創作者の体感世界~南方熊楠から米津玄師まで~
横道誠(著)
/光文社新書
作品情報
文学や芸術作品には、およそ一般的な身体感覚から遊離した表現が多く見られる。それらを読み解く鍵は、発達障害につうじる特性が握っていた? 「天才」とされる創作者の仕事に触発されて、発達障害を診断された著者の経験するさまざまな「感」が立ち現れていく。かつてなく「当事者」が増えたこの時代に、「わからない」「理解できない」と否定されるものを捉え直す。「障害」の意味を肯定的に読み替える「当事者批評」実践の書。
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この作品のレビュー
平均 4.7 (4件のレビュー)
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作家や芸術家を深く知ると「この人はもしかして発達障害だったのではないかな」と思うことがよくある。
発達「障害」、発達障害の「診断」という言葉には抵抗があることは言っておく。「障害」という言葉には定型…発達者の傲慢が感じられる。あくまで脳のクセのようなもので、病気ではない。だから「診断」するものでもない。ただ今のところ「発達障害」という言葉しかないので仕方なく使う。
だからこの本が出て、目次を見たとき、南方熊楠、宮沢賢治、石牟礼道子らには「やっぱりそうか」と思ったが、小津安二郎や与謝野晶子などは「えっ、そうなの?」と感じた。発達障害の当事者である著者なので、もちろん私なんかよりその視点は鋭いわけだから、私が気づかなかったのだろう、と思いながら読み始めた。
はじめは「ほうほう、そうかそうか」と読んでいたのだが、だんだん、自分も含め、大抵の人にはこういう傾向があるよな、と思うようになった。
もしかして私も発達障害かも、とチェックリストを確認すると、ASDにはわりと当てはまる。
読み終わって、発達障害的傾向は誰にでもあり、まさに「スペクトラム」で、切り分けられるものではないと感じるに至った。生きていくのが辛すぎるほどその傾向が顕著な場合「障害」認定するというだけ。(辛さを与えているのは私たちなのに、「障害」とするなんておかしいとは思う。)歴史に残る芸術家や作家は自分の作品に対するこだわりが尋常でないから名作になっているわけで、そういう人達に発達障害的なものがあるのは当然である。
著者は当事者だからその特性を敏感に感じるし、より心に響くのだろう。
そして、この本に取り上げられた人々は、当然著者の好きな作家やアーティストなのである。当時は分からなかったけど、この人は発達障害だったでしょう、なぜなら…、という本ではない。だったら最果タヒや米津玄師ら現代の人を入れなくても良いのだ。あくまで当事者としてこの人のこの表現にグッときた、ということ。そしてその理由を当事者と研究者の視点で解説してみた、という本。
私なら水木しげるやグレン・グールド、エミリ・ディキンソン、バルトーク、アンデルセンなんかを入れるなあと思ったが、それはそれらの人々が好きだから。
定型発達ってなんなんだ。全てが定型発達の人もいないじゃないか。全て定型発達だったら、この世は面白くもなんともない。極めてつまらない。そもそも発達障害の人達の生き辛さを緩和することは、発達障害の人だけが得することではない。
生き辛さが芸術や研究成果に昇華された、と美談にしないこと。続きを読む投稿日:2024.04.01
南方熊楠の歴史的検証に触れて他の批評に興味を持ち。
大凡は名前を存じている作家群を、発達障害の当事者批評として読み解くといったもので
一部「名前だけは」といった対象については肉付けとしての批評が覆い…かぶさり、それ以外でも牽強付会に過ぎないかといった面もあるが
文芸・サブカル批評の一つの指針としては興味深い。続きを読む投稿日:2024.03.24
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