momotaさんのレビュー
参考にされた数
65
このユーザーのレビュー
-
火星年代記〔新版〕
レイ・ブラッドベリ, 小笠原豊樹 / 早川書房
ブラッドベリと言えば、これ
3
これなくしては語りようのない、ブラッドベリの代表作です。
未来SF小説ですが、1999年1月の出来事から始まります。
地球では、第1次 火星探索隊が出発。 しかし、帰還せず。
そして、第2次 探…索隊も行方不明となり
2000年4月に第3次 探索隊が...
ようやく、読者には何が起こったのかが分かりますが
この隊も行方不明になり、地球は未だ何も知りません。
2001年6月、第4次火星探索隊が着陸した火星は...
同年8月、第1次 火星移住者のロケットが到着して
以降、町が建設され、子供が生まれ...
最後の記述は 2026年10月、
その時、地球人が見た火星人とは... ?
銀色に輝くロケット、遥かな宇宙に
人間は何を夢見て求め、何を見、そして何を知るのか?
ジャンルは SF, しかし
悲しく優しく美しく、叙情的ですらあります。
日本語翻訳本でも、色や音、風や水も感じられる
豊かな表現に魅了されます。
(私が読んだのは、旧版です) 続きを読む投稿日:2014.04.30
-
お金に困らない人生を送るための親子で学ぶビジネススクール
小野秀司 / ゴマブックス
不登校の子供に
3
特に eコマース について説明した本です。
文章は 子供でも解るように書かれていますので、親子で読んで、
一緒に 「インフォプレナー」 体験するのも、いいのではないかと思います。
自宅で、年齢・資…格も関係なく、手軽に始められますし、もしかして
不登校で自宅に引きこもりでも、インフォプレナー として、情報を求めて
外に出る切っ掛けになるかも知れません。
この本の残念なところは、最終部分の 「著者のビジネス」 の宣伝が、
「いかにも、宣伝」 な印象を、かなり強く与えてしまうことです。 続きを読む投稿日:2014.11.25
-
思考の方法序説
宮川俊彦 / 毎日新聞出版
体は小さいが、中身は充実
2
この本、Sony reader の文字拡大機能に対応していません !
文字が小さ過ぎて、疲れます... なんとか頑張れば読める程度です。
それでも、内容は、濃くて、面白くて、満足 !!! です。…
視点の位置, 距離, 角度の変え方、情報, 知識, 予測, 想像の使い方,... などを、
42の鉄則と、童話や身近な品々を用いた例題で, わかりやすく、そして何より、
なるほど~の面白さで、解説してくれます。
例えば、「赤ずきんちゃんがオオカミに食べられたのはなぜか。」,
「一寸法師はなぜ大きくなりたかったのか?」
「1つのリンゴを3人で仲良く分けるには?」 ... という具合です。
適宜に挿入されている コラム, 練習問題も、いいです。
練習問題と言っても、さして堅苦しくありません。 童話で学んだ思考法を
ちょっと身近な問題に置き換えて、考えてみよう ! という感じです。
論文, 報告書, 企画書を書く人にお薦めです。
これを読んでも、(目以外は) 疲れません !! 続きを読む投稿日:2014.12.08
-
クララ白書I
氷室冴子 / 集英社コバルト文庫
純粋で一生懸命な中学生コメディ
2
以前は、人気イラストレーター 原田治さんの表紙で
それがきっかけで、読んだのですが、すっかりハマってしまいました。
同時期に女子寮に入った3人...
主人公の 「しのぶ」 は、いったって平凡です…が、どこか人好きのするタイプです。 が、あとの2人は、強烈に個性的!
で、このバラバラ感が、ゴタゴタ感になって、なんとなく、どうにか、まとまっている感が、面白いところです。
当時の女子中学生の、女同士の ヤキモチやら、憧れやら、いろいろ盛り沢山なところも、賑やかで楽しいです。 続きを読む投稿日:2014.12.20
-
新装版 ぼくらの時代
栗本薫 / 講談社文庫
rosso さんに 1票
2
私の前に書かれた rosso さんの レビュー を読んで 「本当に、そうだ!」 と思いました。
誰が犯人なのか、なかなか分からず、最期に納得する... 正に良質ミステリーです。
安保問題, 沖縄…返還問題などを熱く語り合い、デモ・闘争、そして最後は過激派まで生んでしまった混乱の時代の後に書かれた小説と思うと、 軽快な文章・展開とは裏腹に、この殺人ミステリーの心理は深い気がします。
現代の若者が読んでも、犯人と殺人を犯した事情, 理由に納得しますか?... 例え納得しても、犯罪を犯してはダメですけれど...。 続きを読む投稿日:2014.10.03
-
避暑地の猫
宮本輝 / 講談社文庫
誰が、その猫なのか ?
2
軽井沢の高級別荘で住込みの番人を務めていた一家の息子 (修平) が、第一容疑者として警察から追われ続ける 「殺人・放火事件」 ... 主人夫婦と長女, 修平の両親が死亡した陰惨な事件の背景に何があっ…たのか ?
高級別荘地での出来事... 行方不明になった懸賞金付きの猫, 数匹の蛇がうねるような抜道の地図, 淡い性の芽生え,... などが巧みに盛り込まれ、修平が過ごした避暑地の風景と、その裏でうごめく陰の部分が頭の中でリンクします。
内実は、警察や読者の想像以上に陰惨です...
そして、タイトルも巧妙です。 「避暑地の猫」 とは、いったい誰のことを指しているのか ? 続きを読む投稿日:2014.09.15