ぼくがスカートをはく日
エイミ・ポロンスキー(著)
,西田佳子(訳)
,まめふく(絵)
,松中権(解説)
/学研
作品情報
今度、学校で演劇のオーディションが開催される。ぼくは、女神の役をやりたい。「男子が女子の役をやるんだって!」と言われるだろう。けれど、ぼくは自由に自分らしく生きたい。本物の女の子になりたい。――12歳のグレイソンは、一歩、進みはじめる。
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商品情報
- シリーズ
- ぼくがスカートをはく日
- 著者
- エイミ・ポロンスキー, 西田佳子, まめふく, 松中権
- 出版社
- 学研
- 書籍発売日
- 2018.08.02
- Reader Store発売日
- 2021.01.19
- ファイルサイズ
- 4MB
- ページ数
- 296ページ
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 4.2 (21件のレビュー)
-
4歳のとき両親を交通事故で亡くしてから、シカゴで、伯父の家族と暮らす12歳のグレイソンは、鏡の中の自分が日に日に女の子らしさを失っていくことに落胆していた。学校でも孤立している彼は、近くに引っ越してき…た転校生のアミリアと親しくなり、一緒に古着屋に行く。しかし、彼が欲しいのは女の子の服だった。アミリアとの仲も長続きしないと落ち込んだ彼は、たまたま演劇の出演者の募集チラシを見てオーディションに申し込むが、チャレンジした役はヒロインのペルセポネ役だった。素晴らしい演技をした彼に、先生はペルセポネ役を与えるが、伯母やその子どもジャックの大反対、学校内のいじめに遭う。
自分は女の子だと思う少年(少女?)が、周りの反応に怯えつつ、理解者を得て、少しずつ自己表現する勇気を持っていく物語。
*******ここからはネタバレ*******
冒頭から、女の子に憧れるグレイソンの気持ちが溢れていて、胸が痛くなります。
普通の家庭にいても自分が見かけの性に違和感を持っていることを告白するのは非常に勇気がいることだと思えるのに、それが伯父夫婦で、同じ年頃の男の子がいるなんて、どんなに息苦しいことでしょう。
最後は、自分の着たい服を着る選択をした彼。でも、どっちのトイレに入るのか?という問題も残っていて、この先にも壁があることが暗示される。
自らの性に違和感を持つ思春期の心情を細やかに表現している作品ですが、納得できないところも多々あります。
2年生まで親しかったエマは、前半の思い出の中でしか語られていず、具体的に何があったのか不明で、消化不良感が残ります。
最初に親しくなったアミリアとは、古着屋に行って、女の子の服を着たグレイソンの姿を見てから疎遠になったが、その後もそのままだ。彼女は、グレイソンを理解するキーパーソンになりそうだったのに、後半はその他大勢になってしまった。
グレイソンの理解者フィン先生も不可解。ゲイとの噂もあるらしいが、それについては言及されていない。グレイソンをヒロイン役に抜擢したことで退職させられたと言われていたが、これについてもちゃんと説明されていない。先生が、自分の希望で退職するのであれば、校長が、先生とグレイソンが1対1で話をするのを禁じる理由がないと思うのだが。
伯父の長男ジャックは、昔は優しかったのが、今はいじめっ子だ。この変容の理由にも触れられていない。
ジャックの弟のブレットがいい味出してます。ペルセポネ役のことで家庭内で揉めているとき「なんでグレイソンがペルセポネをやっちゃいけないの?だって、劇は劇じゃないの?」
クラスメートや演劇仲間など登場人物は多いが、そのほとんどとはあまり密接に関わりがない。名前が多い分だけ、追うのに疲れる。
でもきっと、こういう方が現実的なのでしょうね。
グレイソンの語りとして描かれている物語だが、最後に「わたし」というまでずっと一人称は「ぼく」だった。彼の用いる言葉も、ほぼジェンダーレスで女言葉は使われていない。「ぼくは女の子だ」と行った具合に。これは訳者の意図なのか?
表紙の絵が可愛らしすぎて、日に日に女の子を失いつつある悲しみからは程遠く感じます。
物語と言う面からはちょっと不満が残る作品ですが、グレイソンの苦悩はよくわかりました。
いろいろな気持ちを持つ人たちに優しい社会を作っていけたらいいなと思える作品です。
表現は平易なので、内容を理解できるのなら、中学年からでもイケます。続きを読む投稿日:2020.03.21
このレビューはネタバレを含みます
ラストが、それまでの『ぼく』から『わたし』になっている。けど、これ……英語だと同じなのでは?と思ってしまった。いや。違うのか?うーん。よくわからない。
レビューの続きを読む
でも、この最後の訳がすごくいいなと思った。
…
いくつか女子トイレに入りたいというシーンがある。結局は入らないけれども。
これがよく分からない。ただ『女の子の場所に入って、自分が女の子である』と確かめたいという事にしか見えない。しかし、大半の女性にとって、別にトイレは『自分が女の子と自覚するための場所』ではない。ただの『排泄場所』であり、男性用と分かれていることで『安全に』使える場所であるというだけでしかない。
つまり女性であるという事は『男性への脅威』を常に感じるという事で……別にスカートはきたいとか、三つ編みしたいとかではないんだよな。
たぶん、私がトランスジェンダー……特にトランス女性が理解できないと思うのは、その辺りなのかもなと思った。
女性の服を着たいけど、それが出来ないから色々と工夫する点はいいなと思った。
思春期のこじれていく人間関係とか、新しく結ばれる友情とか、近しいわけじゃないけどそれほど遠いわけでもないみたいな中途半端な距離感とか……そういう繊細な空気感みたいなのは好みだった。
思春期のあれこれと思って読むとそれほど気にならない。ただこれを『トランスジェンダーの話』と思って読むと、細部がもやもやする。
でも作中では誰も『トランスジェンダー』とは言わないし、本人もそうだとは言わない。
ただ『女の子の格好をして、女の子として扱ってほしい男の子』として書かれている。服装に関しては『何も言わない』キャラもいるけど、主人公は『自分がおもちゃになっている』自覚がある。可愛く髪を編んでくれるのも、女の子たちは面白がっているだけだと。
それはそうだな……と思うけど、それは年少の女の子にも同じ対応だと思うので『男の子だから』というものでもない。女の子の側にはそれを楽しむ余裕があるというだけの事。
女子トイレまで入りたいって言ったらドン引きされることがわかっていて、主人公も言わないまま物語が終わる。女子トイレの扱いだけが気持ち悪い。
トイレも大用トイレと女性用は同じ形なのでなぜ『女子トイレ?』
これ、男性用トイレの大用に入って『女性気分を味わう(座って行う)』ではダメなの?
それとも、女子トイレに入れないので女性用トイレの形を知らない……という話だったのだろうか?いや、それはないよね。女性の気分を味わうために服装ではあんなに創意工夫していたのにトイレになると途端に『女子トイレに入る』になるの不思議。
でも、こう書くと差別なのだろうな……。続きを読む投稿日:2024.03.08
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