日独伊三国同盟 「根拠なき確信」と「無責任」の果てに
大木毅(著者)
/角川新書
作品情報
亡国の同盟は、不信と誤認の産物だった。『独ソ戦』著者が対独関係から描く、大日本帝国衰亡の軌跡。優秀な人びとを抱えながらも、なぜ日本は亡国の戦争に突入したのか? 亡国への分水嶺となった三国同盟は、そもそも不信と誤認の産物でしかなかった。〇外国を崇拝し、その国の人間になってしまったかのような言動をなすもの。〇国家が崩壊することなどないとたかをくくり、おのが権力の維持だけをはかるもの。〇自らの構想の雄大さを誇るばかりで、足下を見ず、他者をまきこんで破滅していくもの。これら、我々に似た人間が敗北必至の戦争につながる同盟締結を加速させたのだ。利害得失を充分に計算することなく独と結び、米英と争うに至るまでを、対独関係を軸に分析すると、日本の指導者の根底に「根拠なき確信」があり、それゆえに無責任な決定が導かれた様が浮き彫りとなる!!「根拠のない確信」が災禍を拡大した。■「駐独ドイツ大使」と揶揄された軍人外交官大島浩■親独に多くが傾いていた海軍中堅層■松岡洋右が国際連盟脱退を決めたのは「引っ込みがつかなくなったから」■三国軍事同盟の条約文は、仮想敵の言葉である英文で作られた■戦争を不可避にした南部仏印進駐は楽観から軽率に行われた※本書は2010年10月にPHP研究所より刊行された『亡国の本質 日本はなぜ敗戦必至の戦争に突入したのか?』を改題の上、この間の研究の進展を反映し、全面的に加筆・修正したものです。【目次】序に代えて――わたしに似たひとびと第一章 ヒトラーに「愛された」日本大使第二章 同盟のため奮闘せるも・・・・・・第三章 バスに乗ってしまった男たち第四章 独ソに翻弄される松岡外交第五章 亡国の戦争へあとがき主要参考文献
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この作品のレビュー
平均 4.5 (6件のレビュー)
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歴史の教科書では語りきれないことが満載されていた。
政治の世界にも腹の探り合いはあっても案外とサッパリしていると思ったけど、いやいやねちっこくあり嫌なら嫌と言えない上下関係姻戚関係。
大島浩、松岡…洋右、この二人の行動が大きく影響したことがわかるが、この本ほどしっかり裏付けされた書き方をしているものは見ない。
歴史には、日独伊三国軍事同盟とあり、それは「互いに利益がある事に対して協力関係を結びましょう」エイエイオーかと思っているでしょうが
そうせざるを得ない伏線があったり、バーターであったり、たくさんの大人の事情がある。
御前会議で昭和天皇のが敢えて口を開き読み上げた
四方の海みなはらからと思ふ世に など波風のたちさわぐらむ
明治天皇の御製が意味のわからないものはいなかったという。
なら何故と思ってしまう。
振り返れば少しのきっかけで結果が大きく変わることは多い。
終盤を拝読するあたりからはいつも慈愛の念があった。
腹の探り合いは日常かもしれないが、何かを信じたり例え痛みがあろうとも協力し支える、そんなお互い様の世の中にしていけたらと思う。
続きを読む投稿日:2022.01.23
読み終えてタイトルその通りだと感じた。「根拠なき確信」と「無責任」。学者としての大木毅氏の憤りがこの二言に凝縮されているとでもいえよう。
新書なので簡潔かと思っていたが、とんでもない。映画のシーンを…思わせるような描写があちこちに出てくる。特に大島浩と松岡洋右という2人の判断、行動が日本を大きく誤らせたことが克明に描かれている。かなりファナティックだったのだなあ。
ただし、この2人にすべてを負わせるのだけでは学びは少ないかもしれない。もう少し科学的にみてみる、今でいう行動経済学的なアプローチから分析しても興味深い、というかバイアスが先行で国を導いたのは恐ろしいと感じる。我々も大なり小なりこうしたバイアスで判断していないだろうか?胸に手を当ててみた。続きを読む投稿日:2023.11.14
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