MORE from LESS(モア・フロム・レス) 資本主義は脱物質化する
アンドリュー・マカフィー(著)
,小川敏子(訳)
/日本経済新聞出版
作品情報
「経済が成長すれば資源の消費量が増えるに決まっている」「資本主義と技術が進歩し、社会が豊かになれば、自然環境はダメージを受ける」――産業革命以降、人間が繁栄すればするほど、地球を壊してしまうという予想が無批判に信じられてきた。* * *だが、実際にはどうであったのか。予想とはまったく逆のことが起きたのだ。資本主義は発展し続け、世界中に勢力を拡大し続けているが、同時にテクノロジーが資源を使わない方向に進歩した。人類はコンピュータ、インターネットを始めとして多様なデジタル技術を開発し、消費の脱物質化を実現させた。消費量はますます増加しているものの、地球から取り出す資源は減少している。デジタル技術の進歩により、物理的なモノがデジタルのビットに取って代わられた。かつて複数機器を必要とした作業は、いまやスマホ一つで事足りる。なぜ経済成長と資源の消費を切り離すことができたのか?脱物質化へと切り替えられたのはなぜか?このすばらしい現象について、なぜそれが可能となったのかを解き明かし、どんな可能性を秘めているのかを記していこう。* * *テクノロジーの進歩、資本主義、市民の自覚、反応する政府――「希望の四騎士」が揃った先進国では、人間と自然の両方が、よりよい状況となりつつある。この先の人類が繁栄し続ける道がここにある。
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商品情報
- 著者
- アンドリュー・マカフィー, 小川敏子
- 出版社
- 日経BP
- 掲載誌・レーベル
- 日本経済新聞出版
- 書籍発売日
- 2020.09.25
- Reader Store発売日
- 2020.09.25
- ファイルサイズ
- 7.9MB
- ページ数
- 376ページ
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この作品のレビュー
平均 4.0 (6件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
マルサス 人口論 1798年
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マーシャル
人間の欲求と欲望は数限りなくある。
もっと良質、より多くの選択肢、全く新しい要求を満たしてくれるものを求める。
脱物質化 ~より少ないものから、より多くのものを
アメリカでの原材料の消費はピークを過ぎた。経済成長は続いているにも。
リサイクルは経済的だがインプット、アウトプットの脱物質化とは無関係。
大地に帰る生活はエネルギー効率が下がり環境に良くない。
①テクノロジーの進歩
スリム化 アルミ缶軽量化
置換 水圧破砕法による天然ガス汲み上げ
最適化 航空会社の空席削減、列車稼働率向上
消滅 iPhoneに機能統合
コンピュータ活用 目的達成のためにテクノロジーの組合せが可能になった。
②資本主義
利潤追求
自由参入と競争
財産権と契約履行義務
非中央集権的な仕組み
私的所有
自発的交換
✖ 利己的/道徳は通用しない/不平等
希望の四騎士
①テクノロジーの進歩 ②資本主義 ③市民の自覚 ④反応する政府
賢者=皆が希望に満ちているなかでひとり絶望する人
2016年 世界人口よりスマホ契約数のほうが多い 2017年 15億台の販売
世界の公園や保護区:1985年 4% →2015年 15.4%
貧困人口 :1999年 17.6億人 →2015年 7.5億人
安全な飲み水 :1990年 世界人口の75% →2015年 90%
中等教育就学率 :1986年 50%未満 →2015年 75%以上
平均余命 :1800年 28.5歳 →1950年+20年 →2015年+25年
都市にはサービス業が集中
84%が都市住人 欧州委員会 2015年 衛星画像調査
売り上げ利益の集中 勝者総取り グローバル化と新しいテクノロジー
2016年 アメリカの株式市場の富の84%が全世帯上位10%に集中
④社会関係資本 Social Capital の衰退 ・・・答えがない
人として温かいつながりがなくなっている
絶望死 アメリカ 2016年 19.7万人 ≒ 死亡者の8%
多様性の増加=多元主義 ⇔ 権威主義
権威への不信、価値観の衝突、コンセンサス欠如、アイデンティティ崩壊
アメリカの20%の郡は マイナス成長(2010~2017年)
ヨーロッパは工業化より前から町が存在、
アメリカは工業化を支えた文化、構造が消える
エレファントカーブ 2008年
裕福国の先端は伸びているが、中流層はこの20年で所得が伸びていない
③人的資本
アイデアを生み出す力 デジタルツールが増やす 経済活動の再拡散
10年後 地球へのフットプリント(天然資源、温室効果ガス)は縮小する。
ノードハウス 税収中立型炭素税 税収が直接市民へいく
原子力の正当な評価を受けていない
ブランドを守るための協調 炭素クレジットの購入投稿日:2021.04.30
本書は「機械との競争」「セカンド・マシン・エイジ」などの著者として有名なMITのアンドリュー・マカフィー氏による最新の本です。一貫して読みやすく、データも豊富に提示されているのであっと言う間に読めまし…た。本書の主張したいことは明白です。資本主義とテクノロジー進化は、(少なくともアメリカにおいては)脱物質化を進めている。ここでの脱物質化とは、資源消費量を少なくしながら経済成長をしているという意味です。しかし資本主義とテクノロジー進化だけでは、公害などの外部不経済に対処できない。そこで必要になるのが「反応する政府」「市民の自覚」。これによって公害がいろいろな意味で高くつきますので、企業は外部不経済の削減にも取り組むということです。マカフィーは、「資本主義」「テクノロジーの進歩」「反応する政府」「市民の自覚」を希望の4騎士と名付けています(これは明らかにスコット・ギャロウェイの『The Four GAFA:四騎士が創り変えた世界』を意識していると思います)。
本書ではアメリカについてかなり詳細なデータ分析をしていることから、少なくともアメリカでは著者が主張するような「モア・フロム・レス(少ないインプットでより多くのアウトプットを生み出している)」が達成できていることは間違いないと思うのですが、果たしてこれは地球全体としても言えるのでしょうか。本書の最後までこの疑問は消えませんでした。つまりどういうことかというと、グローバリゼーションの進展で、資源をたくさん使う製造過程がアメリカなどの先進国から、中国やメキシコ、東南アジアなどに移転されていることがこの背景にあるのでは、という疑問です。アメリカやイギリスは経済のサービス化が進みました。つまり経済に占める情報通信や金融、サービス業の比率が高まりましたが、裏を返せば、資源を消費し公害も生み出しやすい製造過程を新興国に押し付けている、という見方もできるわけです。いいかえれば、欧米先進国の脱物質化は、新興国のより一層の物質化(資源消費)のコインの裏側でしかないのでは、と感じるわけです。
ただ、たしかにデジタル技術は色々な意味で資源消費を抑制する方向にある気もします。無駄をなくす、最適化する、また本書にもありますように、以前は複数の家電製品を購入しないとできなかったことが、いまはスマートフォン1台でできてしまいます。またこれまではハードウェアが担っていた機能が、ソフトウェアで担えるようになっている面も多々あります。ですので、本書はデジタル革命が「モア・フロム・レス」に寄与すること、それはアメリカだけでなく世界の工場としての中国や他の新興国でも、その傾向が見え始めている、といった感じで分析をしてもらえると、きわめて説得力があったのに、と感じました。続きを読む投稿日:2023.05.08
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