
よろずのことに気をつけよ
川瀬七緒
講談社文庫
法医昆虫学シリーズから
法医昆虫学シリーズを全部読んでしまったので、同じ著者の江戸川乱歩賞授賞作を読んでみました。 結果、面白かった!一晩で読んでしまいました。 元々、北森鴻さんの連杖那智シリーズで民俗学プラスミステリーとでもいう分野が好きになったのですが、残念ながらお亡くなりになってしまい…。 民俗学それも呪いという分野で掘り下げたミステリー、堪能しました。連杖那智シリーズはもう続編が望めないですが、「よろずのことに…」の登場人物で、是非ともシリーズ化してほしいです!
1投稿日: 2018.03.18妾屋昼兵衛女帳面八 閨之陰謀
上田秀人
幻冬舎時代小説文庫
これで終わり?
この作者の著作はこのシリーズが初めてなのですが、八巻続いた物語がこのようにブツッと終わるのは定番ですか?そう感じるのは私の読書力が低いのか…。 とても面白かったので、文句はないのですが、なんか座りが悪い。どうか広げた風呂敷をたたむ新巻を!伏線の回収を!
0投稿日: 2018.02.20マリアビートル
伊坂幸太郎
角川文庫
エンターテイメント?
久しぶりに伊坂幸太郎の作品を読みました。 小さな子供がいるので(いや、いなくても)木村の息子のエピソードは、可哀想で可哀想で、他人事じゃない気持ちで切なく悲しく、胸がムカムカと気持ち悪くなりました。だからこそ、いつもの伊坂作品のように最後にスカッと勧善懲悪で終わらせて欲しかったけど… スッキリしないよ!一番の悪が中学生だからハイ、殺しましたって訳にもいかないのかもしれませんが。 初期の頃は、散りばめられた(伏線と気付きにくい)伏線が最後に回収されていくのが非常に気持ち良かったのですが、読みすぎたのでしょうか、だいたいの伏線がぷんぷん匂うようになり、やっぱりそうくるよね、という予定調和な感じ。こんな性格の悪い読み手がいるから、いかにもな「鍵」のダイイングメッセージは肩透かしにしたのかな。
0投稿日: 2016.07.13創価学会と平和主義
佐藤優
朝日新聞出版
日本はまだ平和国家だと安心できた
集団的自衛権は、とにかく悪だ、平和の放棄だというヒステリックな論調が溢れていた当時、疑問に感じていた事について良く判った。著者は平易な言葉で、ヒステリックな視点では見えない事を教えてくれる。 創価学会に対しても、これまたヒステリックな拒否反応を示す人が多いけれど、キリスト教の熱心な信者である著者の、冷静かつ温かい視点は、これまでと違う創価学会の印象を私にもたらしてくれた。 日本が全世界に胸を張って訴えていくべき日本らしさとは何か。「創価学会と平和主義」というテーマではあるけれど、それ以上に大きな日本論でもあると思う。これからの日本を背負う若い世代に読んでほしい。
1投稿日: 2015.05.23その女アレックス
ピエール・ルメートル,橘明美
文春文庫
推理小説読み込んでる人はハードル下げて読みましょう。初心者にオススメ
賞や評価の高さに期待しすぎて、ハードルが上がってしまったと思う。期待せずに読んだらもっと楽しめたかも。 確かにたくさん伏線張って、それなりにどんでん返しはあるけど、推理小説を読みなれてる読者にはそんな驚きはない。だいたい想定内というか。 1章のネズミとの攻防シーンは異色でかなり引き込まれて読んだが、後半にかけて謎解きがやや雑でスッキリしたカタルシスは得られなかった。 少し古いけど、ミレニアムの方が好きです。 ただ、この手の物を読み慣れてない方はかなり楽しめるのではないでしょうか。
3投稿日: 2015.04.01