hungrybookwarmさんのレビュー
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その女アレックス
ピエール・ルメートル, 橘明美 / 文春文庫
推理小説読み込んでる人はハードル下げて読みましょう。初心者にオススメ
3
賞や評価の高さに期待しすぎて、ハードルが上がってしまったと思う。期待せずに読んだらもっと楽しめたかも。
確かにたくさん伏線張って、それなりにどんでん返しはあるけど、推理小説を読みなれてる読者にはそんな…驚きはない。だいたい想定内というか。
1章のネズミとの攻防シーンは異色でかなり引き込まれて読んだが、後半にかけて謎解きがやや雑でスッキリしたカタルシスは得られなかった。
少し古いけど、ミレニアムの方が好きです。
ただ、この手の物を読み慣れてない方はかなり楽しめるのではないでしょうか。
続きを読む投稿日:2015.04.01
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創価学会と平和主義
佐藤優 / 朝日新聞出版
日本はまだ平和国家だと安心できた
1
集団的自衛権は、とにかく悪だ、平和の放棄だというヒステリックな論調が溢れていた当時、疑問に感じていた事について良く判った。著者は平易な言葉で、ヒステリックな視点では見えない事を教えてくれる。
創価学会…に対しても、これまたヒステリックな拒否反応を示す人が多いけれど、キリスト教の熱心な信者である著者の、冷静かつ温かい視点は、これまでと違う創価学会の印象を私にもたらしてくれた。
日本が全世界に胸を張って訴えていくべき日本らしさとは何か。「創価学会と平和主義」というテーマではあるけれど、それ以上に大きな日本論でもあると思う。これからの日本を背負う若い世代に読んでほしい。
続きを読む投稿日:2015.05.23
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犯罪者【上下 合本版】
太田愛 / 角川文庫
すごいすごいすごい!
1
ミステリ全般読み漁り、大抵の謎もどんでん返しも驚かないが、この作者の力量には驚かされた。
謎もスリルも社会の闇も人間も青春も友情も家族も、とにかくてんこ盛り。だけど全部描ききってる。
こんなに詰め…込んでるのに、テンポはいいし凭れない。安易なご都合主義を感じる暇もなく、一筋縄ではいなかい展開。嫌味のない、飾りすぎない文体、しっかりとした文章力。
とにかくストーリーが面白いし、人間も魅力的。エンターテイメントだけじゃなく、つらくとも生きよう、と思わせてくれる。
とにかく、この作品と作者に出会えて良かったと久々に感じた。
シリーズ化されてるとのことなので、次を読むのが楽しみで堪らない。
忘れた頃、再読したい。 続きを読む投稿日:2021.02.09
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よろずのことに気をつけよ
川瀬七緒 / 講談社文庫
法医昆虫学シリーズから
1
法医昆虫学シリーズを全部読んでしまったので、同じ著者の江戸川乱歩賞授賞作を読んでみました。
結果、面白かった!一晩で読んでしまいました。
元々、北森鴻さんの連杖那智シリーズで民俗学プラスミステリー…とでもいう分野が好きになったのですが、残念ながらお亡くなりになってしまい…。
民俗学それも呪いという分野で掘り下げたミステリー、堪能しました。連杖那智シリーズはもう続編が望めないですが、「よろずのことに…」の登場人物で、是非ともシリーズ化してほしいです! 続きを読む投稿日:2018.03.18
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幻夏
太田愛 / 角川文庫
ある種の理想型
0
シリーズ前作「犯罪者」ですっかり虜になってしまった。
前作では息もつかせぬスピード感、誰が生き残り誰が死ぬのかとハラハラし通しだったが、今作品は謎解きの牽引力はそのままに、だか一味違う切なさがある。…
base~あの夏を忘れない、や、井上陽水の少年時代を聴くと沸き上がる郷愁、二度と戻れない子供時代の儚さ…
推理小説の中に切なさを封じ込めた、私にとってある意味理想的な小説だった。
もちろん、冤罪の構造的な問題など硬派な社会的テーマも抜きがたく主題となっている。 続きを読む投稿日:2021.02.10
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うせもの宿(3)
穂積 / 月刊flowers
いい話だけど短い
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とても面白かったです。ほんの少ーーしミステリ風味、どんでん返しという程でもないけど、ちょっとした仕掛けが楽しい。内容的に楽しいというのは語弊があるけど…
でも、3巻に分ける必要ある?短い。1巻で充分…。久しくコミックなんて読んでなかったから、こんなものなのかな。
この方の作品は、絵がきれいで表現も抑制が利いていて読んでいて心地よいです。
でももう少し濃厚に描き込んでくれてもいいと思う。あの人とあの人の…頃のエピソードとか1巻分ぐらい。そしたらもっとグッとくるのになー。 続きを読む投稿日:2018.08.15