統合失調症の一族 遺伝か、環境か
ロバート・コルカー(著)
,柴田裕之(訳)
/早川書房
作品情報
自分をポール・マッカートニーと思いこむ9男、修道士のようにふるまう長男……
12人の子供のうち6人が統合失調症に
彼らに何が起きたのか? 精神医療史の画期をなした一家の驚きの記録
【本書概要】
第二次大戦後、ギャルヴィン一家は空軍に籍を置く父親の都合でコロラド州に移り住む。ベビーブームを背景に12人の子宝に恵まれた一家だったが、1970年代半ばには子供のうち6人が統合失調症と診断された。厳格な父母によって育てられた容姿端麗で運動能力の高い息子たちは、なぜ次々に精神疾患に見舞われたのか?
一方で、サイコセラピーと抗精神病薬による療法が主流だった当時、遺伝的側面から統合失調症の原因究明や治療・予防法の発見を目指す研究者たちがいた。彼らはギャルヴィン家の人々と出会い、様々な検査等を通じて、統合失調症にかかわる遺伝子を突き止めていく――。
精神医療研究に多大な影響を与えた一家の姿を通して「病」と「人間」の本質を問い、各メディア年間ベストブックを総なめにしたノンフィクション!
【多数のメディア評を獲得】
●バラク・オバマ元大統領の選ぶ年間ベストブック
●ニューヨーク・タイムズ・ベストセラー 第1位
●Amazon.comでは ★4.5、レビュー14,000超!
“ノンフィクションの可能性を開いた、忘れがたい作品”
――スザンナ・キャハラン(『脳に潜む魔物』著者)
“何度でも読み返せる稀有な本”
――デイビッド・グラン(『花殺し月の殺人』著者)
“並外れた調査であり、大変な労作”
――シルヴィア・ナサ―(『ビューティフル・マインド』著者)
その他、「ニューヨーク・タイムズ」年間ベスト10/「ウォール・ストリート・ジャーナル」年間ベスト10/「ピープル」年間ベストブック第1位/「GQ」21世紀のジャーナリズム本ベスト50ランクイン/その他、「ワシントン・ポスト」「NPR」「TIME」「スレート」「スミソニアン」「ニューヨーク・ポスト」「Amazon」年間ベストブックに選出
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商品情報
- シリーズ
- 統合失調症の一族 遺伝か、環境か
- ジャンル
- 教養 - ノンフィクション・ドキュメンタリー
- 出版社
- 早川書房
- 書籍発売日
- 2022.09.14
- Reader Store発売日
- 2022.09.14
- ファイルサイズ
- 5.6MB
- ページ数
- 512ページ
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この作品のレビュー
平均 3.9 (73件のレビュー)
-
統合失調症は、遺伝か環境が?はたまたストレス脆弱説か。はたまた母親か
結局、遺伝子の変異とやはり家庭環境、本人のストレス耐性。
発症した人は、やはり周りから見ると大変そう。そして家族も。
兄弟姉妹も、…家族システムの中で苦しむ。
そのストレスの中で発症してしまう人もいる。
家族は、同じ遺伝子をもっており発症しやすい。ストレスに打ち勝ち発症しない人もいる。発症しないだけで、統合失調症にかかりやすい人は、かなりたくさんいるように思う。
そして治療の辛さは、半端ないなと思った。
いまでもそうなのかな…。
統合失調症という病気のことを、少し勉強できました。
続きを読む投稿日:2023.10.15
数年前、オバマの年間ブック1位に選ばれ話題になった本。真っ直ぐすぎるタイトルと分厚すぎる厚み(とお高すぎるお値段、、)でしばらく避けてきたけど、読まずに生きるより読む人生が良い! と本屋で自分を奮い立…たせ購入。大正解、圧巻の作品でした、ありがとうございました!!
ドンとミミ夫妻に生まれた12人兄弟のうち、実に半分の6人が統合失調症と診断されたギャルヴィン一家を追ったノンフィクション。あとがきにもあるように、作中に出てくるエピソード全てが、膨大なインタビューや日記から起こされたノンフィクションという圧巻の作品。事実は小説よりも...的感想しか出てこない、ホント凄まじい読書でした。
兄弟各人のエピソードを追う章と、その当時の統合失調症の研究背景を追う章に分かれるが、とにかく前者の方が衝撃で、辛いと分かっていながら読むのを止められない感覚。それは、暴力や非人道的な治療、自殺やドラッグと、統合失調症を患った本人たちの苦しい描写が続く中で、統合失調症に「ならなかった」母親のミミ、そして12番目の末っ子・リンジーの存在があるからだと読んだ今思う。
もちろんミミの有無を言わさぬ教育スタイルが彼らの統合失調症の進行の一助になってしまったと、可能性という観点ではいくらでも言ってしまえるが、個人的にはミミがいなかったらじゃあ彼らの病状はもっとヒドいものになってたのではと感じる。そしてミミがいなくなったのちに結果的にミミの生まれ変わりのような立ち位置となったリンジーの存在も、ミミと同じく彼らを支えるものだった(と、信じたい、、)。
リンジーはジムを殺すことを考えた。たっぷり考えた。それから、そう考えたことに罪悪感を覚えた。だが、ジムと対決することよりもなお深刻な、彼女の最大の気掛かりは、母親に打ち明けなければならないことだった。母に信じてもらえなかったら?その時には、私もまた頭がおかしい子になってしまう、と彼女は思った。
母親のミミが亡くなる前後の終盤の章は、記憶を呼び起こすことで自ら傷つくことを恐れて家族から逃げる11番目の娘・マーガレットと、決して逃げないリンジーという構図になる。想像もできないが、もし俺自身は彼女たちの立場なら、マーガレットと同じく家族から逃げ続ける気がする。それは悪いことではなく、良い逃げだとも思う。けれど同時に、逃げずに向き合って考えて語り続けたリンジーがいなかったら本書は世に出なかったことを考えると、「リンジー、すげえ!ありがとう!」という感謝の念で一杯になります、マジでリスペクトです。
統合失調症の根本原因は未だ解明されておらず、本書が終わりではなく途中経過であるというのも、なんと壮大な世界なのかと圧倒させられる。ソフトウェアや機械学習の世界を生きる身としては、組合せ問題のような莫大な演算であれば少し待てば最適解あるいは近似解が得られるため、解けない問題はないように感じてしまう。けれど医学の世界は理論を積み重ねた上で、次はラット、そして人間へと実験対象を移し、しかも喩えその結果が「不正解」だったとしても、結果が出るのが数十年後という世界。
妊婦がコリンのサプリメントを摂取し始めた瞬間から、胎児が生まれて、統合失調症を発症しやすい思春期後に達するまで、追い続けている。フリードマンはニューヨーク州での授賞式で示唆したように、その結果が出るときまで生きていられないことは間違いない。
最後、リンジーの娘のケイトが、統合失調症の研究者であるロバート・フリードマンの研究室を訪れるというエピソードも映画のよう。
サイエンスとしても小説としても家族モノとしても読める大傑作でした、皆様時間を確保して、ぜひ電車でこの分厚い1冊を開いてください!
彼女がここに入れたのだから、家族がきっと途方もない寄付をしたに違いない、と一人がきつい冗談を言った。
ケイトは得意げな笑みを浮かべた。「寄付って、お金のことを言っているのですか、それとも生体組織のことですか?」続きを読む投稿日:2024.05.26
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