戦国武将物語 徳川四天王
小沢章友(著)
,甘塩コメコ(絵)
/講談社青い鳥文庫
作品情報
十九歳までの人生の三分の二を他家の「人質」として過ごした苦労人、徳川家康。家康には、後の世の人に「徳川四天王」とよばれるようになった、名臣中の名臣がいた。酒井忠次、本多忠勝、榊原康政、井伊直政である。今川家に忍従するように仕え、武田家とは死闘を繰り広げ、信長、秀吉と互角にわたりあえるまでになり、苦労に苦労を重ねてついに天下をつかんだ家康――。四人の男はいかにして家康をささえて天下を取らせたのか。
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商品情報
- シリーズ
- 戦国武将物語 徳川四天王
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社青い鳥文庫
- 書籍発売日
- 2017.05.15
- Reader Store発売日
- 2017.08.11
- ファイルサイズ
- 21.3MB
- ページ数
- 240ページ
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この作品のレビュー
平均 4.0 (1件のレビュー)
-
2023年大河ドラマ用メモ
「家臣こそわが宝」と言った徳川家康に仕えた三河武士の中でも、初期から家康に従い江戸幕府樹立に功績を立てた「徳川四天王」と呼ばれる四人の家臣がいた。
「後ろにも目がある」と…称賛された戦上手の酒井忠次、「戦国時代最強」と言われた本多忠勝、本多忠勝と同じ歳で「無」の旗印を掲げる榊原康政、一番若く武田の赤備え隊を率いた井伊直政。「三傑」
天下人となった徳川家康を家臣から見る児童向けの伝記。
「徳川四天王」という言葉は聞くけれど、いつから言われていたのか?
彼らが活躍していた頃には、筆頭家老の酒井忠次と、本多忠勝、榊原康政、井伊直政で「三傑」とは呼ばれていたらしい。
彼らの功績はこんなかんじ。
酒井小五郎忠次
四人の中で最年長。妻は家康の父松平広忠の妹なので、家康の叔父にあたる。
松平家は、家康の祖父の松平清康、父の松平広忠が二代続けて部下や同盟相手に暗殺され、広忠と家康と二代続けて今川の人質となっている。
松平清康の代から松平家に仕えた酒井忠次にとっては、家康を守り立てて、岡崎を松平に取り戻すことはまさに悲願だっただろう。
時代劇では、今川義元が桶狭間で織田信長に討たれ、家康が岡崎城に入ったときの家臣たちや岡崎の町人たちが歓喜しているが、たしかに二代続けての悲劇の後に本来の主君が戻ってきたとなったら喜びもひとしおだったとやっと分かった。
酒井忠次はこのときに筆頭家老となり(石川数正も同じく筆頭家老)、政治面でも戦面でも手腕を見せ、武田勝頼との戦では織田信長から「うしろに目がある」と評されるほどだったという。
さすがに年齢が高いため退場も四人の中では一番早く、豊臣秀吉による北条攻めの前に隠居した。
本多平八郎忠勝
祖父も父も松平家を守り死んでいる。松平家が二代続けて暗殺されてるなら、本多家は二代続けて松平家存続のために死んでいるわけだ。
そんな本多忠勝が家康(当時は松平元康)に仕えたのは13歳のとき。
飛ぶ蜻蛉を長槍で切ったので、長槍に「蜻蛉切り」の名前がついているんだとか、何十年も最前線で戦い続けたがかすり傷一つ負わなかったなど「戦国時代最強」と言われる。
しかし交渉事にも長けていて、調略や政治交渉も遂げていたらしい。強くて忠誠者で「家康に過ぎたるものが二つある」と呼ばれたうちの一つとなっている。
榊原康政
本多忠勝と同じ13歳で、同じ時に家康(松平元康)に仕えた。
旗印は「無」で、知略に優れていた。
関ケ原の戦いでは、秀忠に従っていたので、肝心の戦には遅延した組だった。
そして一番若い井伊直政。
父が今川に殺されたので、女地頭の井伊直虎に育てられた。
武田が滅びた後、赤備え隊を率いて戦いに参加した、
関ヶ原の戦いでは、家康の息子松平忠吉に付き添って先陣横取り…じゃなくて本体による見事な一番駆けを演出してみせた。
「関ケ原の戦」での西軍の毛利や小早川への調略は、本多忠勝と井伊直政が領土安堵の署名をしている。これはこの「四天王」が家康の代理としても公に認められていたのだろう。
しかし結局は家康はこの約束を反故にした。「それってうちの部下との約束ですよね?主君の私は知らないし〜」ですっとぼけたんである 笑 そりゃー毛利が幕末まで怒るよね 笑
徳川家臣は他にも名が高い武将はいるが、この四人は本能寺の変の後の「伊賀越」にも同行していることが大きいんだろうか。まさにあのときは死ぬかと思ったーという経験をともにしたってかんじで。
他にも家康の家臣として名が出るのは石川数正。家康が今川の人質時代から側近で、今川から独立してからも交渉事や政治面で活躍していたが、豊臣秀吉と面会を重ねるごとに調略されてしまった。
これはよくわからん。調略されたってだけ?跡継ぎ問題とか徳川家の勢力争いで不利になったとかそんなこともあるのかなあ。
そして石川家って江戸時代はどうなっていたんだろう??
家康側近として名が出るのは本多正信。「徳川四天王」がメインのこちらの本では本多正信はあまり評価が良くない。元々が鷹匠で、三河の一向一揆の時には一向宗についたので松平家から離れ、20年後に戻ってきて、側近になっている。(徳川家康の話でもあまり三河の一向一揆のことは触れられないですよね。かなりのピンチであり転機だったと思うんだけどな)
本多正信自身も息子の本多正純には「目立つな」と言っていたが、秀忠の代で「釣天井事件」で改易されてしまいましたね…
本多親子でいえば大河ドラマ「徳川三代」で秀忠(西田敏行)が関ヶ原の戦いに遅延した時の家臣たちのやり取りがなかなか印象的だ。本多正純(渡辺いっけい)が「遅延の要因は我が父本多正信。責任をとって父が切腹します!」と宣言、それを聞いた本多正信(神山繁)が「おいこら、責任は取るけど息子のオメーが勝手に言うな」みたいなやり取りしてましたね 笑 そしてこのやり取りからでも正純が煙たがられるのもわかる。
その後家康が天下人になると、譜代の家臣は譜代の藩として広い領土をもらうが、家康の側からは離れることになる。
「四天王」は大坂の陣の前に他界している(酒井以外は家康より年下なのに!)。徳川の幕府を見ることはできなかった。しかしその礎となったのだ。続きを読む投稿日:2023.02.08
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