レッド・プラトーン 14時間の死闘
クリントン ロメシャ(著)
,伏見 威蕃(訳)
/早川書房
作品情報
2009年10月3日早朝、アフガン辺境の米軍戦闘前哨が突如、タリバンの大部隊による奇襲を受けた。重火器による包囲と猛攻を前に米兵たちは次々に斃れ、ついに敵兵が陣地内に侵入、彼らは絶体絶命の危機に陥る。苛烈な戦闘を生き延びた元兵士が語る息詰まる記録
もっとみる
商品情報
- シリーズ
- レッド・プラトーン 14時間の死闘
- 著者
- クリントン ロメシャ, 伏見 威蕃
- ジャンル
- 教養 - 戦記(ノンフィクション)
- 出版社
- 早川書房
- 掲載誌・レーベル
- 早川書房
- 書籍発売日
- 2017.10.01
- Reader Store発売日
- 2017.10.31
- ファイルサイズ
- 18.7MB
- ページ数
- 432ページ
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 4.4 (8件のレビュー)
-
【感想】
こんなめちゃくちゃな戦いがあるのか……というのが、まず最初に抱いた感想である。言うまでもないが、戦闘においては高さが絶対的正義だ。低地よりも高台、高台よりも山、山よりも空中。上を取ったほうが…勝つと言うのは弓と剣で戦っていた時代から今でも変わることない常識だ。
そういった要素を踏まえれば、本書の舞台であるキーティング前哨基地は、まさにその常識を逸脱した「死の罠」だった。パキスタン国境からの距離はわずか22.5キロメートルで、ヌーリスタン州カームデーシュ地区でもっとも深い谷間の底にある。四方は標高3600メートル以上の険しい山で、敵は尾根の木立や岩に隠れて、前哨に弾丸を浴びせることができる。タリバンは、隘路――補給物資を弾薬を運ぶのに使っている、尾根の向こう側の踏み分け道――に沿って進み、陣地を築いて、前哨の敷地内を撃ちおろすだけで、攻撃できる。軍事用語でいうなら俯瞰射撃をくわえられるわけで、敵を制圧するのはきわめて難しい。しかも二本の川があり、ヘリコプター高着地点と基地を隔てているため、毎回毎回、ヘリコプターが接地する前に、敵地にあるランディングゾーンを奪回しなければならない。そしてもっとも近い米軍基地から車輌で駆けつけるのに、一本しかない細い道を6時間走らなければならない。
以上のとおり、戦闘が始まる前の時点で基地に問題があるのは明らかなのだが、いざ戦闘が始まってからも、最悪の状況が更新され続ける。友軍であるアフガニスタンの国軍と治安警備隊が防御区域二カ所を完全に放棄したために、キーディング東側のワイヤ穴(そもそもこんな裏口があるのが論外だが)から敵が自由に出入りできる。また、頼みの綱の迫撃砲は二か所あるのだが、一か所は敵の攻撃に晒され続けて到達することができず、もう1カ所には味方5人がいて、焼け焦げた装甲車のなかに閉じ込められている。航空支援も要請してから到着まで2時間以上かかるため、当分支援爆撃は見込めそうにない。
こんな戦況では数時間もしないうちに全滅してもおかしくないのだが、この状態にあっても敵兵士を150人以上殺して味方のヘリが来るまで耐えきった、というのだから驚きだ。
加えて、戦闘の様子をここまで鮮明に描写できるのか、という点でも驚いてしまった。敵の位置はどこか、敵がどの場所にどのような攻撃を加えているか、それを踏まえてレッド小隊はどのような迎撃態勢を取ろうとしたのか、といった細かい戦術が克明に記録されており、実際には5分間の戦闘であっても、ページにすれば50ページ近くを割いて記述している部分もある。戦闘中の動きは、関係者への聞き取りと無線通信の記録をもとに再現したと述べられているが、断片的なピースをよくここまでつなぎ合わせたなぁ、と感心してしまった。
余談だが、本書は『アウトポスト』というタイトルで2021年3月12日に映画化されている。
↓のサイトから予告映像が見られるため、キーティング全体の雰囲気や規模感を映像で知りたい場合はこちらを参考にするといいと思う。想像していたより狭く、隙だらけということが実感できるはずだ。
https://eiga.com/movie/94424/続きを読む投稿日:2022.01.24
映画『アウトポスト』の原作本。
アフガニスタンの辺境に設置された前哨基地でタリバン兵の強襲を受けた兵士の記録。映画だと後半1時間で描かれたタリバン兵強襲を本では9割以上をその描写に使われているから、…読むと映画後半シーンの理解度が跳ね上がる。
映画では分からない部分と文章では伝わらない部分の両方があったからセットで楽しめるのが良い。映画初見時でも壮絶な戦闘だなと思ったけど本で読むと更に壮絶で、本を読んだ後に映画を見るとちょっとあっさりし過ぎと感じてしまう。
改めて本で読んで「危機を予測して備え、緊急時の制限がある中でそれぞれができることを実行する」っていうのが規模は違えど非常災害対応に通じるものがあるなと思った。続きを読む投稿日:2024.02.20
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。