囚われし者たちの国――世界の刑務所に正義を訪ねて
バズ・ドライシンガー(著)
,梶山あゆみ(著)
/紀伊國屋書店
作品情報
「何かがひどく間違っている」終身刑制度と死刑制度をともに有し、世界で最も多くの人を、ことに貧しい人々を収監している国、アメリカ。世界に輸出されたこの「大量投獄」というシステムはしかし、失敗ではないのか? 刑事司法を専門とする大学で教えるかたわら、収監者への高等教育と社会復帰支援活動に携わる著者は、再犯率が6割を超えるアメリカの刑務所制度に疑問を抱き、世界の刑務所を見てまわることにした――ルワンダではジェノサイドの被害者と加害者が対話する更生プログラムに立ち会い、ウガンダでは囚人に向けた文章創作教室を自ら開くほか、過去に獄中で巨大犯罪組織が生まれたブラジルの超重警備刑務所や、オーストラリアの民間に委託された刑務所、そして、アメリカと対極にある開放型のノルウェイの刑務所など世界9か国を訪ね歩く。刑務所とは更生施設なのか、懲罰施設なのか。贖罪とは、許しとは何か。さまざまな問いを投げかける、他に類をみないルポルタージュ。復讐と和解――ルワンダ ■ 謝罪――南アフリカ ■ 鉄格子の中の芸術――ウガンダ、ジャマイカ ■女性と演劇――タイ ■ 独房監禁と超重警備刑務所――ブラジル ■ 民間刑務所――オーストラリア ■社会復帰支援――シンガポール ■ 正義?――ノルウェー(目次より)
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商品情報
- 著者
- バズ・ドライシンガー, 梶山あゆみ
- ジャンル
- 教養 - ノンフィクション・ドキュメンタリー
- 出版社
- 紀伊國屋書店
- 書籍発売日
- 2021.01.18
- Reader Store発売日
- 2021.01.27
- ファイルサイズ
- 1.8MB
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この作品のレビュー
平均 3.5 (3件のレビュー)
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きっかけ
「ショーシャンクの空に」を観て、刑務所の意義は何か、贖罪とは何かを学びたいと思ったから。
前提
刑務所はアメリカから輸出された資本主義の産物であることや、映画で観た劣悪な環境は過去の遺物で…はなくまさに今も発展途上国で起きている。
感想
●犯罪者も被害者
犯罪というと1人の凶悪な人物がいて、自分たちからは想像もつかない身勝手な理由であるいは理由もなく罪を犯すのではないかと想像してしまう。しかし実際は、彼らもまた心に傷を抱えた被害者であり、その傷は白人の利益を叶えるべく作られた社会構造によるものだ。
●囚人というレッテルの恐ろしさ
囚人の多くは非暴力的行為、未決状態での投獄だ。しかし囚人というレッテルは殺人犯も何もかも同じ悪人として括り、非合理的な刑罰を受けて当然だと世間に思わせる。実は彼らは私たちとの間に大きな差はない。
●状況の打破
たまたま明確なハンデを背負って生まれついたとしても、自分の選択に対する責任を持たなければいけないこと、一度はまった犯罪の連鎖から自分を断ち切ることは非常に難しい。本当に自分自身に、周囲に向き合わなければいけないから。社会が彼らにチャンスを与えないから。その残酷さな事実が鋭く胸に刺さる。
●教育、芸術の可能性
教育は人を奴隷には適さない存在に変える。芸術はありのままの自分を表現する自由を与える。それによって初めて、自分に何が与えられたかを超えて、自分がどうありたいかを模索できる。
自分を振り返って
●教育とは
これまでは当たり前のように教育を受けてきた。それは私にとって順位の張り出しや受験など、常に競争を伴うものだった。勉強自体は嫌いではなかったし、やればやるだけ結果に結びつくからむしろ好きだった。
ただ、自分の興味の向くままに勉強したこともなければ、それが自分の人間性や将来を広げると意識したこともなかった。あまりにもったいなかった。
社会人になって自己の時間で本を読むにつれ、少しずつ自分の興味がどこにあるのかがわかってきた。それを大切にしながら、自分がどうありたいかを考えて過ごしたい。
●社会の仕組み
社会は権力者の都合が良いように歪められて作られているということがわかった。自分はその不利な状況に立たされないよう、市場のルールをきちんと理解することが大切だと思った。続きを読む投稿日:2021.02.21
著者は「刑務所から大学へのパイプライン」というプログラムを実施している白人の女性教授。修復的司法を進める立場で、世界9ヶ国の刑務所をめぐる。横になって寝る場所もなく、綺麗な水を得るのに性行為をしなけれ…ばならない刑務所から、快適なサマーキャンプのような刑務所までその環境は様々であるが、収監される者にとってそこが「時が止まった場所」であることには変わりない。刑罰的に閉じ込めておくことは、被収容者の社会に対する憎しみや恨みを増幅させ、その結果新たな犯罪を産むことになる。応報ではなく修復を、と説く本。
ここから雑感。先に読んだ、司法は被害者に代わって仇を討つシステムであるという『死刑賛成弁護士』とは対極にある本だった。ジェノサイドの恨みを乗り越えようとしているルワンダ。ウトヤ島で69人を射殺した犯人に対し禁固21年でよしとするノルウェー。それらの国々と、日本の「被害者感情」の違いは何だろう。数だろうか。なぜ自分だけこんな目に?という思いが、受けた傷を共有できないことが、被害者をさらに苦しめるのではないか。続きを読む投稿日:2023.01.08
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