自分に気づく心理学
加藤諦三(著)
/PHP文庫
作品情報
他人の眼が気になってしかたがない。つい心にもないお世辞を言って後悔する。弱音を吐くことに罪悪感を感じる・・・・・・あなたを苦しめる感情の「正体」は、心の奥底に抑圧された“依存症”だった。本書は、現代人の心の深部のゆがみを、幼少期の親子関係までさかのぼって解明し、自然な感情のままに生きることの大切さを説き明かす心の手引書。幼い頃に家庭内の温かな心のふれあいがなかった人は、自分を抑えて周囲の期待に沿わなければ愛情を得られないと思い込んでいると著者は言う。そこで「尽くすことでしか相手と関係を維持できないのは、人から尽くされたいという激しい欲求」「外面のいい人は些細なことで不機嫌になるのは、甘えの欲求を素直に表現できない苛立ち」など、自分の中で満たされなかったものの本質に気づき、偽りの生き方をやめるヒントを具体例と共に紹介。五月病にも効果てきめん! 悩み多きすべての人に贈るベストセラーの文庫版を電子書籍化。
もっとみる
商品情報
- シリーズ
- 自分に気づく心理学
- 著者
- 加藤諦三
- 出版社
- PHP研究所
- 掲載誌・レーベル
- PHP文庫
- 書籍発売日
- 2000.05.01
- Reader Store発売日
- 2022.03.04
- ファイルサイズ
- 0.6MB
- ページ数
- 256ページ
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 4.1 (25件のレビュー)
-
いつの頃からか素直な気持ちを殺して心と頭がバラバラになる。口から出る言葉はどれとも違ったもの。
そんな深層心理がなぜ起こるのかを紐解く加藤諦三先生の著者。
目を背けたくなるような現実、不思議な感覚が…なんで起こるのか、淡々と諭すような本でした。
子供の頃には戻れないとしても自分の根底を知ることでコントロールできるものを一つ二つ見つけて足掛かりにしたい。続きを読む投稿日:2022.07.03
このレビューはネタバレを含みます
甘えることはみっともないことと、生真面目な人は思っている。甘えの欲求が激しいにもかかわらず、甘えを自らに禁じて生真面目に振舞っている人間には、人間としての魅力が無いのである。
レビューの続きを読む
相手が常に自分の期待通…り動くということを求めているのが甘えである。
日常生活で単純な事実を言うと、それを自分に対する攻撃と受け取る人は多い。単純な事実に触れること、あるいは単純な希望を述べること、それらのことがその人には文句と感じられる。
人は自分の自然の感情で生きることができれば、そう心の空虚さに苦しむこともないであろう。自然の感情で生きられず、作られた感情で生きるから、生きていることに意味を感じられなくなるのである。自分がどこで自然の感情を見失ってしまったか、反省してみることである。あなたは自分の自然な感情に罪悪感を持っている。だからつくられた感情を脱することができないのである。いろいろな領域で次々に何かを達成することで生きようとするよりも、自分の自然の感情と、何とか接触しようと心がけることであろう。
私は白昼夢によって自分の満たされない甘えの欲求を間接的に満たしているのだ、ということを理解した。私の心の底にある満たされない愛情欲求が、私をあのような白昼夢にひたらせているのだと分かってから、白昼夢に浸ることもなくなった。食欲や性欲がどうしようもなく肉体にあるように、心理的にはどうしようもなく甘えの欲求がある。
そこにいるがゆえに不満なのではなく、その人の心の中に問題があるがゆえに、どこにいたとしても不満になっている人はほっておくほうがよいと書いたが、困ったことに気持ちのうえではほっておけないというのが幼児性を残した大人である。自分の気持ちがそのようにして近くの他人に絡んでいってしまう人は、まず自らの幼児性を反省することである。自分の気持ちが相手に絡んでいってしまうことを思いやりというような言葉で正当化していると、いつになっても思いやりのある人間にはなれない。思いやりを持つためにはまず相手を理解しなければならないであろう。しかし自分の気持ちが相手に絡んでいくときは、決して相手を理解しようというのではなく、自分の思うように相手の気持ちを支配しようということにしか過ぎない。
怒ったら罰せられる、この感じ方によって生きることが地獄になってしまった神経症の人のなんと多いことか。
心に葛藤のある人は他人の心を理解できないということは大切な点である。心の葛藤のない素直な人は、他人の心を理解できるということでもある。他人の心を理解できるということが心の健康な証拠でもある。
他人があなたを好きになった時、あなたは欠点まで好きになったということではない。その他人にとって好きなあなたの嫌いな点にしかすぎない。
自分が心の底で自分に満足していないということに気がつき、自分が自分に満足できるようになれば、他人もまた欠点のある自分に満足しているということが自然と感じられるようになる。
たとえば子供をきれいな景色を見せにどこかへ連れて行ってあげる。これは子供に表現された直接の愛である。しかしこのとき子供は別にきれいな景色を見に行きたくないかもしれない。いや行きたくないというより、おもちゃで遊んでいたいかもしれないし、友達とピンポンをしていたいのかもしれない。そんな子供の心を無視して、連れて行ってやることもできる。そして自分は子供のことを考えてやる良い親だと思うこともできる。しかし、例えば子供が欲しがっているノートがあったとする。そのノートはなかなか普通の文房具店ではみつからない。もうメーカーで生産をやめてしまっている。でもたまたま子供がそれを欲しがっている。その時、そのノートをさがすことに、陰でどれだけ努力をするかということが間接的な愛の表現である。あそこの店にいったらあるかもしれない。もしかしたらあの人に聞いたらどこにあるかわかるかもしれない等、いろいろさがすことである
それを忙しい中でも忘れないということが間接的な愛情表現である。
他人に対する自分の態度、他人に対する自分の感じ方、自分に対する自分の感じ方を変えることができてはじめて、心理的離乳は完成したといえるのではなかろうか。そうなって初めて本当の自分になれたと言える。
いつも自分を守ることを考えていないと不安になってしまうので、ついつい防衛的になってしまうが、他人のことを考えれば、他人がそれほど自分にとって脅威にはなっていないことがよく分かるであろう。他人を自分にとって脅威にしてしまうのは、ほかならぬ自分の防衛的な心の姿勢なのである。他人に対する思いやりができてくれば、他人はそれほど自分を傷つけはしないし、他人は自分を傷つけるだけの力を持っていないということもわかってくる。他人は他人でしかないのである。他人に心を開くと、そのことが分かってくる。他人の行為を感じることができるというのは要求ではない。他人が他人の自発性において自分に好意を持っているということが感じられるということである。
心理的に成長するには好意が必要なのに、好意の必要な人が、他人の好意を感じることが難しいのである。心理的に成長した人は他人の好意を感じることができる。それだけにある人々にとっては大変難しい心理的成長が、別の人々にとっては気付かないうちに達成できてしまう事なのである。
愛情欲求が満たされていれば、他人から良く思ってもらうなどということはそれほど重要なことではない。よく思ってもらえればもらえたで、それはありがとうということであって、それ以上の価値は自分にはない。
まず自分を大切にすることを心掛けることである。自分を大切にするということは、自分にやさしくするということである。自分が自分に対してやさしい母親のようになることである。自分が自分の理解者であり、自分の保護者になろうとすることである。決して自分に対して批判的になってはいけない。
他人の期待にこたえられないのが怖くてあなたは勤勉に頑張っている。それが何よりもあなたが愛情欲求不満である証拠だ。愛情欲求不満でない人も、他人の期待に応えようと勤勉に頑張る時がある。しかしそれは期待に応えられないことが怖いからではない。それはあくまで他人への愛情である。
情緒的に成熟した人は、ある人が自分に優しくするという行動をとった時それを許す(ここ一番重要!)
救ってくれと叫んでいる者は、どう生きてよいかわからないのである。「これ」で生きていけるという何かを求めているのである。心の満たされた者にとっては、「これ」で生きていけるというような「これ」を必要とはしない。
この本を読んで、自分の何が満たされていなかったのかということに気付いてくれればそれは十分である。続きを読む投稿日:2024.01.07
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。