ドエクル探検隊
草山万兎(著)
,松本大洋(画)
/福音館書店
作品情報
時代は1930年代。小学校を卒業したばかりの竜二とさゆりは風おじさんの家へ招かれる。動物の言葉がわかるおじさんの家には、神代に祖先をもつ個性豊かな動物たちが一緒に暮らしていた。ある日、この一家のもとにアンデス山脈にいるズグロキンメフクロウから手紙が届く。危機を知らせる差し迫った内容に、さっそく探検隊が結成され、一行は南米ペルーへと向かう。それは太古に巨大哺乳類が絶滅した謎に迫る大冒険の始まりだった。
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この作品のレビュー
平均 3.3 (7件のレビュー)
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児童書なので、大人がどうこう言うのもアレなんだが、暗い。ダークファンタジーではなく、隠ファンタジーという感じ。図書館で平置きスペシャル棚にあったのが目につき、装丁の立ち耳白犬にめちゃくちゃ引かれて借り…た。
装丁についている概要は、
「時代は1930年代。小学校を卒業したばかりの竜二とさゆりは風おじさんの家へ招かれる。動物の言葉がわかるおじさんの家には、神代に祖先をもつ個性豊かな動物たちが一緒に暮らしていた。ある日、この一家のもとにアンデス山脈にいるズグロキンメフクロウから手紙が届く。危機を知らせる差し迫った内容に、さっそく探検隊が結成され、一行は南米ペルーへと向かう。それは太古に巨大哺乳類が絶滅した謎に迫る大冒険の始まりだった。」
あらすじからは『ドリトル先生アフリカ行き』まるぱく的な『風おじさん南米行き』、という感じの印象を受けた。物語の序盤はモロドリトル先生和風変換。そしてキャラクターも大変素晴らしい。八咫烏のタケツノ、聖徳太子の愛馬の直系子孫5代目の黒駒、聖徳太子の愛犬6代目の雪丸、ニニギノミコトが高千穂の峯に天孫降臨したときに案内した猿田彦の遠い子孫ヒーコ(字名はキッキー、猿田彦が猿だったというのは酷い)、金太郎と相撲をとった熊の何代目かの足柄熊左衛門助ユウザ、サンコウチョウのベルカハヤ、タヌキのポンピーノとポンピーナ夫妻、イタチのゴッペ、ボノボのマーマン、ノウサギのチョウジなど。風おじさんは白犬雪丸に動物言語を教わってそだてられたので動物と話できるという、まさにドゥーリトル(笑)。が、しかし、最初のキャラ設定は面白いのだが、物語が動き出すと、うざいほどホラ吹きホラジ(ニホンカワウソ)とキッキー(ニホンザル)ばかり描かれて、げんなりする。人間3人も今ひとつ印象薄く、地味。そして、悲惨。出てくるキャラの多くが辛く悲しい体験をもっていて、それを披露して、可哀想ね、、ってしんみり暗い気分になっていく。闇落ちするわけでなく、それがどうってわけでもなく。南米に行っても、ご都合な移動や設定は多々あるが、冒険少なく、単に忍耐勝負的な、最後も延々と辛く悲しい思い出話と、多分辛い未来になる2人の訳あり孤児が現実に戻るというイニュエンドゥ、やりきれん、、。夢オチでなかっただけ、ありがたいが。就職直前で短い置き手紙だけで突然居なくなり(しかも養父母宅)、南米で長期にわたり過ごし、するっと帰宅して元の生活に戻れるものだろうか?(無理)。関係者各位への迷惑度もすごいと思うが、、。とはいえ、夢落ちならぬ異世界落ち(言及していないので個人的な妄想)で、時間的には1分ぐらいしか経ってないとか、そういうのかもしれない。
伏線回収もないし、なんというか、フィールドワークでお年寄りのまとまってない思いつくままに話てもらった戦争体験を聞いている気分になった。別に変わった動物がでてくるわけでもなく、バトルシーンもナニだし、風おじさんがいまいちキャラ弱く、行動も、ほんと100年前の博物学的で(設定が昭和初期なのでそれでいいんだが)、今の子供向き??令和ファンタジーなのでもう少し現代に寄せたところがあっていいのでは?と、思わんでもない。最初にドリトル先生を連想させたのが敗因かもしれないが、私のようなドリトルガチファンでもない、未読の人が読むと楽しいのかもしれない。
童話ってこんなに読むのしんどかったっけ?と、疲れた作品でした。
北米大陸に住む
野生のキンメフクロウって
見る機会が少ないんだが、
なんせ、ものすんごく小さいうえに
昼に寝る場所は
超もじゃもじゃ好きなので、見つけづらい。
人間をクチバシで殺せるほどの
キンメフクロウが出てくる童話
ていうか、童話とはいえ
猛禽の武器は爪であってほしい。
クチバシで攻撃って、ないわー
(超個人的な感想です)
挿絵は素敵でした。続きを読む投稿日:2022.07.22
表紙と挿画を「鉄コン筋クリート」や「ピンポン」などを描いた漫画家の松本大洋が(何故か)担当していて、書店の児童書コーナーで妙に目立っていた本。以前から気になっていたので読んでみた。
著者の草山万兎は…、本名を河合雅雄という1924年生まれの霊長類学者。児童書の著作は他にもあるそうだ。…が。
内容は、モロ、「ドリトル先生航海記」+「失われた世界」+「ソロモンの宝窟」を、10で割ったくらいの味わい。それでも700ページの大作だ。すごい。
主人公(?)の竜ニとさゆりは著者の写し身らしく、12歳。だから物語の時代設定が1935年になっているのだろう。
"真面目な学者さんが憧れのファンタジーを書いたんだなぁ"というのが正直な感想です。続きを読む投稿日:2024.03.06
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