スマート・ジャパンへの提言 日本は限界費用ゼロ社会へ備えよ
ジェレミー・リフキン(著)
,NHK出版(編)
/NHK出版
作品情報
世界に衝撃を与えたベストセラー、『限界費用ゼロ社会』から3年──
ジェレミー・リフキンが唱える〝最後の〟産業革命はいまや、世界規模で急速に進む脱炭素革命とモビリティ革命によって、デジタル社会のなかでその輪郭がくっきりと浮かび上がってきた。
メルケル独首相やEU首脳および中国指導部のブレーンを務め、EU各地域でスマート・シティ構築のプランを動かす著者に、世界から取り残されつつある日本の現状はどう映るのか?
20年ぶりの来日を果たした著者による、貴重な日本向け提言と対談を収載した日本オリジナル版。『限界費用ゼロ社会』入門編として、経済と社会の構造が大きく変わるデジタル時代の必読の書。
本書の実現を担うミレニアル世代とのQ&Aも収載!
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商品情報
- 著者
- ジェレミー・リフキン, NHK出版
- 出版社
- NHK出版
- 書籍発売日
- 2018.04.27
- Reader Store発売日
- 2018.05.10
- ファイルサイズ
- 8.4MB
- ページ数
- 224ページ
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この作品のレビュー
平均 4.0 (9件のレビュー)
-
第3次産業革命によって、コミュニケーション、再生可能エネルギー、輸送/ロジティクスの3つのデジタル化されたインターネットが構築され、今後30年間で総効率は上がっていく。→限界費用ゼロ社会へ
しかし、…日本がつまずいているのは、再生可能エネルギーの利用の遅れであり、これは垂直統合型の電力会社が、原発の運転断念を認めていないから。
しかし、日本の秘めているポテンシャル(シェアリングエコノミー、スマートシティ実現への取り組み)は、持続可能な社会を作り出しうる。
過去において、経済のパラダイムシフトが起きる要因は三つのテクノロジーにある。
①効率的なコミュニケーションテクノロジー
②効率的なエネルギー源
③効率的に輸送を行うモビリティ形態
総効率:何かを一つ創造するのに投入された仕事量に対し、変換の過程で失われていくのを除いて、最終的な製品・仕事に変換された部分の割合のこと。
生産性向上の主要因は、資本投下とパフォーマンスのある労働者、と思われていたが、実は生産性のうちの14%しか説明できない。残りの86%は、総効率。
日本の工業力ピーク時でも、総効率は20%程度だった。つまり、今後は第2次産業革命の老朽化したインフラを駆逐し、第3次産業革命(デジタルな相互接続)を進めること、モノ全てがネットで繋がり、データを記録し相互にやりとりし合うことで、エネルギーの最大効率化を図ること、が重要になる。
そして限界費用が下がると、いずれ利益幅そのものがどんどん小さくなる。その中で生き残るためには、絶えずネットで情報をやり取りし、あらゆるビジネスと協働する必要が出てくる。
シェアリングエコノミー、特に再生可能エネルギーという限界費用がほぼゼロで生み出される新エネルギーの前では、従来の化石燃料ではコストで太刀打ちができない。
地球温暖化の原因
1位 建築
2位 牛肉の生産と消費
3位 車
社会のあらゆる環境にセンサーが取り付けられている。
最も有望なものがビルなどの建築物。これが日本中で結びつき、一つの大きな神経システムを作り上げ、活動をマネジメントし得る。
ミレニアル世代にとって自由とは、自己を邪魔されないことではなく、何百万もの人たちと繋がることであり、その広大なネットワークに自由に自らの能力を捧げることである。パワーはトップダウン型ではなく、水平型である。
市場経済のオートメーション化によって開放された人間は、より創造的な仕事に従事し、人々の社会関係資本を積み上げていくようになる。
これからの教育システムは、第三次産業革命のためのIoTインフラを構築するスキルを学び、非営利のシェアリングエコノミーにおいて社会関係資本を作り出すのに必要なスキルを身に着けさせることが大切になってくる。
グローバリゼーションは、パワーが一握りの企業に集中していた中央集権型の時代から、グローカルな方向へとシフトしていく。
この先の世の中で大切なことは、地域が「自分たちで未来を作り出す」ように、自治体が支援してあげること。
分権型ではなく分散型。分散型は地方自治体が部分的に自立しながら、権力の別の一部は大陸的な連合体に再集約され、その集合体がファシリテーターとなる。
日本では、国内の電力会社を超えたネットワークの整備が必要。また、中国や韓国など、国を海中ケーブルで跨いだエネルギー構想もいる。
空き家を潰して生物圏に戻したり、人が住まない広大な土地に太陽光パネルや風力タービンを設置し、エネルギーの確保を図る。
一帯一路構想は、決して中央集権型の枠組みではない。IoT世界においては、全てが分散され、誰もが必要に応じてネットワークへの参加をオンオフできるからだ。これはユーラシアを繋ぐコラボレーション。
発展途上国は、インフラが整備されてない分、一足飛びに進むことができる。古い規制や既得権力が存在せず、新しく構築するほうが早いから。
ビジネスはインフラで作られており、そのインフラは政府と産業と市民社会という官民連携で作られている。続きを読む投稿日:2020.06.01
限界費用ゼロ社会の日本版ということで、書き下ろしコラムだけでなく、対談などあり、理解が進む。
第三次産業革命により、インフラが作り変えられる途中にあるということ。そのビジョンが見えていないとなると、…日本は相当にやばい。再エネのエネルギーインターネットを通じてそれを示すことか。続きを読む投稿日:2024.02.05
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