AIの壁
養老孟司(著)
/PHP新書
作品情報
人工知能(AI)技術の飛躍的発展により、近年「AIが人間の知能を超える」と言われるようになった。しかし、そもそもAIは本当に役に立つのか? AIと人間の知性の違いはどこにあるのか? 常々「脳」と「意識」について考えてきた解剖学者・養老孟司が、各界のトップランナーと縦横無尽に議論を交わす。 ■AIの発展がめざましい棋界に身を置く棋士・羽生善治 ■経済学者であり、AI技術にも精通する井上智洋 ■著書でテクノロジーと人間のあり方を考察してきた哲学者・岡本裕一朗 ■人工頭脳プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」を進めてきた数学者・新井紀子 4人の叡智との対話から見えてきたのは、AIの限界と可能性。AIはいわば「高級な文房具」、AI化がむしろ「人間本来の暮らし」に戻れる余白を作ってくれる・・・・・・AIの限界と日本の未来を語り合う、知的興奮に溢れる4つの議論。
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商品情報
- シリーズ
- AIの壁
- 著者
- 養老孟司
- 出版社
- PHP研究所
- 掲載誌・レーベル
- PHP新書
- 書籍発売日
- 2020.09.28
- Reader Store発売日
- 2020.09.30
- ファイルサイズ
- 3.3MB
- ページ数
- 224ページ
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この作品のレビュー
平均 3.6 (21件のレビュー)
-
AIに関して、一見すると関わりの低いように見える著者と様々なジャンルの業界の方々の対談を通して、AIに関してだけでなく、現代社会に欠けているものが伝わってくる書籍。
AIというテーマを通して、現代社会…のあらゆる問題が浮き彫りになっている。続きを読む投稿日:2020.11.30
2020年発刊であるが、2019~2023年頃までの間に生成AIが爆発的に進化・浸透したため早くも既に時代遅れの感がある。
4人の専門家との対談本だが、さほどケミストリーが起きていない。
お互いを尊…重し、それぞれの主張をしているが、お互いの情報と主張を出し合っておしまいになっている印象。
養老孟子の主張は過去の著作から一貫していて、身体性が重要、脳化(=情報)社会に偏るのは不適切というのが主軸にある。
AIに関しても物によっては使えばいいと受け入れてはいるが、諦念の様相が強く、基本的にはAIもロボットも自動運転車も自分とは関係ないし不要だし勘弁してくれ、といった旨の発言が多い。
必要性という文脈で言ってしまえば勿論AIなど不要になってしまう。
歴史を見返せば火薬、電信、核兵器など、軍用すると有利になる技術は押しなべて積極的に開発され、その技術のおこぼれが社会の利便性を高めてきた。このことを鑑みても、他国との関係の中では否が応でも開発実装が必要となってしまう。
ファイティングポーズを取る相手には身構える。
環境破壊や国同士の緊張感を高めるネガティブな側面があるため技術開発は慎重性が求められる。
ただ思うにそれ以上に、建設的なAIの活用を勧められるように、前提として他者理解・他国の文化や価値観を相互に理解することは重要である。
不毛な開発競争とそれによる負の側面を軽減してくれる。
養老氏が「地に足のついた」ことを重視するのは、オフライン、対面、現実で他者と向き合って触れ合うことによる非言語的コミュニケーション情報や、他者の命を感じることで他者理解がより進むメリットを知っているからだろう。
デジタルネイチャーの中であっても有機的・質量的観点を持って生きたい。続きを読む投稿日:2024.05.05
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