「差別はいけない」とみんないうけれど。
綿野恵太(著)
/平凡社
作品情報
セクハラや差別が後をたたないのは、「差別はいけない」と叫ぶだけでは、解決できない問題がその背景にあるからだろう。反発・反感を手がかりにして、差別が生じる政治的・経済的・社会的な背景に迫る。「週刊読書人」論壇時評で注目の、気鋭のデビュー作。
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この作品のレビュー
平均 4.2 (20件のレビュー)
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日経9月7日書評に掲載の本。
ポリコレをめぐる言説の考察。
「ポリティカル・コレクトネス」とは、人種・宗教・性別などの違いによる偏見・差別を含まない、中立的な表現や用語を用いること。しばしば、「う…ざい」とか「うんざり」とか否定的な意味合いを込められる。
差別はしてはいけないこと。
だけど、無自覚に差別をしてしまう自分は絶対的に存在する。
そんな自分を認めつつも、人の尊厳を傷つけず、人を思いやれる人になりたい、と思う。
だから、ポリコレ的視点で、自分の言動を常に見つめることは必要だな、と思う。
いっぽうで、行動経済学が示しているとおり、人間は常に賢い行動をとるわけではない。また、厄介なのは、差別する側にも一定の合理性があることだ。
本書の立場は、ポリコレへの反発から問題点をあぶり出し、それを乗り越えることを目指す。
民主主義は同質性を求めるので、異質な者を排除しようとすること、多様性を認める自由主義とは経済成長がないと折り合えないこと、など目を見開かせる記述が多い。
ただし、差別問題について、明確な結論まではたどり着けてない、かな。
差別はそれだけ根深い問題、ということ。
文字が大きくて1ページあたりの文字数が少ないので、サラッと読めるかと思ったが、読み進めるほどに難しくなり悪戦苦闘した。でも、さらにしっかり読み込んで、理解を深めたいと思った。続きを読む投稿日:2019.12.05
基本的にはロールズの正議論に則り、「正体が無知のヴェールに包まれた状態」におけるものに立脚していたいものの、生得的な違いなどにより、平等ではない事実(女性のほうが感情的だったりすることを裏付けるデータ…だったり、人種によってIQ平均値の統計的な差異が認められていることなど)により、それが上っ面な正義でしかないことが明らかになってきた。また、女性の平等を求めたとしても、それに見合う効能とコストがあるのかと指摘し、棄却するような功利主義(それぞれの正義や道徳の対立を効能とコストの観点から回避する)も台頭している。また、過剰に平等を求めた先に、自分の内在する暴力性(Aを言うなら、BはどうやとかA’のことはいいのか)を過剰に取り上げることが多くなり、発言するのも気が引けるようなそんな堅苦しい世界になっているようにも感じる。
でもそれでも、中国のようなアーキテクトによって人間をコントロールしようみたいなものや差別に対抗するには、道徳や正義を発揮する必要がある。非常に脆弱で曖昧な主観的なそれに立脚することのみが人間としての矜持とすら今この本を読んだ後に感じる。この本を読む前まではこの昨今の生きづらさや発言のしにくさがめんどくさく、鬱陶しいものだと感じていた。もっと自由に生きたほうがいいに決まっているとすら思っていた。どちらかといえば、功利主義的な人間(だからIT企業で働いている)だし、性質の違いがあるのだから完全な平等は成立しないと思っていたが、そんな事実や主義も勘案したうえで、平等を求めること、そのポーズの意義を最後の天皇の章で感じたように思う。
データ分析やIoT、DXなど数字で語ろうとする機会は非常に多いし、それが有用である側面もわかりつつ、道徳心や正義にこだわることは大事なんじゃないかと思わされた。続きを読む投稿日:2023.12.13
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