人文・思想・歴史
21世紀の啓蒙
シリーズ内の平均評価:
(45)
世界は決して、暗黒に向かってなどいない。食糧事情から平和、人々の知能まで、多くの領域が啓蒙の理念と実践により改善されてきたことをデータで提示。ポピュリズムと二極化の時代の今こそ、この事実を評価すべきと説く。“世界は良くなり続けている。たとえ、いつもはそんなふうに思えないとしても。スティーブン・ピンカーのように、大局的な視点から世界の姿を我々に見せてくれる聡明な思想家がいてくれることを、私は嬉しく思う。『21世紀の啓蒙』は、ピンカーの最高傑作であるのはもちろんのこと、私の生涯の愛読書となる、新しい・・・
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わたしたちは、今、史上最良の時代を生きている――。
過去を理想化して進歩を否定、未来は衰退に向かうと主張する反啓蒙主義の
嘘・誤りを、データにより明らかにする。
世界の状況を正しく評価するにはどうしたらいいのだろうか。
答えは「数えること」である。今生きている人が何人で、
そのなかの何人が暴力の犠牲になっているのか。
何人が病気にかかり、何人が飢えていて、何人が貧困にあえぎ、
何人が抑圧されていて、何人が読み書きができず、何人が不幸なのか。
・・・・・・これは実は道義的にも賢明な方法だといえる。
なぜなら、身近な人を優先するわけでも、テレビ受けする人を
特別扱いするわけでもなく、一人ひとりの価値を平等に扱う取り組みだからだ。
――本書より
ポピュリズムの隆盛により、民主主義の死はもはや決定づけられた。
世界人口の増加により、今世紀中の食糧危機の到来は間違いない。
地球温暖化も核兵器拡散も、解決の糸口はまるでつかめていない。
・・・・・・というのは本当だろうか。
若い人はポピュリズムを支持しておらず、世代交代とともに衰退する可能性が高い。
世界人口が増加しても、農業の進歩により飢餓に苦しむ人の数は大きく減少している。
温暖化も核兵器も現実の脅威だが、GDPあたりの二酸化炭素排出量は減少しており、
また世界の核兵器の数は近年減少し続けている。決して解決できない問題ではない
データを用いて、無根拠な「衰退の予言」の欠陥を指摘し、
啓蒙の理念による進歩の重要さを説く。
世界をよりよいものにする意志に満ちた、世界的ベストセラー。 -
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世界は決して、暗黒に向かってなどいない。
食糧事情から平和、人々の知能まで、多くの領域が啓蒙の理念と実践により改善されてきたことをデータで提示。
ポピュリズムと二極化の時代の今こそ、この事実を評価すべきと説く。
“世界は良くなり続けている。たとえ、いつもはそんなふうに思えないとしても。
スティーブン・ピンカーのように、大局的な視点から世界の姿を我々に見せてくれる
聡明な思想家がいてくれることを、私は嬉しく思う。
『21世紀の啓蒙』は、ピンカーの最高傑作であるのはもちろんのこと、
私の生涯の愛読書となる、新しい一冊だ。“
――ビル・ゲイツ
啓蒙主義の理念――理性、科学、ヒューマニズム、進歩――は、
今、かつてない大きな成功を収め、人類に繁栄をもたらしている。
多くの人は認識していないが、世界中から貧困も、飢餓も、戦争も、暴力も減り、
人々は健康・長寿になり、知能さえも向上して、安全な社会に生きている。
どれも人類が啓蒙主義の理念を実践してきた成果だ。
にもかかわらず、啓蒙主義の理念は、今、かつてないほど援護を必要としている。
右派も左派も悲観主義に陥って進歩を否定、科学の軽視が横行し、
理性的な意見より党派性を帯びた主張が声高に叫ばれている。
ポピュリズムと二極化、反知性主義の時代の今こそ、啓蒙主義の理念は、
新しく、現代の言葉で語り直される必要がある。
つまり、現代ならではの説得力を持った新しい言葉、「データ」「エビデンス」によって――。
知の巨人ピンカーが驚くべき明晰さで綴る、希望の書。 -
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