案、連携、実行」という話を”これでもかっ!!”というほど見せつけられます、うーん。でも旧軍の現場の下士官と兵卒達には、連合国軍側も畏怖と畏敬の念を抱いていたとのこと。やっぱ、軍も企業も、TOPと重役達がしっかりやってないとダメなんですね、現場が頑張っていても。
しかし、少々話が長い。私が勝手に「ビジネスにも通じる失敗学本」的な買い方をしてしまったこともあり、面白かったけど、ビジネス用にだったらそういう本の方がいいかと。 続きを読む投稿日:2017.09.24