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ファイエル元帥さんのレビュー
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  • 黙の部屋

    黙の部屋

    折原一

    文春文庫

    よくできてる

    実在の画家の作品を使って物語を作り上げるとは本当に驚きました。読み終わってどれが事実でどれがフィクションなのかと登場人物や画廊を調べてしまいました。 前半は特に事件めいたことはなく、また個人的に美術界に興味を持っていなかったこともあり、石田黙の手がかりが見つかる半分くらいまでは少し退屈でしたが、叙述トリックへ誘う後半からは盛り上がり、登場人物とエピソードを整理するために図を書いたり、戻って読み返すこともありました。 一つ一つの絵について、創作中の背景や心境が、登場人物を使って書かれているのですが、それもまるで本人の後日談かのようにうまく書いてあるなぁと感じました。絵画の解説本や評論を見ずに書いていたとしたら2度驚きです。

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    投稿日: 2021.02.07
  • ずっとあなたが好きでした

    ずっとあなたが好きでした

    歌野晶午

    文春文庫

    すごい。

    私は今まで読んだことがないタイプの本でした。これまでとどう違うのかはかここには書けませんが、感心させられます。 しばらくは話し上手な人のおもしろ体験談的な小噺で、正直「どこに読み返す要素あるのよ?」という印象です。途中から「もしかして⁈」となります。それが予想通りだったとしても十分楽しめます。話の方向性も前向きで好きでした。 最後の解説(先に読んではいけない)で制作の過程を知って二度感心しました。すごいです。 ちなみに殺人が次々と起こるようないわゆるサスペンス・推理小説ではありません。

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    投稿日: 2021.01.17
  • 体育館の殺人

    体育館の殺人

    青崎有吾

    東京創元社

    謎解きがやや苦しいか

    学校を舞台にした殺人事件で、全体的には面白いと思います。 他の推理小説と比べると謎解きに少し無理があるかなぁと感じたのと、主人公のカリスマ性をもう少し盛り上げてもよかったかなと感じました。おそらく、金髪で素行の悪い生徒がいるような高校に、テストで全科目満点をとる生徒もいる違和感とか、大学ならともかく高校で学校に住んでいるとか、”無いな”と感じてしまう設定がカリスマ性を弱めているような気がしました。

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    投稿日: 2020.12.19
  • 行動経済学まんが ヘンテコノミクス

    行動経済学まんが ヘンテコノミクス

    菅俊一,高橋秀明,佐藤雅彦

    マガジンハウス

    ボリューム不足かと

    内容は面白いですが、読み応えはないですね。 ボリュームと価格が見合ってないです。

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    投稿日: 2020.12.01
  • 掘割で笑う女 浪人左門あやかし指南

    掘割で笑う女 浪人左門あやかし指南

    輪渡颯介

    講談社文庫

    内容紹介で期待しすぎたかも

    前半に幾つも出てくる幽霊のエピソードが退屈でした。別段怖いわけでもなく、町の噂として紹介されていて、これらが後の謎解きの布石でもあるので必要だったのでしょうけど。また暗殺が起こる時代にする必要があったせいで、江戸時代だったようですが弊害で言葉遣いや単語など読みにくい印象も受けました。最後の謎解きは良かったです。

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    投稿日: 2019.01.14
  • カラスの親指 by rule of CROW’s thumb

    カラスの親指 by rule of CROW’s thumb

    道尾秀介

    講談社文庫

    途中の小噺がなかなか良いです

    詐欺師とか闇金という世界の設定ですが、親子愛というか、胸を熱くさせるような話でもあります。 思わず笑って声が出たのは、張り込み中の便意の話でした。信じるとこでした。 ちょっと設定に無理があるかなぁというのと、感情を煽るためだと思うのですが、これは必要だったのかなぁと感じるところがあり、それが気になって結論に共感できなかったので星3にしました。

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    投稿日: 2019.01.13
  • ○○○○○○○○殺人事件

    ○○○○○○○○殺人事件

    早坂吝

    講談社文庫

    面白い

    面白いと思います。タイトル当ての事は読んでいるうちにすっかり忘れており、後で当てる事はできましたが、感動はなかったです。もし始めからそのタイトルがついていたら、つまらなそうで買ってなかったと思います。 途中にヒントの章かある、思わぬ人物が謎を解くなど、これまでにない構成でした。事件数少なめで登場人物も複雑でなくテンポよく読めました。旅行記っぽい部分よりは事件が起こるドキドキ感がもっと欲しかったです。

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    投稿日: 2019.01.07
  • ハサミ男

    ハサミ男

    殊能将之

    講談社文庫

    主人公のその後も知りたくなる

    叙述トリックものが好きで読みました。なんとなくこうかなぁと想像しながら楽しめます。少ない登場人物でうまく展開されていて、各所の布石もきちんと回収されていきます。 後半は期待通りの展開でしたが、"わたし"の自分への描写に騙されました! ないと思いますが、仮にそれから数年後を描く続編があればどう展開するんだろうと想像するのも楽しいです。

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    投稿日: 2019.01.07
  • 機巧のイヴ(新潮文庫)

    機巧のイヴ(新潮文庫)

    乾緑郎

    新潮文庫

    発想は面白いですが拍子抜けの感じ

    はるか昔に見分けがつかないほどの機巧人間がいたというSF的発想が気になって読んだのですが、ツッコミどころも多いし、クライマックスに向けてあまり盛り上がらなかったです。あぁそうだったのかと後で思わせる伏線などは細かく設定されていてすごいと思いました、もしかして連載されていたのか、何度も既出の説明が蹴り返されてるのが気になりました。

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    投稿日: 2018.12.03
  • 眼球綺譚

    眼球綺譚

    綾辻行人

    角川文庫

    綾辻さんにしては...

    最後の眼球綺譚はまあまあ、他は別の作者かもと思うほど、あれ?っという感じ。館シリーズなどとは違う印象でした。

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    投稿日: 2018.11.04