私だけの選択をする22のルール あふれる情報におぼれる前に今すべきこと
ハヤカワ五味(著者)
/KADOKAWA
作品情報
大学在学中から数々のアパレルブランドを立ち上げ、デザイナー・起業家として注目を浴び、最近ではテレビやラジオのパーソナリティとしても活躍するハヤカワ五味。引っ込み思案な幼少期、ものづくりに熱中した中高生時代、起業家となり多忙を極めた大学生時代、活躍の場を広げ進化し続けている現在──。24年の歩みのなかで、彼女が学び、選んだルールとは・・・・・・?●“ハヤカワ五味”が選択した22のルール1 たくさんの本に触れる2 必要なときには声を上げる3 楽しいと思えることを徹底的にやる4 ほしいものは手に入れる手段を考える5 好きなものに夢中になる6 関わる人は自分で決める7 憧れの人を追いかけてみる8 ないならつくってみる9 「ほしい」の声に応える10 ユーザーのためになることをする11 目的を明確にする12 悪いことが起きても、すぐに気持ちを切り替える13 自分が好きなものを広めてみる14 聞くべき助言を選び、どう生かすかを考える15 “成功”になるまで続けてみる16 一度決めた方向性はぶれさせない17 決断するときは焦らない18 チャンスには乗ってみる19 そのときどきで、視点を切り替える20 得意なこと以外は人に任せる21 他者を妄信しない22 夢を大切にする情報過多の時代で、惑わされずに生きたいすべての人に贈る「自分らしい選択」の方法。
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●“ハヤカワ五味”が選択した22のルール
1 たくさんの本に触れる
2 必要なときには声を上げる
3 楽しいと思えることを徹底的にやる
4 ほしいものは手に入れる手段を…考える
5 好きなものに夢中になる
6 関わる人は自分で決める
7 憧れの人を追いかけてみる
8 ないならつくってみる
9 「ほしい」の声に応える
10 ユーザーのためになることをする
11 目的を明確にする
12 悪いことが起きても、すぐに気持ちを切り替える
13 自分が好きなものを広めてみる
14 聞くべき助言を選び、どう生かすかを考える
15 “成功”になるまで続けてみる
16 一度決めた方向性はぶれさせない
17 決断するときは焦らない
18 チャンスには乗ってみる
19 そのときどきで、視点を切り替える
20 得意なこと以外は人に任せる
21 他者を妄信しない
22 夢を大切にする
代表的なオンラインプラットフォーム・・・検索サイトであればGoogleやYahoo!、 SNSであればTwitterやFacebook、Instagramなど。 YouTubeといった動画サイト、Amazonや楽天などのECサイトもオンラインプラットフォームの一種です
ソーシャルメディアプラットフォーム・・・インターネット上で人々がコミュニケーションを取り合ったり、情報を共有したりするためのオンラインのサービスやサイトのことです。これらのプラットフォームは、テキスト、画像、動画など様々な形式でユーザー同士がコンテンツを作成し、共有することを可能にします。
ハヤカワ五味
1995年東京生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。株式会社ウツワ代表取締役社長。高校生の頃からアクセサリー類の製作を始め、プリントタイツ類のデザイン・販売を行い、大学入学後はワンピースブランド《GOMI HAYAKAWA》、2014年にランジェリーブランド《feast》、2016年にワンピースブランド《ダブルチャカ》を立ち上げる。2018年にはラフォーレ原宿に常設直営店舗《LAVISHOP》を出店。2019年からは、生理から選択を考えるプロジェクト《illuminate》をスタート。
そんな私にとって格好の遊び場となっていたのが近所の本屋でした。 本屋がひしめく神保町育ちだったので、3分ほど歩けば三省堂書店神保町本店という大型の本屋がありました。水筒に飲みものを入れて毎日のように足を運び、さまざまな本を手に取って立ち読みを繰り返す日々。お店にとっては迷惑なお客さんだったかもしれません。 でも、この時期にいろいろな本に触れたことで、自分自身の性格や考え方が大きく変わったように思います。それまでは幼稚園や学校がすべてだったけれど、本の先には無限の世界が広がっていました。それは、ときにファンタジーであったり、ときに実在する誰かの仕事論だったりしました。イラストレーター向けのデッサン本を手に取り、このようにしてイラストを上達させるのかと感心したりもしました。
インターネットの時代は、ほしいものや好きなことは検索しないと見つからないし、ランダムで表示されるコンテンツたちも、基本的には自分に最適だとされるものが表示されます。ただ 幼い頃、私が通い詰めた本屋には、私が一見興味を持てなそうな本から、専門的な本まで広く取り揃えられていましたし、それを「暇だから」ととりあえず手に取ってみたからこそ、世界の広さに気づくことができました。そしてそのような広い世界を「今はまだ本でしかアクセスできないけれど、いつか絶対にもっと身近で体験してみたい」と思えたのでした。
まず、いじめの主犯だった担任が不祥事を起こして学校を去ることに。同級生の親からの嫌がらせも、担任が替わったことでなくなりました。
九段中等教育学校では友だちこそ多くなかったものの、本当に伸び伸びと学ぶことができました。特に英語、数学は本当に楽しくて、授業終わりに勉強好きで集まり、みんなで難しい問題を解くことも。ちなみに数学は、理系専攻でもないのに数Ⅲ+Cまで学びました。経営の仕事では、確率論や期待値などなど、数学が重要になってくる場面も多いので、まさかここで役に立つとは! と思っています。また、私は暗記が苦手だったのですが、クラスの社会科が大好きな子に教えてもらった内容は本当に興味深く、 苦手だと思うものも詳しい人に教えてもらうと実は面白いことがたくさんある んだと知るきっかけになりました。
ちなみに私が通っていた九段中等教育学校は、半分以上が国立大や早慶に行くタイプのマイルド進学校。私のように美大を目指す人はかなりレアでした。過去の進学実績を聞いても、直近でひとりかふたりといった様子です。
美術には、数学や英語のように厳密な正解がありません。ないからこそ、ブレイクスルーできたときの感動はひとしおで、どんどんのめり込んでいきました。
私はそれまで、「お金を稼ぐことは良くないことで、クリエイターとしてあるまじきことだ」とどこかでずっと思っていました。特にオークション転売をしていたときは、本当は数百円で買えるものを数十倍の値段で売っていたので、稼ぐことへの抵抗感や罪悪感がありました。 でもこのとき、タイツの値段を上げたことによって在庫を持つことが可能になり、結果的により多くの人に絶えず商品を届けられるようになったので「お金を稼ぐことは、最終的にユーザーのためになる!」 と気づきました。このことは、私が経営者として会社を運営していくことになったときも役立ったと思います。
ちなみに、当初は〝早川翼〟名義でタイツを製作・販売していたのですが、Twitterで「ゴミを量産するな!」と 叩かれたことを逆手に取って、〝五味〟と名乗るようになりました。 この頃は、〝ハヤカワ五味〟という名前がたくさんの人に知れわたるようになりたいと思って、いろいろなことを頑張っていた気がします。
高校2年生になった頃には、さらに受験勉強に励むようになりました。朝5時に起きて 24 時間営業のマクドナルドで自習し、放課後は美術予備校へ。 受験に集中するために、オリジナルデザインのタイツに関しては、デザインの権利のみをとある2店舗に一時的に譲り、そこで製造と販売などの細かいやりとりまで一括で巻き取ってもらって、私はその売り上げから歩合でギャラを受け取っていました。この生活は大学受験が終わるまで続きます。
ただ、ものをデザインするのではなく、その先にいるユーザーや価値観をデザインするという考え方は、このときから今に至るまで大事にしています。
そのうち「いやそもそも貧乳って単語ひどすぎない? 貧って何?」と感じるようになりました。 そこで、小さい靴のサイズを「シンデレラサイズ」と言うように、小さい胸のサイズを「シンデレラバスト」と言うのはどうだろうかとツイートしてみました。
中長期的に見ると、「ひとりですべてやってしまう」ということは、自分のキャパシティまでしか物事が成長しないことであり、自分の調子が悪くなれば事業の調子も傾くなど、良いことはほとんどありません。確かに短期的に見たら、今この瞬間の出費は痛いかもしれませんが、もし1年以上の大きな単位でプロジェクトを進めたいのであれば、目先の数週間のことよりも、年単位での動きを考えたほうが得だと思います。
また、「私もいろいろな人と会って勉強をしたい」と言っていたスタッフのために会食をセッティングしたのですが、後日、会食時の時給を請求されたこともあります。私から誘ったわけではないにもかかわらず、そんなことが起こることが驚きでしたし、それ以来、スタッフと食事をすることがしばらく苦手になってしまいました。 それ以外にも経営者とスタッフの関係になるとさまざまな面でコミュニケーションの壁にぶち当たります。ちょっとしたコミュニケーションを怠るだけで、後々にとても大きな問題になってしまいます。 でも、こういった経験が大きな教訓になっているのも確かです。 私から見たらスタッフは複数いますが、スタッフから見たら社長は私ひとりだけ。1対nではなく、きちんと1対1の関係を築くことが重要なんだとこのときに学びました。
高校生の頃は自身でタイツを販売し、大学生になってからはアパレルメーカーを立ち上げて社長になってしまったこともあり、私にはアルバイト経験が一切ありません。そうしたなかで、私にとって多くの気づきを与えてくれたのがインターンシップでした。
このインターンを通じて学んだことのひとつに、〝人の悩みの多くはすでに誰かが経験している〟というものがあります。 生きているうえで悩むことは誰にもあると思います。私自身「なぜ私だけこんな目に……」と考えて絶望したことが数多くありました。でも、 完全にオンリーワンの悩みはほとんどなく、大体は誰かしらがすでに経験しているもの なんですよね。かつて、会社のスタッフと面談しているときも「あ、今の言葉って、インターン先の上司が私に言っていたことまんまだな」と思うことがたくさんありました。そのように自分が通ってきた道にいる人を見ると「おそらく今ここらへんだけど、それを指摘すると反発されるだろうからこう伝えたほうがいいな」と自分自身が先輩にしてもらったように、少しだけ手を差し伸べられることがあります。
ブランド立ち上げ当初から目標にしていたのが、〝年商1億円〟という数字でした。一時期は、この目標を達成するまでは本を出さないと決めていたほどです。それくらいに達成したい目標でした。というのも、「小売業は年商で1億円を超えないとまったく話にならない」と言われ続けてきたからです。 しかし、5年ほどブランドを継続していくなかで、この数字を達成することはできませんでした。売り上げは右肩上がりで、2018年の時点で6500万円くらい。「2019年こそは!」という思いでしたが、その前に私の気持ちが折れてしまったのです。 そもそも私は、経営者になりたかったわけではありません。それに数字的な目標を追うのも苦手。明らかに経営者に向いていなかったわけです。それをさまざまな経営者と出会うなかで、身をもって感じるようになりました。
ほかにも、今まではないことにされていたさまざまな人たち──具体的にはLGBTを含めたマイノリティなど、多様な人たちの存在が照らされることになりました。 Twitter上では、強者も弱者も平等に140文字が与えられるので、これまで世のなかに 晒されることのなかった声が広く漂うようになります。それによって、私のようにマイノリティ向けのブランド展開をしても、さまざまな場所から多くの人がアクセスしてくださり、選ばれるようになりました。
ただ、全員が同じく140文字を持ってしまったからこそ、その140文字で他者を傷つける人も出てきましたし、より多くの価値観に触れざるを得ない状況で私たちは生きていくことになりました。 この「より多くの価値観に触れざるを得ない状況」というものは、心の準備ができていない人にとってはやや厳しい状況だなと感じます。 なぜなら、表現の自由、価値観の自由、発言の自由といった断りがつくもののなかには誰かに不快感をもたらすものが少なからずあるからです。誰にも不快感をもたらさないものであれば、ことさら〝自由〟という言葉を使って権利を主張するまでもないものであるはず。誰かの自由がすなわち、自分自身のストレスフリーな状況であるとは限らないのです。
多様性は、ビジネスにおいても重要性が再確認されつつあります。 たとえば、米マッキンゼー・グローバル・インスティテュート(MGI) が2015年に発表した研究結果によると、労働の面で女性が男性と平等となり、同じ就労率で同じ時間、同じ部門で働くならば、世界のGDPは2025年までに 28 兆ドル( 26%) 増えると推定されています。
そういったポジティブな面がある一方、都合の良くない売り手と買い手のマッチングも起きてしまうのがインターネットです。そして、SNSという個人が繫がるプラットフォームによって、それらはより加速しています。 たとえば、これまで男女のマッチングは、基本的に住んでいる場所や置かれている環境に依存するものでしたが、インターネットの登場によりさまざまな障害が取り払われました。結果、一例ですが、「お金に困った女性」と「若い女性を買いたいお金を持った男性」が簡単にマッチングできるようにもなってしまったのです。これが現在の「パパ活」と言われるものなのではないでしょうか。
お見合いなどで結婚相手が決められ、家同士の都合で男女が結びつけられていた時代からしばらくたち、現在は恋愛結婚が主流になってきています。いい 塩梅 での自由は恋愛をより良いものにしてきましたが、インターネットにおいて完全な自由を手に入れた恋愛というのもまた厄介なものだなと感じています。なぜなら、すべての売り手買い手がマッチングできてしまう場合は、圧倒的強者と圧倒的弱者が出てきてしまうからです。
インターネットによってすべてが合理的に繫がってくると、これまでオフラインという場だからこそ存在した偶然、つまりは市場における弱者に対する偶然的な幸せが成立し難くなってきます。 たとえば、インターネットがなかったときは出会いの場も限定的であり、限られた母数のなかでマッチングが行われていたので、比較対象というものも必然的に少なかったはずです。これが、インターネットによって場所を選ばずさまざまな人とコミュニケーションが取れ、仲を深めることが可能になれば、比較対象は無限になります。 そうなると、男性の場合は収入など他者と比較されやすい項目のレベルが低かった場合、圧倒的に不利になります。最近では、 20 代男性の交際未経験率が半数を超えているという統計結果もありますが、それらはもしかしたらインターネットで無限に人と出会い、再会ができる環境になったからこそ、選択肢からあぶれてしまったという可能性もあるのではないかと考えています。
自由というと素晴らしい響きですが、その実、 完全な自由とは合理性が強く働き、一部の強者が有利になり、一部の弱者への救済措置がなくなりやすいもの です。では、本当に私たちがほしいと思っているのは「自由」なのか。はたしてなんなのだろうかと一度考えてみてはいかがでしょうか。
私はフェミニストです。 そう自己紹介すると、多くの人が一歩引いた目で見てしまうのではないでしょうか。これは日本国内で世間一般的に認識されているフェミニスト像が、一部の過激な発言に引っ張られているのだと思います。
ちなみにその頃は、宗教上、女性が性行為を望むことは異常だとされたため、そのような欲求不満からくる行動はヒステリーであり病気であるとされていました。逆に性欲がなければないで、それはまた別の病気とされていた説もあります。なんでもありですね。
私はフェミニズムのなかでもリベラル寄り(一般には個人主義的とされている) の主張に共感することが多いのですが、国内の大きなフェミニズムトレンドのなかではリベラル派閥は少ないので、そこから見ると「フェミニストと名乗りづらいな」と思う瞬間もあります。同じフェミニストであっても考え方が多様化しているので、私のようなリベラル寄りの主張に反対する人ももちろんいます。ですが、大別すれば同じ派閥のなかで、どっちの主張が正しいかを叩き合っても意味がないのではないでしょうか。途中まで歩む道が同じであれば、そこまでは手を取り合って共にものごとを進めてもいいと思うし、歩んでいくなかでお互いの意見がブレーキになりながらも、より良い最終形態を目指していくのがベストだと思います。
自分と意見が異なる相手は「敵」ではありません。 自分の主張を通すために、異なる意見すべてを叩き潰す必要はないのです。「私はそうじゃないと思う」と発言する、それでいいのだと思います。イ・ミンギョン著『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』(タバブックス) にも「すべての人に説明し説得する必要はない」と書いてありましたが、そういうことだと思っています。
たとえば、私がLGBTなどセクシャルマイノリティの結婚について語ることはできますが、それはあくまで「自分はセクシャルマジョリティであり、自分が選んだ相手と結婚できる権利を持っている人からのポジショントーク」になってしまうと感じます。だからたいていの場合、その前置きをつけてから話すようにしています。
私は高校生の頃からおよそ8年間にわたって小売りに向き合っているのですが、なぜここまで小売業に惹かれるのでしょうか。それはおそらく、購入するという行為自体がある種の投票であり、意思表示である点が大きいでしょう。
私は、AbemaTVの立ち上げ当初から「Abemaprime」という2時間生放送のニュース番組に毎週レギュラーで出演させていただいています。出演当初は特にニュースも興味がなく、「これでやれるのかな」と思っていましたが、回数を重ねるうちに「これまでなんて狭い視野で世界を見ていたのか」と反省させられました。 自分の意見のつもりで語っていたことでも、いざ詳細を知ると自分の言葉ではなく、どこかのニュースの受け売りだったりして、そこに考えや裏どりなどが一切なかった のです。 それに気づいてからは、日々勉強でした。どうして貿易と世界情勢が重要なのか、今の日本ではどのような政治が行われているのかなどなど、知らないことばかりでした。
現在、私のTwitterのフォロワーは約7万人、Instagramは約9000人、YouTubeのチャンネル登録数は1万人ほどです(2019年9月現在)。新聞、ラジオ、テレビなどに毎週出ていてこの人数なので、一般認知度の割にフォロワーは少ないほうだと思っています。続きを読む投稿日:2024.04.04
15歳からビジネスを始め、19歳で起業したハヤカワ五味さんの著書。
情報が溢れる現代を納得して生き抜くために必要な「選択する」ことについての重要性を、ご自身の経験を基に書かれています。
「ビジネス…という土俵においては売り上げを立て、継続していくことが、哲学を実現する前段階の最低条件」
「日々成長している人は、いつだって1か月前、1年前は黒歴史」
という言葉は、経営者の立場にいる自分にとって非常に印象に残りました。
ご自身のこともよく分析されていますし、一方的な主張や自叙伝ではない内容も、とても読みやすかったです。
ただ、冒頭に掲げられている22のルールを本の中身で深堀りしていく構成かと思っていたのですが、僕の中ではうまくそこをリンクさせられず、読了後は少し不完全燃焼でした。続きを読む投稿日:2023.10.26
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