おこだでませんように
くすのきしげのり(作)
,石井聖岳(絵)
/児童創作絵本
作品情報
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怒られてばかりいる子の心の中を描いた絵本。
「ぼくは、いつでもおこられる。家でも学校でも・・・。休み時間に、友だちがなかまはずれにするからなぐったら、先生にしかられた」いつも誤解されて損ばかりしている少年が、七夕さまの短冊に書いた願いごとは・・・?
※この作品はカラーです。
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この作品のレビュー
平均 4.5 (181件のレビュー)
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ブクログの画面だと見辛いかもしれないが、表紙の男の子の目には涙が浮かんでおり、それでも決して声に出すことはなく、ただ、何かを噛み締めるように、じっとこらえている。
七月七日、小学一年生が、学校の授業…で七夕さまへのお願いを短冊に書くとしたら、「サッカーせんしゅになれますように」とか、「ピアノがじょうずにひけますように」等が、ありふれたように思われる中、彼はどんな願い事を書いたのか?
ぼくは いつも おこられる。
いえでも がっこうでも おこられる。
「また いもうと なかして!」
(いもうとのくせに わがままばっかり いうからや)
「まだ しゅくだい してないの!」
(いもうとと あそんでやってたからや)
けれど、ぼくが、そういうと、
おかあちゃんは もっと おこるに きまってる。
だから、ぼくは だまって よこを むく。
よこを むいて、なにも いわずに おこられる。
あーあ、ぼくは いつも おこられてばっかりや。
「また やったの!」
(ふたりが さきに いじわる いうたんや)
「ぼうりょくは いけません!」
(でも、『なかまに いれてやらへん』と いわれたのは、ぼくの こころが もらった パンチやで)
けれど、ぼくが なにか いうと、
せんせいは もっと おこるに きまってる。
だから、ぼくは だまって よこを むく。
よこを むいて、なにも いわずに おこられる。
あーあ、ぼくは いつも おこられてばっかりや。
難しい問題だと思う。
男の子の中には、「いもうとのくせに」や、実際に殴ったりしてしまうような、確かに見直すべき点もあるとは思うが、なんといっても、そこはまだ小学校にあがりたての自立心や教養も少ない、小学一年生なのである。
きのうも おこられたし……、
きょうも おこられてる……。
きっと あしたも おこられるやろ……。
ほんまは ぼく、「ええこやねえ」って いわれたいんや。
けれど、おかあちゃんも せんせいも
ぼくを みるときは、いつも おこった かおや。
ぼくは どないしたら おこられへんのやろ。
ぼくは どないしたら ほめてもらえるのやろ。
ぼくは……「わるいこ」なんやろか……。
せっかく しょうがっこうに にゅうがくしたのに。
せっかく 1ねんせいに なったのに。
私たち大人だって、あまりに同じ思いを繰り返し痛感させられる辛さには、どうにかなってしまいそうな精神的苦痛を感じるであろうに、それが、小学一年の男の子が背負っている時の心境となると、はたして如何ほどのものなのだろうか?
大人だって、本当は怒りたくないのであろう。
しかし、しょうがないじゃないかと、そこで思えるのか?
そこで、子どもに、察してちゃんを要求するのは、あまりに酷なのではないか?
母も大変、先生も大変。でも、子どもだけ大変じゃないってことには、ならないでしょ?
乱暴な子どもにだって、乱暴ではない一面もあるんだよ。
それは、同じ子ども時代を経てきた大人なら、気付くはずなのに、どこか記憶の片隅に仕舞われたまま、その在処を忘れてしまっているようで、何とも悩ましく思える中での、彼なりに必死で考えた思いとは?
ぼくは かんがえた。
いちばんの おねがいを かんがえた。
いっしょうけんめい かんがえていると、
「はよう かきなさい」
と、また おこられた。
ぼくは、しょうがっこうに にゅうがくしてから
おしえてもらった ひらがなで、
いちばんの おねがいを かいた。
ひらがな ひとつずつ、こころを こめて かいた。
その願い事の短冊をアップにした、それのある机の絵には、他に噛み痕のある鉛筆と、半分以下になった、使いすぎて薄汚れてしまった消しゴムの欠片もあり、なんだかそれが、男の子の不安感や、か細い弱々しさを表しているようで、沁みるものがある。が、しかし!
それは、この絵本で初めて見る、男の子のやわらかい優しげな目もとにも表れているように、その後のせんせいと、おかあちゃんとのふれあいは、見ていて、とても心暖まる感動的なものだった。
作者の「くすのき しげのり」さんは、実際の短冊にそう書かれていたのを見て、涙が出そうになったそうで、そこから、この絵本が生まれ、その「あとがき」にも書かれているように、お母さんや先生や友達に言うのではなく、七夕さまの短冊に書こうとした、彼の思いを察すると、あまりに健気で純粋な、その願いには言葉も出ない。
こうやって、周りの人たちが気付くことの出来る日が、いつかきっと来ることを願って、子どもたちだけではなく、是非、子を持つ親御さんや、学校で働く先生方にも読んで欲しい、七夕の存在が彼に希望の光を与えた、素晴らしい絵本だと思います。続きを読む投稿日:2023.07.07
2回目以降は更にきゅっと胸が苦しくなる
どんな気持ちでいたか
知っているからこそ
優しさが伝わるからこそ
涙無くして読めない絵本
親だけでなく、大人として
子どもたちの背景にどんな気持ちがあるのか…
しっかり聞いてあげたい
それを忘れないためにも何度も何度も
自分に読み聞かせする絵本続きを読む投稿日:2024.05.22
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