もしも南北統一したら
辺真一(著)
/ワニブックス【PLUS】新書
作品情報
大統領就任以来、文在寅が固執する北朝鮮との統一。日本人にとっては「反日国家」のイメージが強い両国ですが、もしも朝鮮半島の統一が実現したとすると・・・・・・・南北統一=真の国交正常化を意味する・資源の中国依存を解消・中国の海洋進出阻止が可能となるなど、巨大反日国家の誕生どころか、日本を救う可能性が高くなります。TVでおなじみの辺真一氏による、決して「絵に描いた餅」とは言い切れない驚愕のシミュレーションをまとめた一冊です。
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商品情報
- シリーズ
- もしも南北統一したら
- 著者
- 辺真一
- 出版社
- ワニブックス
- 掲載誌・レーベル
- ワニブックス【PLUS】新書
- 書籍発売日
- 2020.05.26
- Reader Store発売日
- 2020.05.26
- ファイルサイズ
- 1.6MB
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この作品のレビュー
平均 4.0 (1件のレビュー)
-
他の方の書評を読むと、賛否がハッキリと分かれている。
個人的には本書の内容は好意的。
まずは私自身が色眼鏡で韓国・北朝鮮を見ていたということ。
印象やある角度の情報だけで物事を判断することは、本当に危…険だということ。
そのことに本書が気付かせてくれた。
つまり、我々一般の日本国民が、そもそもの情報を正しく持っていないのだ。
北朝鮮・韓国とは、そもそもどういう国なのか。
双方の国家のトップは何を考えているのか。
今数字で見える部分ではどういう状況なのか。
つまりファクトは何なのかということだ。
「印象操作だ」「プロパガンダだ」と批判する書評も多かった。
しかし私個人のことで言えば、「そもそも本書に書かれている情報を知らなかった」ということなのだ。
外交とは、単純な一断面だけでは決して語れない。
様々な断面(情報)を見て、総合的に判断し、結論を出していく。
その結論についても、良い・悪いなんて単純に言える話ではない。
総じて言えば「日本の国益につながる」という前提だ。
損になる条件を呑むことはあり得ない。
しかし「損して得取れ」という理屈は当然にある訳で、時間軸をどうやって読み解くかは非常に重要なポイント。
その際に大事な判断基準は、日本の「将来ビジョン」なのではないだろうか。
筆者はこれが無いと言っている。それは私も賛成だ。
内容は別として、昭和の時代は戦争からの復興。先進国に追い着き追い越せがスローガンだった。
単純ではあったが、それが日本の将来ビジョンだったのだろう。
これが達成された後に日本は迷走していると言ってもいい。
誰もこの「日本将来ビジョン」について、国民を一致団結させてこれなかったのだ。
日本は世界の中でどういう国になっていたいのか。
「今すでに日本とはこういうもの」という固定観念を捨てて、「我々は今後どうすべきか」という大目標を掲げるべきではないのか。
日本が「クールジャパン」と海外に向けて発信しているものが「まったく海外からはそう受け取められていない」という笑い話もあるくらいだ。
アニメを日本の代表として堂々と輸出することもよいが、本当にそれでよいのだろうか。
日本をよく知る外国人からは「日本にはもっと素晴らしいものがあるのに、それよりもアニメが優先される理由が分からない」ということも聞く。
アニメーションは海外では子供が見るものとされているので、どうしても日本という国が「幼く」見えてしまうというマイナス面がある。
そういう「どう見られているか」という点で、日本は本当に鈍感だし、井の中の蛙と言っていい。
何のために発信しているかと言えば、日本の国益のためであるはずなのに、幼く甘く見られるという、全く得になっていない状況なのだ。
本書でも「日本は小さな村の小さな平和だけ考えている」と書かれている。
これは本当にその通りで、そんな事でよいのだろうか。
小さな村が平和なら確かによいかもしれないが、外敵がいつ攻め込んでくるかも分からないのに、平和の維持が出来るのだろうか。
本書を読んで、よほど北朝鮮の方が小さな村なのに、小さな村なりの平和の維持の仕方を考えていると思ってしまった。
日本はまだまだ世界で3位の経済大国なのだ。
それにも関わらず、世界の中で日本の存在感は非常に薄い。
日本が発信して、世界を変えるような、世界に影響を与えるようなことがあっただろうか。
やはり「日本将来ビジョン」今こそ大事な気がする。
それがあれば、韓国・北朝鮮ともどう付き合っていくべきか。
見えてくるのような気がするのだ。
韓国文在寅大統領には、南北統一の悲願がある。
中国は一帯一路で世界覇権を握る構想がある。
さてさて日本はどうすべきか?
日本の未来が非常に気になるところだ。
(2021/7/18)続きを読む投稿日:2021.07.20
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